コロナ禍で米国の中小企業のテナントは自らサブリース 新しいオフィスのトレンドとは?
はじめに
米国の物価上昇率は、コロナ前の2019年と比べて物価上昇率は16%です(2022年データ)。そのため金利を上げてインフレを抑え込む政策を実施したところ、飲食店のスタッフの時給はなんと4,000円となりました。
日本は、1ドル132円の円安、物価上昇率は4.9%です。事業主が商品の値段に転換できず、利益を削り、給料も上げられず、その上お客様は2割減と苦難の状態を懸命に耐えています。
米国が風邪をひくと日本は肺炎にかかる。不動産も家賃もなぜ上がるのか?
1970年代80年代は、米国がくしゃみをすると日本は風邪をひくと言われました。日本は製造業が日本経済を引っぱり円安は追い風でした。今は日本も米国もサービス業がGDPを押上げワーカーを雇用します。
FAGA+Mもプラツトフォーマーというサービス業です。ウィズコロナはライフワークスタイルを激変させオフィスのかたちも激変させました。
米国の都市も日本の都市も空室率は高いですが、売却価格も家賃も米国は大幅に上昇し、東京も微増、もしくは上昇傾向です。
グローバル経済は国境を超えて外資が日本の不動産を買っています。まさに「安い日本、不動産も会社も人も」、それが今の日本です。
混迷の転換期に米国が風邪をひいたら日本は肺炎にかかるのか?
いいえ、主体性を持ち事業再構築企業再生に挑戦すればDX活用で必ず日本の中小個人経営413万社は元気になると信じています。
賃借人自らサブリース、米国の「オフィスのかたち」の今
米国の賃貸契約は一般的に更新のない定期建物賃貸契約です。契約で5年と定めれば5年間解約できません。想定外の事態が起きると、家賃負担を軽減するためテナント自ら転貸人となりサブリースをします。
サブリースの目的は異能人財の集う場所(ワークプレイス)だったり、シナジー効果の見込めるスタートアップ企業、おもしろいビジネスを展開しているスモールカンパニー、社会的に意義のある非営利法人、腕にスキルのあるフリーランスだったりと、とにかく会社も人もダイバーシティです。
目的に合わせて使用が決まり、コワーキングスペースやサービスオフィスなど、サブリースも様々です。基本的に、テナントがすぐにビジネスをスタートできる環境を整え、時代に適応したワークプレイスを提供しています。その増加はオールグレードビルの10%を超えています。
一言で表すと、新しいワークスタイルに適応したオフィスのサブスクです。このワークプレイスには高額なデポジット(敷金)も原状回復も指定業者などの独占もありません。ビジネスパーソンが集うオープンなワークプレイスです。
日本は東京一極集中です。地方自治の確立した米国とは比較が難しいです。
米国も日本もコロナ禍でデジタルシフトが加速しテレワークが浸透しました。米国と日本の大きな違いは、テナント自らサブリース行う米国、PM、BM、リーシングなどを手掛ける不動産業者が事業を行う日本、その違いです。一般的な総称はレンタルオフィスです。
最近は、大手マスコミ関連、大手商社と異業種からの参入も多数あります。オフィスも「集約から分散に」がトレンドです(ハブ&スポーク)。
「セットアップオフィス」と「サービスオフィス」
セットアップオフィスは、受付、ミーティングルーム、リラクゼーションエリア、スタジオなどが完備され、執務室はテナントが什器やデスクを持ち込むスタイルです。中小ビルでワンフロア・ワンテナントです。
サービスオフィスは、基本的に個室です。総合受付、応接エリア、ミーティングエリア、スタジオ、リラクゼーションエリアなど、会員は共用設備をシェアします。運営は全てサービスオフィスの運営会社が行います。
セットアップオフィスは東京で誕生しました。セットアップオフィスは和製英語です。東京都心で立地の良い築年数の古いビルをリノベーションした中小ビルの新しいオフィスの選択肢です。2023年現在、約100棟のビルがセットアップオフィスです。
サービスオフィスは、当初地方の企業の東京進出の拠点とした使用が多く見受けられました。しかし現在では、スタートアップ、ITベンチャー、スモールカンパニーの拠点として活用されています。千代田、中央区、渋谷区、新宿区の一等地に大中型ビル一棟丸ごとサービスオフィス用途の物件も見受けられます。法人登記、ダイヤルインのテレホンシステムもあり、施設はフルスペックで充実しています。これが日本型サービスオフィスです。
コロナ感染症はデジタルシフトを加速させ、働き方も十人十色、多様なスタイルのワークプレイスの選択肢を提供しました。ハブ&スポークの分散型ワークプレイスは東京でもトレンドとなりつつあります。
おわりに
日米共通することは、「事業は人財が明日の命運を分ける」という価値観です。Well Bing指標が基準となりつつあります。AIアシスタント、ロボットにないものは感情です。ホモ・サピエンスは12,000年前から進化していません。IQも喜怒哀楽も変わらないことを意味します。“いいね”はマズローの承認欲求の現代のスタイルです。
ビジネスを通して、体の健康、心の健康、経済の健康の調和を実現してQOLを追求する、そのサポートをすることがsocial goodな会社であり、環境と機会を提供する場がワークプレイスだと思います。
皆様のQOL実現を陰ながら祈願致します。
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