「レセプトまるみえ君」の誕生
レセプトまるみえ君: https://rc-marumie-2.herokuapp.com
小さな開業医では、レセコンや電子カルテに何万円もお金をかけていることと思います。情報弱者のわれわれにとって、業者のソフトウェアがやっていることは、ブラックボックスのなかで、素人にはわからない高度な情報処理を行っているのだろうと勝手に思い込んで、それなりのコストを払ってしまっています。
また、患者の個人情報や自院の情報が漏洩したら、とか不安があると思います。よくわからない事なので、それなりの業者にそれなりの料金を払って、、、となってしまいます。その情報ギャップが業者の利益の元になっているように思われます。
そこで、レセプト電算データの中身はどうなっているのか、業者のソフトは具体的になにをやっているのか、知りたくなったので、少し調べてみました。
できれば、将来は誰でもご自宅で、一家に一台、レセコンや点検用ソフトを自作できるようにならないかな、と思っています。
これまでのこと
以前は、紙にプリントアウトしてレセプトのチェックをしていたのですが、毎月600枚ぐらいを印刷して紙もインクも消費するし、何よりシュレッダーがしょっちゅうこわれるので、困っていました。
40代から趣味で Delphi というのをいじっていたので(もうすぐ60です)、最初に Delphi でレセプト電算データのビューワを作ってみました。しばらく自分だけで使っていましたが、なかなか快適なので、最近のはやりのウェブアプリにして他人にも使ってもらおうと、javascript でも作ってみました。
「レセプトまるみえ君」として公開していたのですが、ほとんど自分だけしかアクセスがないようで、あまり需要もないのかな、とがっかりしていました。
その後、heroku というサーバーを使って、ログインもできるように変更もしてみました。
息子(大学を出てIT技術者)によると、「あやしげなサイト」の雰囲気いっぱいだそうで、そう言われると、ファイルをドロップした途端、患者の個人情報がどこかに抜かれてしまいそうな雰囲気ですな。
なので、目的と作り方を説明して、なんとか、あやしくない事を理解してもらおうとしている次第です。
レセプトまるみえ君の目的
大きな声で、全国の地域医療に貢献する小さなクリニックのため、時間とお金を節約するツールを提供したい。
小さな声で、将来的には自分の小遣いも増やしたい、です。
作り方の概要
いつまでたっても初心者で、「怪しいサイト」を作るほどの知識はないのですが、どうやって作ったかを明らかにして、「怪しいサイト」でないことをわかってもらいたいところです。
javascript というのは、ブラウザに読み込まれて、ブラウザが処理をするので、ローカルのパソコンでの処理です。
この javascript でファイルの読み込み、個人情報をマスクする処理、サーバーに送る、までやります。患者の保険情報、名前、クリニックの名称、電話番号、医療機関コードは消去してから送られます。
以前は、すべて javascript で済ませていたので、データはローカルのパソコンから一切出ない状態で処理していました。現在は、ログインの機能と辞書ファイルをサーバーに置くために、データをサーバーに送っています。ただし、サーバーのデータベースには保存しないようになっています。このため、過去の情報が必要なチェックはできません。
最近は、突合、縦覧、ありますのでそのうちにはなんとかしようかと思っています。
データベースもなかなか面倒なのですよ。PostgreSQL とか SQLalchemy とか最近知りました。そのうち詳しく解説します。
レセプト電算データの仕様についてはこちらを参照してください。
サーバーでは、マスターから作った辞書を使って傷病名、修飾語、診療行為、のコードを翻訳します。そして、ブラウザに送り返します。サーバーは heroku で PaaS というサービスです、python, flask で作れます。
heroku の無料のプランではアクセスがない時はスリープしているのだそうで、最初のアクセスはとても時間がかかります。無料なので仕方ないです。故障じゃないのでじっとお待ちください。
さて、受け取ったデータは javascript で使いやすく並べて、表示します。ここが最も大事なポイントと思っています。必要な情報を見やすく操作しやすく、不要な情報はみないようにして作業の能率をよくしたいところです。
もし、自分で作ってみようという方があれば、工夫のしどころだと思います。
今回は、概要のみ述べました。今後、具体的に作り方を書いていく予定です。
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