紅い糸 ep8
~3日前~
希はペットショップのバイトを終え、家に向かう。 これから先どうしよう。と大学を辞めたばかりの希は小石を蹴り、家に着いた。
玄関のドアを開けると、鼻をすする音、鉄の匂いで充満していた。 希は何かが起きたことを悟った。
慌ててリビングに向かうとそこには横たわる父の死体と、包丁を握ったままその場に座り込む母の姿があった。
希「…パパ?」
母「ヒッ…!!」
希「ママ、…どうして?」
母「……ごめんなさい。」
希「…」
母「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
希「ねえ、ママ。」
希「私、わかるよ。」
そう言って母の背中を抱きしめた。
昔のように全てを教えてくれたあのころの母とは身体の大きさが変わっていることに気づいた。
希「私、パパ捨ててくるね。」
そう言って、母に掛け布団をかけ、希は血まみれの死体を捨てる準備をした。