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機器や機械を活用し農作業を効率化。規模拡大を目指す農家さんこれからの挑戦
今回の農家さんは錦町の土肥祥吾さん。現在41歳。工業高校、空港関係の専門学校を卒業後、空港関係の仕事に従事。父の他界をきっかけに農業を受け継ぐことを決め、奥さんと祖父と三人でスタート。農業18年目。現在は夫婦二人で12ヘクタール(約12町)の広大な面積で様々な作物を栽培しています。
※2024年10月時点
機器や機械の活用により、生産の効率化
栽培している作物は、メロン24a(約2.4反)、WCS3.4ha(約3.4町)、飼料米1.6ha(約1.6町)、食用米4.7ha(約4.7町)、大麦2ha(約2町)、からいも(サツマイモ)32a(約3.2反)の計12ha(約12町)です。夫婦二人で農作業をしてますが、主に私が一人での作業が多いです。広大な面積ですが機器や機械を活用しているのでなんとかやれています。
トラクターやラジコンヘリコプターも所有しているので、農薬散布や稲刈りや籾摺りなどの受託も行い、 新規の方にラジコンヘリコプターの操縦方法を教えたりもしています。
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メロンは友人や近所の方にも販売してますが、ほとんどJAに卸しています。お米や麦もJAが多いです。WCSは酪農。からいもはこれから考えていきたいです。20町まで栽培面積を増やすのが目標です。
これからの課題は?
自分で売り先を開拓したほうが良いかなと考えています。一方で、メロンで言えば丸ごと一玉では売れにくいのが現状。JAの出荷先は関東や関西地方の百貨店で販売されていますが、カットして販売されてるそうです。
ネット販売の産直サービスにも興味があります。メロンだと長持ちしない為、運送距離や日数などの心配もありますね。お米は販売するとしたら有機栽培など他生産者さんとの違いを工夫しないといけないとも思います。
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面積拡大に向けて、今後人材の活用も
お米や麦などは機器や機械で出来る部分もありますが、メロンの芽かきやからいもの収穫は手作業になるので、人手が欲しいところです。お米などは、畔の草刈りなど。どこの農家もそうですが、部分的に人手が欲しいと思います。しかし、草刈りなどは機械を使いますのでケガが心配ですね。機械でできる作業が多いので、今のところは私が主で大半はやれてますが、20町目指すならとてもじゃないけど一人では難しいとは思います。
今は70歳で現役で農家をされている方もいますが、あと5年、10年経つとどうなってしまうんだろうと考えます。就農した時は気になりませんでしたが、最近は鹿に稲を食べられるような被害が増えてるなと感じています。高齢化により猟友会の人が減少しているのも一つの要因でもあると思います。
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農家としてのやりがい
メロンなどを購入してくれた方が「美味しかったから来年も買いに行くね!」と言われて、本当に買いに来てくれた時は嬉しかったですね。やった分自分に戻ってくる感覚がありました。やっぱりお客様の反応が見れるのが一番嬉しいですね。
人吉球磨の魅力
地元に戻ってきて思いましたが、農家さんが多くて横のつながりが強いと思います。都会に住んでいた時は隣に住んでいる人も知らない状況でした。それと比べるととても良いなと感じています。農業の情報もみんなで共有するので情報が入ってきやすいのも魅力だと思います。
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これからの挑戦
からいもに挑戦したいです。球磨からいも生産組合に入っていますが、産地化するのが目標と話しています。そのためには、品質を上げないといけません。現在は収穫してそのまま青果として卸していますが、倉庫で保管して追熟して販売できたらとも思います。調べたら温度や湿度管理も重要ですが、設備投資費用がかかってしまいます。 組合員は自分たち個々で保管して出荷出来たらと話してはいますが、先々を考えると組合で一つ倉庫をもつのも良いかもしれません。品質や生産が安定すればからいもを使った商品開発もできるので頑張りたいです。
新しいことに意欲的に挑戦する農家さんを取材できました。
人吉球磨・農業未来プロジェクトでは引き続き地域の若手農家さんの取材を続けていきます。次回の取材記事もお楽しみに!