R&Dと複業は実は相性抜群。その理由。
「R&D分野で経験やスキルを活かす複業をするとしたら、それって競合じゃないの?R&D分野での複業は難しいのでは?」
というお声について、お答えします。
「競合にはなりません!R&Dは複業と相性抜群の分野です」
こんにちは、RD LINKの三浦です。今からその理由をお伝えします。
1.担う役割は業界を超えた新規プロジェクトの一端
今RD LINKにご依頼が来るほとんどの複業案件が新規事業に関わることです。
「化粧品メーカーが健康食品を作る」「医薬品メーカーが美容サプリメントを作る」「食品メーカーが機能性表示食品にチャレンジする」など、RD LINKではクライアントとするヘルスケア関連企業からこれまでやったことがない新領域への進出を実現するためのヘルプが多く求められています。
かといって、当然ですが、企業側も新しければなんでも良いというわけではありません。「自社の素材を使って開発したい」「自社の技術を使って開発したい」「既存商品と同じターゲット層に向けた新商品を開発したい」といったように、開発条件や最終ゴールイメージをどの企業も持っています。
エキスパートを求める企業は、他社の模倣品を作りたいわけではなく、自社オリジナルの新しい商品を生み出そうとしています。あるいは既存の商品をリニューアルして新たな価値を見出したり、開発業務をより効率的に進めたいと考えています。
そんなRD LINKの複業案件は、同じ商品を作ったことがある人材を求めているわけではなく、各企業が新しいことを進めるうえで必要とする知見を持つ人材を求めているに過ぎません。
少し具体例に触れると、以前インタビューにご協力いただいたメロディアン株式会社様からは以下のようなオーダーをいただきました。
メロディアン社は、コーヒーフレッシュを始めとしたポーションタイプのユニークな商品を多く生み出されています。今回は自社が得意とするポーションタイプで高齢者向け商品の開発に向けてある特定の機能性素材に着目されましたが、同素材を扱った経験がないことからエキスパートのサポート求められました。
そこに複業として参画したのが大手食品メーカーで長年同素材の研究に従事されていた方です。エキスパートの方にとっては、決して自社と同じ商品を作るわけではなく、自身の素材に関する知識を提供し、メロディアン社がもつ製造ラインでどのようにしたら製品化できるかを共に考えるという支援をしました。
別の複業事例では、現在、大手飲料メーカーの工場マネジメント職の方が健康食品原料メーカーで工場の工程改善の支援をしています。排水処理やライン増設について現場の課題を洗い出し、排水処理施設の施行に着手するなどひとつずつ課題解決に取り組んでいるところです。
エキスパートとしてあなたに担っていただく仕事は、そのような新規プロジェクトの一端で”業界問わず”スポットで知見を活かせるものとなるため、必ずしも同業界同職種で働くこととはなりません。
2.関わるのは開発工程の一部分
研究や開発、品質管理や生産技術に従事している方々は、特定の領域を極めているスペシャリストです。それ故に自分の知識やスキルは専門性が高すぎて汎用性が無いのでは?と考える方が多いです。
そして「その知見を活かすなら同じ業務しかないだろう」という発想になります。
その発想自体は間違っていませんが、前段でもお伝えの通り、RD LINKの複業は「特定の分野の知識やスキルについて、それを求める企業でスポットで活かしてもらう」という働き方であり「同じ商品を作ってもらう」ということではありません。
食品や化粧品や医薬品が出来上がるまでには、研究から製造まで実に様々な多くの工程があります。業界や企業によって多少違いはありますが、ざっくりこんな感じですかね↓
企画が通り試作品に会社としてGOサインが出たら量産化をすることになりますが、そこからの生産過程でもまた様々な工程をクリアして、やっと上市されることになります。こんな感じですね↓
このように、いち商品が生まれるには基礎研究から商品企画、原料選定から製造、品質管理など、全ての開発工程がきっちりかみ合うことが必要となります。どこかひとつが欠けても最終的に商品は生まれません。
ひとつひとつのパズルのピースが上手くはまってやっと完成するというイメージですね。
余談ですが、そう思うと私たちが日々手にしている商品はメーカーの血と汗の結晶であり、各工程を担当する技術者一人ひとりの努力の賜物だなと思います。
話を戻しますが、つまり、商品の開発を成功に導くには”複数の成功要因”が必要です。
エキスパートに複業として受けていただく仕事は、この複数必要となる成功要因のうちの一部に貢献いただくことです。
前段でもお伝えしたように、基本的に新しい分野に進出しようとしている企業が研究から製造までの各工程のどこかの部分でつまずき、RD LINKへの依頼がきます。
自身の知見を活かして企業のつまずきを解消することは、開発工程の一部分をサポートすることになりますが、決して競合で働くことと同義ではありません。
経営コンサルタントという職業がありますが、経営コンサルタントは経営のプロとして各社に参画します。必ずしもクライアント企業の業界の専門家ではありませんが、経営部分を支援するため複数社に知見を提供しています。
理系職の方々も同様です。皆さんは研究、企画開発、品質管理、生産管理のプロですが、複業先企業の事業の専門家ではありません。持っている知見をスポット的に活かしながら複数社で働くことは可能です。
もちろん仕事の数が増える場合には、テーマが重複しないように受ける仕事をコントロールすることは必要になりますので、そこは気を付けなければいけませんが。
3.複業という仕組みと情報漏洩は無関係
ここまでで、「理系の複業は新規事業の一端を担うだけ、関わるのは開発工程の一部ですよ」とお伝えしてはいますが、R&Dが専門性の高い分野であることは違いありません。
外部の人材を受け入れる企業も、自社従業員を送り出す企業も、当然情報漏洩には気を配ります。
長年そのようなR&D分野に従事されてきた方だからこそ、機密保持への意識も高く自身が複業することへの懸念を抱えるのだと思います。
しかし、情報漏洩は複業という仕組みが引き起こすものではありません。情報が漏洩するのは、悪意かうっかりミスのどちらかになります。
そもそも悪意で漏らす場合には、エキスパートと企業、あるいはエキスパートと弊社間の信頼関係の問題だと考えるのが妥当です。複業だから情報が洩れるのではなく、漏らすことで利益を得たり憂さ晴らしをするなど、お互いの信頼関係が無い場合に起こりえるのではないでしょうか。
うっかり漏洩については、弊社登録エキスパートの方々が下記インタビューでも話されているように、専門分野で経験を積むことで「開発の大事なポイントというものを捉えるスキル」が身についていることから、うっかり漏らすことは限りなくゼロに近くなります。
もちろん人間なので、うっかりが起こる可能性はゼロにはなりません。また、R&D分野では特許に絡んでくるような重要情報もあるため、リスクヘッジをするに越したことはありません。
そのリスクヘッジのひとつがRD LINKという第三者の存在だと思いますし、そうありたいと思っています。
RD LINKが企業とエキスパートの間に入る役割の一つとして、情報漏洩の不安から企業やエキスパートを解放し、積極的にチャレンジに取り組んでもらえる状況を作るということがあります。
そのため、まずは何より競合になりえる仕事は紹介しません。成約に至った案件については弊社と企業が業務委託を結び、経歴を開示いただいたエキスパートの方々に業務を再委託し、3者間で密に連携を取りながら信頼していただけるように取り組んでいます。
「複業人材の受け入れ」情報は出てこないので実態が見えない
複業という新しい働き方の中でも、理系職のそれは更に新しい働き方なので、なかなかイメージが付かない方は多いと思います。そもそも情報がない。
世の中ではどんどん複業がトレンドになっており、アサヒビール社、キリンHD社、カゴメ社、ロート社、ライオン社、など、私たちのクライアントであるヘルスケア関連企業にカテゴライズされる大手企業に関しても、様々なメディアで紹介されています。RD LINKでも昨夏に世の中の複業マーケットの賑わいをまとめています。
確実に複業という働き方は身近になってきている。にもかかわらず、「R&D分野は難しい」という反応が多いなぁと思い、もう一度世の中の情報を見てみたところ、納得しました!
世の中に出ている内容を見ると、基本的に「自社社員の複業解禁」がテーマになっており、かつ「本業とは全く無関係の仕事での仕事」が前提条件になっています。
考えてみればこれは自然の流れで、「自社社員の複業」は働き方の多様性を認めるという点で企業にとっても自社ブランディングになることから、積極的にPRされます。
一方で「複業人材の受け入れ」は企業にとっても、今のところあまりPRするメリットがない(笑)なのでリリース配信もされず、情報も外に出てこない。特にR&Dという根幹部分に外部の人材を入れていることは、どちらかというと伏せておきたいのだと思います。
また従業員の複業解禁についても、”複業から得るものは大きい”という内容にフォーカスされており、”仕事上の経験を活かして複業する”というRD LINKが提唱する働き方には触れていません。
大手企業の複業解禁のニュースも、複業先は大学講師やキャリアコンサルタント、社労士などの資格を活かした仕事、あるいは新規事業コンサルなど、本業の職種とは別の分野での仕事をしている方が多いことがわかります。
そのため「複業はこれからの働き方でキャリア開発にも良い。競合以外ならどんどんやろう。」というメッセージを受け取り、競合以外での経験の活かし方がわからないR&D分野のエキスパートの方々は、自然と”R&D分野と複業は相性が悪そう”と感じてしまうのではないでしょうか。
確かにRD LINKの「理系専門職の経験を活かし複業する」というメッセージは相反するように捉えられるなと思いました。これには私たちRD LINKが自社サービスについて、きちんと伝えきれていなかったなという反省もあります。猛省です(汗)
その反省を込めて今回このnoteを書いてみました。何度も言いますが、R&D分野での知見を活かした複業はできます!
むしろモノづくりを担うクリエイティブな仕事だからこそ、複数の場で働くことで生み出されるイノベーションは大きいと思います。
R&D分野と複業は相性抜群!
いまいちピンと来ないなーという方はぜひお気軽にご相談に来てください(笑)
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