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JAIST社会人セミナー「サステナビリティ&ビジネス新時代」

JAIST社会人セミナー2017
地域人材育成セミナー【水曜学ぶでしょう】。
4度目の受講です。2018年2月28日開催の講座に参加してみました。

この日開催されたのは「サステナビリティ&ビジネス新時代」。

講師は、株式会社エンパブリック代表・広石拓司さん。
ソーシャルビジネスの開発や、地域発の課題解決プロジェクトの担い手を育成するといった活動に取り組まれており、慶應大学や立教大学で非常勤講師も勤めておられるとのことです。

セミナー参加の動機

これまでに参加したセミナーでは、3回とも、まずタイトルに目を持っていかれて、そのキーワードが自分の好奇心を掻き立てたり、興味を持っているテーマに対して知識や視野が広げられそう、という直感めいたものを感じて参加を決めてきました。

メタファシリテーション入門講座
 ~事実から相手との関係を作る実践的質問法~

ステキを伝えるコーディネート
 ~対象の魅力を引き出す取材力と表現力~

脱フルタイム思考!
 ~自分に合う働き方をカスタマイズ~

タイトルだけ言うとこういう感じですが、今回はそういう感じではありませんでした。サブタイトルも、

 ~SDGs・ESGな2020年代の仕事のつくりかた~

と、よくわかりません。
「SDGs」「ESG」…恥ずかしながら、まったくピンときませんでした。が、「2020年代の仕事のつくりかた」ここのところだけ、辛うじて引っかかりました。

今までよりも、いま、これから、どうすんねん。
そういう思いはあっても、具体的には、どのように現実と未来を捉えて行動へ結びつけるように考えたらよいのかがちっともわからなくて、ただ思っているだけから考えが先に進まない、というのが今の自分。

これからの行動を考えるヒントをちょっとでも得られないかな?得られたら儲けモンやな…くらいのつもりで、参加してきました。

SDSs・ESGとは…

SDGsというのは「持続可能な開発目標」。

先進国・途上国共通の社会問題を解決するために、国連に加盟している世界193か国が合意した17の目標、169のターゲット。

ESGというのは、

環境:Environment
社会:Social
ガバナンス(企業統治):Governance

のことで、企業が提供する製品やサービス・企業活動そのものが社会に与えている価値や影響、それらが地球の持続可能性に配慮できているかという観点で評価する尺度のことを指すようです。

SDGsは、昨今、新聞広告にも大きく掲載されたり、石川県内では金沢工業大学でいちはやく推進センターが設置されて活動を展開されています。

講義の内容:SDGsの狙い

セミナーを聴講している範囲で直接的に知ったことはこういう感じです。

「先進国が途上国を支援する」というのは、従来(ここ15年ほど)の世界的な社会問題の解決アプローチで、今となっては限界。
発展途上国で表面化している問題は、途上国の中だけの問題ではなく、むしろ先進国が問題のタネを創りだしている。

先進国が途上国を支援・指導するという「上から目線」の立ち位置からではなく、先進国・途上国の双方がフラットな位置に立ち会って解決に向かっていくことが必要。

1.途上国だけではなく、先進国も
  (先進国の人々の身の回りを意識するということ)
2.環境問題だけではなく、経済問題にも
3.政府やNGOだけではなく、企業も

積極的にコミットしていくことが大切

これから問われていくのは、過去や今の実績や結果(財務)ではなく、中長期的な「リスク」と「機会」の把握とそれに対応する力、さらには、コミュニケーションをしていこうという意志
そして、これらの持続可能性の観点を視野に入れること。

財務資本の持続可能性
製造の持続可能性
人的持続可能性
知的持続可能性
社会関係の持続可能性
自然の持続可能性

アメリカでは10年以上前から(アル・ゴア元アメリカ副大統領が著した「不都合な真実」で社会問題が大きく取り上げられて以来)、このような観点での議論が始まって、実際に取り組む企業が出始めた。

一方、日本の企業がこのようなことに取り組むときに露わになりがちな、特徴的なメンタリティは「ウチはきちんと正しくまじめにやっている」
そのこと自体は決して悪いことではないのだが、会社(ないしは自分が所属している組織・団体・コミュニティ)の内側のみの視点に留まってしまっている。そこに限界がある。

そういう、自分が属している組織の内輪だけではなく、「業界」「消費者」「生産者」全体を踏まえた、総括的な取り組みをするという発想が求められる。

付加価値の高い製品を多くの人々が享受できるようになるためには、「すべての人々が豊かになる」必要がある。では、どうしたらそうなるのか?

たとえば、以上のような発想で思考し行動すること。そのための目標、指針がSDGsであって、世界を変えていくための視線・観点であるということなのだろう、と捉えました。

講義の内容:これから問うていくべきこと

「思いのある誰もが動き出せる、新しい仕事を生み出せる社会へ」

すぐにはお金にはならないけれど、あるいは大きく儲かりはしないけれど、社会に必要不可欠なことがある。それをどのように立ち上げて収入を得られるように取り組んでいくことができるのか?

自力ですべてを、とがんばることも悪くない。しかし、如何にして周りの人に助けを求めて支援をしてもらうのか。それを考えて行動することも同じくらい大切。

地域になにか役立ちたい!という思いを持つ人や起業したい人を、如何に地域の人々が支えるのか? 思いを持つ人と支える人。双方が協働して支え合うコミュニティづくりが、いま、これから、求められている。

「誰ひとり取り残されない状況(世界)をつくる」

2030年に向けて、どのように世界が変わっていくか、世界を変えていくか?
ビジネスには世界を変える独自の力がある(政府手動というのは案外アテにならない)。

「変化を後追いするのか?」もしくは「変化を生み出すのか?」

自分たちが取り組んでいる活動がSDGsの掲げる理念に合致しているか、ということではなくて、「いま現在のリスク、将来の機会をどうとらえるか」という問題認識こそが本質であるということ。

何が最終的な(正しい)答えなのかは誰もわからないような問題を、如何に考えて行動し続けていくか。 

たとえば環境問題。答えや結果が分かってから動き出しても遅い!
こういう、結果によっては取り返しがつかないような問題には、答えが見えてから動くのではなく、中長期的なリスクや機会を把握して動けるかどうかが問われている。

そのためのカギとなるのが

・コミュニケーション
・対応力、適応力

ひとりひとりがなにができるのか?を、ひとりひとりが考えること…。

所感

SDGsやESGのことを、ここではじめて知りました。未だにまともに把握できていませんが、今後の行動において意識しないではいられないであろう要素なのだなあ、というほどの重要性くらいは、このセミナーを受講することによって感じとれました。
これから詳細を追々知っていこう、なんらかの手段で情報をウォッチしていこうというところです。

まずは知ることができたこと自体が大きな収穫でしたが、いま現在の自分に最も響いたことがありました。このセミナーを聴講してほんとによかったと感じたのは、このあたり。

答えや結果が分かってから動き出しても遅い!
わかっているくらいなら、そもそも問題も起こるはずもないし、悩みもしない。現実をしっかりと見つめて、ひとりだけで解決しようとがんばりすぎずに、周囲と協働して、変化を生み出していく

トライアンドエラーを恐れないこと。
「ともかくも動く、やってみる」という思いと行動力を認め合いながら、コツコツと進むこと。

自分が今後進んでいきたい道や考えかたに対して、勇気をもらえたような気がする。自信を持って進んでみようと思えました。

JAIST社会人セミナーについて

JAIST(ジャイスト)とは、北陸先端科学技術大学院大学の略称です。
この大学自体は石川県能美市にありますが、金沢駅前の日航ホテルに隣接する「ポルテ金沢」のオフィス棟の中に、金沢駅前オフィスとしてやや小規模な研修スペースがあります。

JAIST社会人セミナーは、毎月後半の水曜日に開催されています。
事前の申し込みは必要ですが、受講にあたっての前提知識や資格のようなものは特にありません。誰でも無料で参加できます。

北陸先端科学技術大学院大学ホームページ:
 https://www.jaist.ac.jp/index.html

JAIST社会人セミナー案内(事前申し込みはここからできます):
 https://www.social-jaist.com/

「地域人材育成セミナー」という別名のとおり、ここでの学びを、地元に、身近に展開して実践していくことで、地域の活性化に寄与することが主な目的ではありますけども...

あまり敷居が高いものと捉えずに、毎月後半あるいは月末の、水曜日の夕刻から夜にかけて。敷居の高い教育機関が提供する、気軽に参加できる学びの場。そこでひとときを過ごして学び楽しむのも悪くはないと思いました。

「水曜学ぶでしょう」試しに如何でしょう?

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