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テレワークやフレックスが無いままだったら、5年前に私は会社を辞めるしかなかった。

自分が複業しない理由を考えていたら、「今」に満足していることに気づいた

こんにちは、RDLINKの三浦です。
RD LINKは理系専門職の複業を支援しているエージェントです。これまでも新卒採用や転職支援など、「人」と「仕事」を結ぶ自人材畑を歩いてきた私も複業という働き方には興味があり、やってみたいと思っています。でもしていません。弊社RDサポートは複業OKにも関わらず。

「やりたいならやればいいじゃん」というお声が聞こえてきそうですが、踏み出せないのです。なぜか。そう考えるとだいたい次の考えに至ります。端的に言えば今の仕事に支障をきたしそうだから。

「新規事業を軌道に乗せるために、今必死なのでちょっと、、、ほかの仕事を、、、している余裕が、、、。テレワークで生まれている時間と心の余裕は今は子供に向けたい。その上で更にスキマ時間が生まれるなら、趣味の読書と映画鑑賞と英会話レッスンに使いたい。だから今は複業まで頭も時間も回らない。ゴニョゴニョ、、、」

それに対し、もう一人の自分が問いかけます。「それは動けないことに対する言い訳では?」その押し問答の繰り返しでひとりでモヤモヤグルグル。そこで、ハッと我に返ったのです。「私”複業をする”ことが目的になっている?」

複業は人生を豊かに幸福に過ごすための手段。その大前提をすっかり忘れて、ひとり焦っていました。複業という働き方でイキイキと輝いている方々を目の当たりにして憧れも抱いていたのでしょう。

複業も副業も「好きなことをする」「自分の意志で決めたことをする」「新しい出会いを得る」「収入を増やす」「誰かの役に立つ」といった幸せを得るための手段であり、大事なのは複業することではなく、そこから何を得たいかという目的です。自立したキャリアを作っておくことのメリットは多くありますが、「やるべき」というべき論ではありません。

そこに立ち返った時に気づきました。どうやら私は今現状の働き方・生き方に満足しているみたいです。だから「今」複業をする理由が見当たらない。

私は自分の現状に慣れすぎて見失っていましたが、私の働き方は、RDサポートがテレワークやフルフレックス制度を導入した2016年以降、それはそれは大きく変わっていました。

5年前に「週4日しか働けない問題」を救ったのはテレワークとフルフレックス制の開始。

まず私とRDサポートの環境変化と、私の働き方の幸福度をライフラインチャートで可視化してみました。

幸福度指数

入社した時は9時‐18時が定時で、当然テレワークなんて言葉も聞いたことがなく、往復2時間半ほどかけて通勤していました。そのため、第一子出産後はフルタイム復帰も現実的ではなく、自然の流れで時短勤務として復帰しました。

認可外保育園だったため、定時内の9時‐16時での勤務ではどうしてもお迎えに間に合わず、高額な延長保育料を支払う必要があり、会社の配慮で勤務時間を少し前倒しにしてもらって対応していました。毎朝5時に起きて、まだ1歳になったばかりの子供を7時過ぎには保育園に連れて行き、ダッシュで電車に飛び乗る生活。

常に時間に追われていましたが、まぁこんなものだろう、これが普通だよねと思っており、気力で走り抜けました。

その後2回目の育休中で2016年にテレワークが試験導入され、復帰する2017年にフルフレックス制が導入されました。この会社の変化により、その後の私のキャリアが大きく支えられることになります。

2回目の育休から復帰した際、子供が入退院を繰り返して付き添いの関係でどうしても仕事との時間的バランスが取れないというピンチに直面しました。そのため退職も覚悟で週4日の契約にしてほしいと会社に申し出たところ、フルフレックス制度を導入していたため、月間で必要時間を補えれば良いと言っていただきました。

「それなら働ける。」そう思いました。

毎日きっちり6時間働くことはできないけれど、自分のペースで調整しながらであれば時間の面では問題ないと思いました。成果で貢献するというゴールは変えず、働き方を自分に合わせて決められる。テレワークも早速活用して、病院で仕事をすることもできるようになりました。

ただここで出てくる問題があります。私が朝夕に働くのは構わなくても、世の中の稼働時間はやはり平日日中。そこで私が抜ける穴を埋めるメンバーが必ず出てくるということです。自分は良くても仲間に迷惑をかけてしまう。

どう切り抜けたか。

これはどちらかというと仕組みでの解決というよりは、仲間の理解と協力が全てだったと思います。お互いがモヤモヤしないように何度も話し合いを重ねながら、状況に合わせて働き方や業務の内容を柔軟に変えながら臨機応変に対応していきました。それでも穴を埋めてくれるメンバーへの負荷は大きかったと思いますし、今でも感謝してもしきれません。

3年前からテレワーク化が加速。そこで得たのは自己決断できる幸福感。

そんなこんなで「週4日しか働けない問題」を乗り切り、2018年頃から週5日の勤務形態に戻しました。この頃はテレワークは週1回程度で、まだ何となくオフィスに出勤することも多かったですね。「顔を合わせないとできないことは多い」そんな意識だったと思います。

そんな中チームメンバーのひとりが妊娠し、育休に入ることになりました。そうなると、抜けた分の業務のフォローが必要になりますが、基本的に私も子供の送迎があるため時間の制約を受けています。

そこで私のテレワークの活用が加速化しました。テレワークをすることで往復2時間強の通勤時間を業務に充てることができ、フレックスも活用してより柔軟に業務を行うことができます。この頃からテレワークメインの働き方にシフトし、週3回ほどテレワークをするようになりました。

ただ、ここでも新しい問題が出てきます。テレワークで時間に余裕ができたがゆえの「見えない残業」です。入力ノルマがあるような作業の仕事ではない限り、どこまでやるかは自分次第になります。

そうすると、家で仕事ができてしまうという状況から、なんとなく仕事が気になってパソコンを見ることも多くなります。そんなことしていても仕事は進まないんですけどね。私だけでなく、そういう社員は多くいたのではないかと思います。

しかし、それも徐々に自分の中で折り合いをつけられるようになりました。今日オーバーして働いた分は別の日で調整してリフレッシュするなど、個々のスタイルができあがってきます。

バリバリ働いた方が楽しい人もいれば、自分のペースでゆるやかに働きたい人もいる。労働基準法にのっとって働くことは大事ですが、どう働くかを個人の裁量で決められるのはとても良いことだと思います。評価されるべきポイントは働く時間や働き方ではなく生み出される成果です。働き方を自分で決めるということには責任も伴うため、意外とサボりません(笑)

メンバーのフォローから定着したテレワークメインの働き方は、結果的に育児との両立をする私にとってはメンタル面で非常に良い影響が出ました。

まず電車の時間に縛られない働き方ができるということ。仕事の終わりを自分で決めるのではなく、電車の時間によって決められるという働き方は、私にとっては思いのほかストレスだったようです。

朝の慌ただしさで出社時には既に疲れた状態で仕事を始めることも非効率ですし、帰宅して更に疲れた状態で家事に向き合うのも辛く、仕事の家事も育児も全て中途半端だという自己嫌悪に陥ることもしばしばありましたが、浮いた通勤時間で仕事をもうひと踏ん張りしたり、家事をしたり、子どもと向き合ったり、色々な過ごし方ができるようになりました。

テレワークのおかげで「時間に追われる生活」から「時間を使える生活」にシフトできたと思います。テレワークとフレックス制度が私に与えたものは時間の余裕と心の余裕ですが、一番大きなものは、仕事や育児など「自分がやりたいことを自分でペースを決めてできる」という自己決断の幸福感なのだと思います。

2020年以降の出社は28回。会社へのエンゲージメントは上昇中。

2020年4月。新型コロナウィルスにより、緊急事態宣言が発出されました。それに伴い、RDサポートでは出社禁止となり全社員の完全テレワーク化を実現しました。現在は出社禁止ではありませんが、以降現在まで、週3回というテレワークの上限回数は廃止されており、私はほとんど会社に行かずに仕事をしています。2020年1月以降の私の出社回数は28回で、そのうちの13回は昨年の1~2月です。

全社員がテレワークになり、緊急事態宣言下という有事でもあったため、会社としても社内コミュニケーションの取り方など色々工夫をしてくれました。このタイミングで、テレワークに懐疑的だった社員もメリットを感じる機会となったようで、今では全社にテレワークスタイルが浸透しています。

オンライン会議にもオンライン商談にもすっかり慣れ、ビジネスのスピードは格段に上がりました。以前は時短勤務の私が訪問アポの調整をするのは一苦労で、1時間の打ち合わせのために実働時間の半分を取られてしまうような状況でしたが、オンラインの場合は1時間なら1時間の時間枠で対応できます。

2020年は上の子どもが小学生になる、いわゆる「小1の壁」を迎えました。学校行事にはテレワークを中抜けして参加しています。コロナ禍で学校行事はかなり縮小されましたが、1時間の参観のために半休や有休を取得する必要がなく、それ以外にも子どもの体調不良の時にすぐ駆け付けらる安心感も得られています。

テレワークのベストな頻度は、個々のライフスタイルによって様々ですが、私個人は今の働き方に満足しています。企業が危惧する帰属意識の低下についても、それほど心配する必要はないと思っています。社内コミュニケーションはZOOMランチやチャットなどで取っていますし、仮に「会社」への帰属意識は多少薄れたとしても「一緒に働くメンバーとその仕事」への熱量が薄れるわけではありません。

5年前会社がテレワークやフレックス制度の導入など、働きやすい環境を整えてくれていなければ、多分私は週4日勤務の壁の時点で退職せざるを得なかったと思っています。仕事を辞めたいわけではないのに諦めざるをえない。これまできっとそういう人はたくさんいたのだと思うととても辛いです。会社や仲間に恵まれ私はラッキーだなと思います。

そして2019年パラレルキャリア制度も導入され複業OKになりました。会社が「働く」を応援してくれる。それは間違いなく社員にとっては嬉しいこと。テレワークとフレックス制度の活用で、私の働き方の幸福度はジワジワ上がっていたようです。

新規事業に異動してやりたいことや学ぶことが山のように出てきた

さいごに。ここまでは「働き方」について触れてきましたが、「働く中身」も幸福度に大きく関わることも今身をもって体感中です。

私は今LINK事業部で、比較的やりたいことをやりたいようにやらせてもらっています。新規事業に携わるのも初めてで、事業開発に長けた外部コンサルの方にサポートいただき吸収の日々です。毎日試行錯誤しながら多くの方にRDLINKを知ってもらうための活動をしています。

エキスパートや企業にインタビューする機会もあり、これまでになかった新しい世界に繋がることも増えました。これを人脈化したいというよりは、今のところ私は新たな価値観に触れることを楽しんでいます。

このnoteも私の異動前から始まっていましたが、今はnote班の編集長として任せてもらっています。私自身は本好きで書くことも苦になりません。今までそれを仕事の中ですることはほとんど無かったのですが、偶然にも今はそれが自分の役割と結びついて仕事としてできています。

近々動画にもチャレンジしたいなと考えています。今は予算を抑えるため自力で動画制作に励んでいますが、それも実は嫌いじゃないのです。実は大学時代は映画研究会の所属して映画制作をしていました。(完成度の低さは置いといて(笑))

そういう感じで私は今、RDサポートの中でもじゅうぶんに新しいことや好きなことに触れられているため、まだまだ現状の中でやりたいことがたくさんあり、できないことができるようになる機会が多くあるのだと気づきました。

自分で人生をデザインできることがウェルビーイングを生む

このように5年の年月の中で私の働き方は大きく変化しました。ワークに関してもライフに関しても自分の意志で決めて動けることが増えたことにより、今まで以上にワークライフバランスが取れていることを実感しています。仕事でも生活でも「やりたいことができる」「自分で決めることができる」ことは大きな幸福感をもたらします。

冒頭の話に戻りますが、そんな環境に「今」は満たされており、複業として外に何かを求めるところに至っていないのだと思います。

複業という働き方も機会があればチャレンジしてみたいと思っています。でも「複業がしたい」ではなく、「こんな仕事がしてみたい」「こんなスキルを付けたい」「こんな人と働きたい」「この業界に恩返ししたい」という明確な目的が出てきた時に一歩踏み出そうと思います。

現代に生きる私たちは人生の中でいくつもの役割を持ち、ライフステージの変化と共にその役割も変わり、仕事を選ぶポイントや働き方も変わります。働くことは生きることの一部です。生き方が多種多様になっているのに、働き方だけ何十年も前から変わらないとすると、必ずひずみが生じてきます。

現に私が仕事を諦めずにここまで来れたように、ひとりひとりが自分の状況に合わせた働き方を柔軟に選択できることがウェルビーイングを生み出し、幸せな100年人生を過ごすことに繋がると思います。

企業にはぜひ、テレワークやフレックス、従業員の複業解禁や複業人材の受け入れなど、個のキャリアを支援する仕組みを整えていただきたいと思います。また働き方の選択の自由を得た私たちは、期待されたことにきちんと応えていく責任を持った働き方をしていく必要があります。

そして今回はあまり触れていませんが、企業と個人だけでなく、働く者同士がお互いを尊重し、理解して受け入れることも必要不可欠だと思います。仕組みがあっても周囲の理解や協力なしにはその仕組みも機能しません。

「どこで働くかではなく誰と働くか。」耳にすることも増えたこの言葉ですが、これからはより一層そういった視点で、固定された環境ではなく個々が輝く場所で働ける時代になってくると嬉しいですし、そんな世界を作る一役を担いたいとの思いで今の仕事をしています。

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