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水面がなぜ想像力を掻き立てるのか(水族館)


はじめに

水族館の展示における、水面を見下ろすような視点が好きだ。

「水面」は物理的な意味としては単に気中と水中の境界だ。

ただ、僕にとってはそれ以上に意味があるようで、それは人と生き物との接点であり、想像力を掻き立てるもののようだ。


好きな展示


足立区生物園のピラルク。水面からヒレが出る。


のとじま水族館のジンベエザメ。水面近くを巨体が通り過ぎた。


森の中の水族館のチョウザメ。水面からヒレが出る。頭から尾にかけて白い線が見える。コイかと思ったが、チョウザメだった。


なんか良い。

何が良いのか

良いと感じた展示の中から、水面という共通点を見つけた。

人工的な水面を観て何を感じるのか、何をイメージするのかを考えたところ、2つ挙がった。

① 何か大物がいそう感」

「② 生き物とのリアルな出会い」


① 何か大物がいそう感

水面は、水面上の景色を反射させることにより水中の生き物の姿を隠す。これにより見る人の想像を膨らませる。

また、ヒレなど体の一部だけ見せたり、近づいてくる生き物の姿を少しずつ見せることで、徐々に気持ちを高めてくれる。

水面下にかなりの大物がいるんじゃないかという期待と恐怖が入り混じった感覚を与えてくれる。

僕の好みに合っている。


② 生き物とのリアルな出会い

水族館における水面は、陸上で暮らす人間にとって水中に棲む生き物との出会いをよりリアルなものにしてくれる。

ピラルクの展示は、森の木々の間を抜けた先にある泉のようだ。長く歩いたのちに到達したかのような気分だった。


ジンベエザメの展示は、ボートで沖に出て、海を見下ろしたときに偶然出会ったかのようだった。

こちらは美ら海水族館


水族館によくあるガラスの中を見る展示に比べ、より生き物が近く感じる。そして現実と錯覚する。


さいごに

自然の中を歩いていて偶然池を見つけたら、何かいるかなと期待を込めて覗き込むはずだ。水面は生き物との接点なんだ。

今後も水族館で上から見下ろせるような展示を探してみようと思う。


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