元広島カープの新井さんから学ぶ人生の咲かせ方
最近、人間に真理について考えることが多々あります。
薄っぺらい関係に嫌気が差してきているということもありますが、いろいろと苦悶した結果、結局人間とはそういう生き物だという答えに行き着いています。
どういうことかというと、人は本能的に移り変わりやすい生き物ということです。
たとえば、クラスで人気者がいたとしましょう。ある日、彼より魅力的な転校生がやってきました。
その瞬間、人気は転校生の方に集まります。
元々人気者だった彼は、転校生をやっかむでしょうし、クラスのみんなに対して不信感も抱くと思います。
この場合、一体誰が悪いのでしょうか?
俯瞰して見ると、その前から人気者だった彼はかわいそうな存在に映るかもしれませんね。
でも仕方ないんですよ。これが人間の性です。
もともと、人間は自分の子孫を繁栄させるために、より強い種の求めています。
だから、やっぱり魅力的な人に人気が集まるのは当然なんです。
戦争はこの原理が働いています。
人類の歴史をひもといていくと、ずーーと戦争をしてきた過去があります。
これは人類が、より優秀な子孫を繁栄させるために、その他を淘汰させるための行動です。
これが人間の本能なんですね。
つまり、優秀な子孫を後世に残すためには人殺しも辞さないわけです。
もちろんこのDNAは私たちの脳の中にも深く刻まれています。
だから、人の気持ちが移り変わるの仕方ないんです。
みんな、自分が生存する確率を上げて、優秀な子孫を残すために本能レベルで人を選りすぐっています。
だから、自分の元から人が去っていくのは当たり前。
自分が魅力的だったか、欠点がなかったのかどうかは置いておいても、自分がより生存する確率の高い人の方に行くのは当然なんです。
そして、自分が生存しやすい場所が見つかったら、そこで生きていくことが普通です。
その前の相手なんてどうでもよくなります。
さみしい話ですが、そんなものなんですよね。
会社でも同じで、退職して別の会社に移ったら、前の会社は競合になります。
昨日の味方は今日の敵ということ。
資本主義社会で生きている限り、お金の流通量は平等なので、当然の話です。
ここで面白い話を紹介します。
元広島カープで、名球会入りも達成した新井貴浩さんのお話。
新井さんは広島カープに入団して、その後FAで阪神タイガースに入団。その後、阪神を自由契約になり広島カープに移籍しました。
特に最後の広島カープ在籍時には3連覇にも貢献したので、そのイメージが強い人が多いのではないでしょうか。
誰からも愛されるキャラクターで、成績もさることながら、記憶に残る選手でした。
しかし、新井さん。広島カープから阪神タイガースに移籍したときには、広島ファンから大バッシングを受けています。
さらに「広島カープが大好きなんで、ツラいです」と移籍時の記者会見で述べたセリフが大炎上。「カープが好きならなんでFA移籍するんだ」というカープファンの怒りに火を付けてしまい、その後ずっとネタにされています。
しかも、移籍した阪神タイガースでは最終的に自由契約にされてしまいます。いわゆるクビですね。
最後の数年間は思ったような成績が残せず、ベンチを温める機会も増えていました。
そうはいっても、阪神タイガース在籍時には打点王も獲得していますし、成績を振り返っても堂々たるものです。
それでも、最後の数年のイメージが悪かったので、阪神ファンにとっては新井さん=活躍できなかった、という印象が強く残ってしまいました。
その後、阪神を退団した新井さんは古巣の広島カープに移籍します。
ここからが新井さんの本領発揮でした。
復帰1年目はそこそこの成績だったものの、2年目には3割100打点の成績で広島カープの優勝に貢献。
しかも、阪神との試合にめっぽう強くて、元同僚の能見投手から見事な逆転ホームランを放つなど、活躍が目立ちました。
それを見た、ある阪神ファンのタレントさんが解説者に「なんで新井さんは、阪神にいたのに阪神戦であんなに打つんですか? 元同僚やファンに遠慮しようという気持ちにならないんですかね」とコメントしていたことがあったんです。
それに対して解説者が「今は別のチームで戦っているから関係ありません。移籍したら、そのチームを勝たせることしか頭にないと思う。それがプロ野球の世界」と語っていました。
これ、人間の真理だと思いました。
『置かれた場所で咲きなさい』という本が一時期ヒットしていましたが、まさに新井さんの状況のことを言うのではないでしょうか。
自分のいる場所で自分のいるチームを勝たせる。それが資本主義社会の生き方です。
戦争でいうと、敵陣に寝返ったら、今度は全力で自分のいた国と戦うことになります。そこに情なんてありません。生きるか死ぬかの話です。
恋愛に例えると、別れた相手よりもいま付き合っている人の方が大事。
前の相手に気を遣うよりも、今の相手を大切することが普通です。
逆にいうと、前の相手に捨てられたとしても、会社をクビになったとしても、今いる場所で活躍すればいいんです。
それが見返すということだと思います。
そして、そこで結果が出たときに、昔の環境はすべて今のための通過点だったことに気がつくでしょう。
人の気持ちは移り変わりやすいものです。
時にはそれが白状に感じたり軽薄に思ったりすることもあるでしょう。
でも、移り変わるからこそ新たなチャンスも転がっているといえます。
人は自分の子孫を残すために、より優秀な種をつねに求めています。
自分がそれに選ばれなくて、虚無感を覚えたとしても、自分は自分の置かれた場所でどうするのかを考えましょう。
昨日の味方は敵になりますが、昨日も敵も味方になります。
日々、状況は移り変わります。
人の流れや気持ちも同じ。
そんな世の中でも、自分自身も生存してより良い種を後世に残すための最善策を常に考え続けましょう。
その一例が、今回紹介した元広島カープの新井さんのお話です。
たくましく生きていきましょうね。
参考になりましたら。
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