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自己株式取得に係るみなし配当計算について(種類株式発行のケース)
今回は、種類株式発行会社の自己株式取得に係るみなし配当計算について解説してみたいと思います。
1.自己株式取得に係るみなし配当の計算方法
まずは自己株式取得の場合のみなし配当計算方法を確認したいと思います。①資本金等の金額の減算額を算定②みなし配当金額を算定の2ステップとなります。
![](https://assets.st-note.com/img/1655215836215-qbDydHdhNx.png?width=1200)
以下具体的な数字に当てはめた場合の計算例です。
【前提】
![](https://assets.st-note.com/img/1655216066963-nvctKLh4fT.png)
【計算】
![](https://assets.st-note.com/img/1655216001506-qUtOdeIgJp.png?width=1200)
2.種類株式発行のケース
では種類株式発行のケースはどうなるのでしょうか。種類株式を発行している場合には、株式の種類ごとに「種類資本金等の額」を算定し、種類資本金等の額を基礎として計算することになります。
そのため、発行体である会社は、法人税の申告書上、別表5-1付表である「種類資本金額の計算に関する明細書」を作成し、株式の種類ごとに資本金等の額を管理しておく必要があります。(私見ですが、初めて優先株式の発行を行いファンド等からメザニン調達を行った会社などはこの別表の作成が漏れているケースが散見されている印象を受けます・・・)
種類株式発行会社のケースの計算方法は以下となります。2ステップで計算される点は同様です。
![](https://assets.st-note.com/img/1655216900238-QQIMC2VJuy.png?width=1200)
以下具体的な数字に当てはめた場合の計算例です。
【前提】
![](https://assets.st-note.com/img/1655216934793-BnVKXmM1bi.png)
【計算】
![](https://assets.st-note.com/img/1655216966119-NwiYxAyjdy.png?width=1200)
3.総括
種類株式を発行している場合の自己株式取得に係るみなし配当は、株式の種類毎に分けた資本金等の額を基礎に計算される点がポイントです。
特に種類資本金額の別表の作成漏れには注意が必要です。
特殊なケースを除いて、基本的には株式の発行価格×償還割合が元本部分、償還額(交付金銭額)のうち、元本部分を超えた部分がみなし配当になるようなイメージを持ってもらうとしっくりくるかと思います。(キャピタルゲイン部分が配当とみなされるようなイメージですね)