メンバーシップ型からジョブ型、そして広がるタスク型雇用。小回りの利く人材が強くなる!
時代の移り変わりとともに雇用の在り方も変わってきています。それはどんなにあがいても止められない。いかに適用するか。
こんにちはRD LINKの須藤です。
先日下記の記事でも書いたように、私は約1年半前にRDサポートに中途入社しRD LINKにジョインしました。雇用や働き方を支援しながら日々勉強する中で色々と本を読んだりもしているのですが、その中で私自身が感じた雇用の変化とその中で企業や個人に求められていくことについて書きたいと思います。
日本の雇用は総合職というメンバーシップ型が主流です。一方で時代にビジネス変容に合わせた組織強化、採用抑制時代の穴埋め、労働人口の減少による人材確保などにより、特定分野の専門人材の欠員補充や増員を目的としたジョブ型での採用が活発化し、現代では転職も珍しいことではなくなりました。
さらにデジタルの進化やSNSツールなどの発展により、個人でも仕事がしやすい環境が整い、日本の大手企業でも倒産やリストラが現実的なものとなる中で、会社に依存しない起業や複業という個人ベースでの働き方も広がりつつあります。
「メンバーシップ型」から「ジョブ型」へ
KAGOMEやKDDI、富士通、資生堂、日立など、近年日本型雇用の「メンバーシップ型雇用」から「ジョブ型雇用」を導入する企業が大変多くなっています。
メンバーシップ型雇用というのは、3年前後で繰り返されるジョブローテーションが特徴で、多くの日本企業は長らくこの雇用スタイルをとってきましたが、近年はビジネス環境の変化スピードにマッチしないという課題が見え始めていました。
そこで、職務の内容に合う経験やスキルを保有した人材を雇用するシステムのジョブ型へ移行する企業が増えてきました。
ジョブ型雇用はビジネス環境の変化スピードに対応するという以外でも、社内に専門分野に長けたエキスパート人材が育成できたり、年功序列ではなく成果に対する評価を得られることによる社員の納得感を高めたり、公平性の担保などに繋げることができます。
ジョブ型雇用はメディアにも取り上げられ導入機運がとても高まっていますが、導入企業が増加する背景には、テレワークの普及によって「仕事ぶりが見えない」「成果が見えない」ことの解決策として注目されたということもあるようです。
「ジョブ型雇用」の課題
そんな話題のジョブ型雇用ですが、導入にあたっては冒頭に述べたような新卒の一括採用や終身雇用など日本特有の雇用への影響課題がいくつかあります。
日本の新卒採用は、ポテンシャルを重視し一括で採用した学生を入社後に現場のジョブローテーションやOJTで育成するパターンが現在も主流です。学生としては世の中にどんな職務があるのか、自分にどんな仕事が合うのか、入社前に判断して決定するのはなかなかハードルが高いため、新卒の採用においてジョブ型を取り入れるのはまだ難しいかと思います。
またデジタル化の普及により、ジョブ内容に変化が起きている企業も増えています。
例えば、ここ1年はコロナ禍も影響し消費者のEC購入が劇的に増加したため、メーカーや小売業でも新たにECを始める、または強化する企業が増え、RD LINKにもEC関連の事業構築の支援依頼が多くありました。
他にもデジタルを活用したサブスクリプションの普及により新たな事業を始める企業など、時代の流れに合わせて事業モデルも変化し、求められるジョブもめまぐるしく移り変わっています。
ジョブ型雇用が主流の欧米などでは、事業モデルの変化により特定のジョブの存在価値がなくなった場合、そのジョブに就く人材が解雇となることは珍しくありません。
現状日本社会では終身雇用が前提のため簡単に解雇はできません。そうなると、特定のジョブに適用しないまま、ローテーションとなってしまう人材も一定数出てしまうかと思います。
このように、とても早いスピードで変化している世の中で事業を展開していくためには、ジョブ型として仕事内容や責任などを毎回定義することは、逆に事業のスピードを減速させてしまう要因ともなりかねません。
広がる「タスク型雇用」
そこで、今、特に欧米で広がりを見せているのが「タスク型雇用」となっています。タスク型雇用とは業務をプロジェクトベースに分解し、社内の人材と社外のエキスパート人材を活用して期間限定のチームを作る方法です。
今後もビジネスの環境変化はよりスピードアップしていくと思います。その流れに取り残されないよう、業務の細分化、小回りの利くシステムを整えるなど、多くの企業で柔軟な組織体制が作れるタスク型はより増加していくことが考えられます。
仕事内容にこだわり雇用形態にこだわらない人が増えている
私の関わっているプロジェクトでは、弊社エキスパートからの提案や資料の作成など、企業様からは期待以上だったというお声がとても多くあります。
外部人材というと愛社精神の欠如から仕事の質の低下や、情報漏洩を懸念されがちですが、業務委託で働くエキスパートは基本的に仕事の受託を自身で判断し、請けた業務へのコミット意識が非常に高いです。
そのため、むしろ長年その分野で活躍をしてきた人材であるため、仕事の質もとても高く、秘密保持に関してもアンテナを高く持っていらっしゃいます。
そういったエキスパートの方々と仕事をする中で、優秀な人材は自分自身の価値を自らやりたい形で提供していくことを考えているように感じます。そのため会社に雇用されることや正社員という雇用形態にはあまり興味がなく、フリーランスや起業という選択肢を取っているのだと思います。
電通やタニタは自社社員に「個人事業主」として働いてもらうよう、一部の正社員を業務委託契約に切り替える制度を導入したことが話題になりました。こういった働きたい人が思う存分働けて、適切な報酬を受け取れる制度が少しずつ広がってきています。
企業は人材確保のために柔軟性を。個人は自分の肩書を。
複業を解禁する企業はここ数年で加速的に増えています。政府も複業を推進していますが、推進する背景には地方や中小企業でも深刻な問題である「人手不足」があります。
着々と広まっている複業ですが、そういった人手不足の解消のみではなく、個人としても自分の得意分野をさらに伸ばすことができ、評価を得られることでやりがいを得ることができるという良い点が見えていると思います。
企業にとっても、今までの正社員としての雇用のみではなく、タスク型としてプロジェクトごとに専門家を招集することで、小回りが利き事業のスピードを上げることができます。
そんな時代の流れを象徴するように、弊社を含め多様な働き方を支援するサービスが属足と出てきています。そういった支援サービスの増加により、複業に興味があるけれど踏み出せていない方が一歩踏み出せたり、新たに興味を持って始める方が自然と増えてくるのではないかと思っています。
弊社でも現在300件以上の案件をお預かりしており、182人(7月30日現在)の方にエキスパート登録をいただいており、これから研究開発の分野でも複業という働き方は増えてくると思います。
どんなにあがいても時代は変わります。このように変わりゆく働き方の変化に置いて行かれないよう、企業側も多様な働き方を受け入れ、個人も会社の肩書が無くても求められる人材となるための自分磨きが必要なのだと思います。
もし、今後多様な働き方を検討したいと思っている方、興味がある方はお気軽にRD LINKへご相談いただければと思います。
最後にですが、今回の記事のきっかけとなった本は下記です!
▽▼エキスパート登録にご興味のある方はコチラ▼▽
https://rdlink.jp/
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