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携帯ショップの店員さんから医療サービスの本質を学ぶ
今どき、
うつの診断テストも、
発達障害の診断テストも、
向精神薬の薬理プロファイルも、
ネットで調べれば、分かる。
別に情報だけなら、医者も専門家もいらん、という話です(笑)
情報に特化して調べたら、
専門家以上の知識も手に入るし、
実際、患者さんに言われて、
僕が知らない情報や治療薬や、
新しい知見を教えてもらう場面は、ざらにあります。
でも情報は、意思決定のための材料に過ぎないのに、
むしろ情報に翻弄され過ぎて、意思決定を妨げてしまうこともある。
「溺れる者は、ワラをもつかむ」
と言いますが、
「溺れる脳は、情報をもつかむ」
のだと思います。
あてにならないものに、すがりついてしまう。
では、何でも情報が手に入りすぎる現代で、
いったい、専門家って、何を提供してるのか。
それ、僕は、お店の店員さんや、業者の方の姿勢に学ぶことがすごく多いです。
例えば、携帯ショップとかで例にすると、
自分で見たら、ややこしくて心が折れそうになる、
取扱説明書や、通話プランのコース選択も、
自分が決めていけるように、笑顔で見守ってもらえる。
いっぱいありすぎて、わからないよ~(><)
自分には無理~!、どうしようどうしよう~
とあわてているこころを、
店員さんは、根気強く、落ち着いて情報を伝えて、一緒に見守ってくれようとしてくれます。
「大丈夫ですよ、あなたはあなたを選べますよ」
「ちゃんと自分の求めていることは自分が知ってるし、決めれるから大丈夫ですよ」
という眼差し。その意思決定のサポートにこそ、サービスの本質、専門家としての援助の本質があるのではないかと思うのです。
じゃあ、このプランが個人的におすすめなので、
3980円コースにしなさい!と、指示したり、
このプランにしておきました、とか、
勝手に決めるようなことはしない(笑)
わからない時でも、
お客様が安心して納得が行く選択をしていただけるように、
意思決定をサポートするのが、援助する側のわきまえ。
逆にお客さんが、決めてくれず、
全部おまかせします、なんて言われた日には、
店員さんは、一番困ってしまうだろう(笑)
その意思決定権が
医療サービスでは混乱しやすいと思う。
先生にぜんぶお任せします、
と意思決定を放棄したくなる。
病気だからって、
自分の人生プランを決める権利を手放す必要は、
まったくないはずなのに。
パニックに陥ってしまって、
自分にとどまるのが難しくなってしまう。
そんな、自分で決めるのが難し場面で、
優秀なショップ店員さんや、サービス業のプロは、
混乱している現状を、ちゃんとよく見る、
自分が何をしたいのかをちゃんと確かめてくれる、
無意識の迷いや葛藤も、聞いてくれる、
よーし、これにしよう、と決めるのを励ましてくれる、
決めたことをそれでよいと、フォローアップしてくれる。
などなど。
そちらが大筋であって、専門知識は、枝葉末節の部分。
最近の医療の話って、情報や方法技術の方ばかりが膨らみすぎて、本筋を忘れがちになってしまいやすいと思う。
ショップ店員さんを、見習いたいなぁといつも思うのでした。
難しい学術学会や高額な心理学セミナーに行く前に、
街のいろんなお店に行くべし、ですね(笑)