「楽天コネクトStorm」の着信優先順位付け機能のご紹介
大窪 直人 システムエンジニアリング部 第一グループ
こんにちは。楽天コミュニケーションズで「楽天コネクトStorm」のプリセールスを担当しております大窪です。
今回は「楽天コネクトStorm」のキューの着信優先順位付けの機能と設定方法についてご紹介しようと思います。
皆様のコンタクトセンターでは、マルチスキル対応のコールフローを運用されていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
マルチスキルの対応があるコンタクトセンター業務において「特定のお問合せ先への着信を優先し応対品質をあげたい」、といったご要望をいただくことがあります。
「着信してキューイングされた呼が次にどのエージェントを呼び出すか?」の着信優先順判定については、エージェントに対して着信優先順位をつけるスキルベースルーティングがありますが、今回はキュー側の着信優先順位付けの方法についてご紹介いたします。
「楽天コネクトStorm」では、複数のキューが存在する場合に管理画面からそれぞれのキュー間の優先順位を設定することができます。
次のような例を見てみましょう。
例として
1.契約内容に関するお問合せ
2.操作方法に関するお問合せ
3.緊急問い合わせ
の3窓口があり、エージェントは 1~3 のすべての問い合わせに対応する
マルチスキルのエージェントとします。ここで、
1.契約内容に関するお問合せ
↓
2.操作方法に関するお問合せ
↓
3.緊急問い合わせ
の順番で着信入り、空きエージェントがいなかったため、お客様はキュー内で空きエージェントが出るまで待っていた状態とします。
キューに対しての優先順位は何も設定していないものとします。
このとき、エージェントが1人空いたとして最初に着信するのは何番でしょうか?
答えは「1.契約内容に関するお問合せ」ですね。
最初に着信して、待ち時間が一番長くなっていた「1.契約内容に関するお問合せ」の呼がエージェントへ着信します。
では、他のキューの待ち呼に関係なく「3. 緊急問い合わせ」に着信があった場合にとにかく真っ先に優先して着信に応答したい、エージェントへ着信させたい、といった場合はどうすればよいでしょうか?
スキルベースルーティングでエージェントのスキル値を設定して、スキルの高い順に着信をさせる、と設定してもエージェントへ着信する優先順位が変わるだけで最初に着信するのは「1.契約内容に関するお問合せ」になってしまいます。
こうした場合にはスキルベースの設定ではなく、「キューの優先順位」の設定をおこないます。
「楽天コネクトStorm」では、
storm Contact → キューグループ → キューの優先度設定から設定できます。
では、今回の設定をする場合はどうすればよいのか見ていきましょう。
「3. 緊急問い合わせ」は待ち呼があれば最優先で着信、ただし、「1.契約内容に関するお問合せ」と「2.操作方法に関するお問合せ」に関しては絶対的な優先順位は設定せずに、待ち時間が長い順番での着信という条件にしてみましょう。
優先順位の設定はキューの優先順位メニューでキューを割りあてていくことで設定できますが、このまま設定しようとすると「緊急問い合わせ」を最優先にはできるものの、
1.契約内容に関するお問合せ → 2.操作方法に関するお問合せ
のような絶対的な優先順ができてしまいそうです。
ですが、ご安心ください。このキューだけでなく、キューグループ、また、キューグループ内のキューに対しても優先順位を設定することが可能なのです。
手順としては「キューグループの追加」から「契約内容に関するお問合せ」、「操作方法に関するお問合せ」を含めたキューグループを作成して(たとえばここでは「通常応対キューグループ」としてみます)、「キューの優先順位」設定でキューではなく、キューグループ自体を割り当てます。
キューグループの中の優先順位は忘れずに「最長待ち発信者」に設定をしておきましょう。
設定が完了すると画像のような登録になります。
画像ではシーケンスの設定で「緊急問い合わせ」が優先、「契約内容に関するお問合せ」「操作方法に関するお問合せ」がキューグループとしてグルーピングされており、グループ内のキューの優先順位は待ち時間が長い順、となります。キューグループと組み合わせてキューの優先順位を設定することで、きめ細かな優先順位の設定が可能となります。
もちろん、エージェント側の着信優先順位付けをおこなう機能であるスキルベースルーティングと組み合わせて利用することも可能です。
「楽天コネクトStorm」を利用されていて、キューの優先順位付けについて悩まれていた方には参考になりましたでしょうか?
また、コンタクトセンター業務でこの機能にご興味がある方はぜひ、
この機会に「楽天コネクトStorm」をご検討いただけましたら幸いです。
楽天コネクト:https://connect.rakuten.co.jp/
大窪 直人
IT業界で開発エンジニアとしてキャリアをスタートし、2008年からコンタクトセンター業界のセールスエンジニアに携わる。その後、電話系サービス以外のクラウドサービスでプリセールス、情報システムを経験した後、2020年に楽天コミュニケーションズに入社。最近、餃子にはまっていて暇さえあれば名店と言われる餃子屋に足を運んでいる。