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他社の新機能リリースに隠された裏側をまとめてみた。

日々プロダクト開発に関わる中で、他社の新機能リリースに隠された裏側を知りたいと思い、調べたものをまとめてみました。


1.飲食店の人手不足解消を目的に新機能リリースした事例

飲食店向けのモバイルオーダーPOSシステム「ダイニー」には、顧客がスタッフにチップを送る「推しエール」機能があります。これは、人手不足解消と従業員のモチベーション向上を目的として開発されました。全国の飲食店が直面する人手不足問題を解決するため、投げ銭(チップ)機能が導入されました。この機能の導入後、採用増や離職率の軽減だけでなく、スタッフのモチベーション向上と店舗の顧客満足度向上にも成功しています。


2.ユーザーの行動データを徹底分析し、「良い学習体験」を提供している事例

楽しく外国語が学べる「語学アプリ」Duolingoは「成長モデル」に沿ってチームを配置し、各チームが異なる目標に責任を持っています。各チームがユーザーの行動を徹底的に分析し、数百回に及ぶABテストを行うことで、ユーザー体験を改善しています。

例1:新しく「連続記録」をはじめた人に向けて、レッスン後に「目標を設定する画面」を追加したところ、長期の継続率が改善。

例2:レッスンで正解を祝うアニメーション、ボタンをタップしたときに感じる触覚フィードバックなど、「喜びを感じる瞬間」を増やした結果、滞在時間やリピート率、継続率向上に繋がったとのこと。

例3:「学習の可視化」と「コミットメントの祝福」で継続的な学習サイクルに貢献

このように徹底したユーザー分析により、「良い学習体験」を提供した結果、顧客満足度が向上し、口コミでのユーザー増加が全体の約90%を占めていルそうです。


3.ユーザーとの関係を構築するため徹底されたUXライティングの活用事例

従来のメールやチャットツールと比べて、効率的なコミュニケーションが可能なSlackのUXライティング術についてご紹介します。
Slackは、機械的で堅苦しいライティングではなく、実際に人と会話するような会話型ライティングを採用しています。
これにより、ユーザーにツールをより人間的に感じさせ、モチベーションの向上やユーザビリティの改善に貢献しています。以下に、Slack社がUXライティングを考える際の手順を示します。

UXライティングの取り組み方
1. 起こったこと (What happened)
2. 彼らが感じている感情 (What they're feeling)
3. 伝えたいテーマ (The theme we'll convey)


4.新機能リリースに向けてデザインスプリントを活用した事例

クックパッドのiOSアプリ内でリリースされた「気分で選ぶ」機能の開発の裏側について記載されている記事です。
ここでは、課題発見から価値仮説の策定、ユーザーインタビューまで、ユーザー視点を徹底して取り入れていることはもちろん。
デザインスプリントの活用で、仮説検証を高速で繰り返すプロセスにより、アイデアの精度を高めている部分が参考になります。


5.ユーザーテストから顧客のニーズに答えて改善した事例

家族向けに写真や動画を共有できるアプリ「家族アルバムみてね」のユーザーテストの素晴らしさは、ユーザーのフィードバックを徹底的に反映させる点にありました。
また、リリース後には「ネガティブな数値」に目を向けることではなく「ポジティブな数値」に目を向けることが大事とのことです。

例:はじめは登録者が少なかったのですが、家族を招待して使っている方は、明らかにアクティブに使い続けていた。


6.ユーザーストーリーマッピングを使い、直感的に利用できるサービスした事例

ゼクシィオンライン招待状は、結婚式の準備を初めてする多くの方々にとって便利なサービスです。
結婚式の準備が初めての方々が直面する「何から始めればいいのか」「どれくらいの作業量が必要なのか」という疑問に応えるために、直感的に使えるインターフェースを提供するために、顧客の行動パターンに基づき、ユーザーストーリーマッピングとOOUI(Object-Oriented User Interface)のアプローチが活用されました。
これにより、新しいプロダクトの品質と魅力が向上し、利用者にとってより価値ある体験が提供されています。


7.Howより前にWhatを定める手法でCVRを改善した事例

カレンダーシェアアプリ「TimeTree」は、新機能追加に伴いランディングページの改善を行いました。まず、ファネル分析を通じて現在のランディングページの数値的な現状を正確に把握し、改善すべき課題を特定。
その後、具体的な施策を考える前に、表現の方向性や軸といった基本方針を設定。具体的には、他社のさまざまな画面を研究し、訴求軸を整理していました。
こうしたプロセスを経て議論を重ねることで良いアイデアを抽出し、最終的にランディングページのCVRが2.5倍に向上しました。


まとめ

今回、他社の開発の裏側を調べたことで、様々な思考や施策を学ぶことができ、大変勉強になりました。特に、他社がどのように課題を解決し、成功に至ったかを具体的に知ることで、自社のプロダクト開発においても多くの参考になる点がありました。
今後も積極的に情報収集を行い、最新のトレンドや技術を取り入れながら、より良いプロダクトを開発していければと思います。

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