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リテラシーの時代

「100日後に死ぬワニ」が話題になりましたね。連載そのもののよさで人気を得ていたはずなのですが、一転、大手広告代理店の案件ではなかったのかという疑いで炎上しました。

炎上したtwitterの書き込みを見てみると、事の真偽は分かりませんが、大手広告代理店が最初から絡んだ企画だったのかと思い、怒りが爆発した経緯には、うなずけるものがありました。

そして、その現象についてコメントしているネット記事も探して見たところ、「嫌儲」というキーワードが浮き出てきました。ネットの世界では、途中から課金されるなど、利益追求への嫌悪感が強く、それに配慮しないといけないというものです。

それらの論を読んでRCは心底がっかりしました。曲がりなりにも言論を展開しようという人たちが、こんな立ち位置でいいのかと。

ネット民は、そんなケチでもひねくれものでもありません。人々が心底忌み嫌うのは、金儲けではなく、誰かにコントロールされているということなのです。もしそれが事実と分かれば、全力を持って叩き潰そうとするでしょう。

じゃあ、大手広告代理店がらみのアニメ映画はどうなのか、あれをネット民ももてはやしているじゃないか、と言われそうですね。でも、最初から折り込み済みならいいのです。さまざまなメディアを巻き込んで展開するエンタテイメントは、質も高く、たくさんの人々が楽しめるものです。

問題は、意識的に関わりを隠した場合です。ステマがいい例ですね。これはそもそも広告倫理に反していますから、排除されるべきものです。それでも、これステマじゃねぇの、ていうネット記事、tweetは多いし、通常のメディアのタイアップ記事、番組なんて大っぴらにやってますが、ステマに近いですね。

受けとる側は、かなりのリテラシーがないと騙されます。テレビ、ラジオ、紙メディアの時代は、騙されてもそれで牧歌的に世の中うまく回っていました。ネット環境がそれに加わり、既存メディアを凌駕してしまった今、一つの悪意は、とてつもない利益と、他への損害をもたらします。

かつて、そして今でも、大手広告代理店は就活の花形です。コピーライターという職種がもてはやされた時代もありました。何かで目にした、学生の志望理由に、「世の中を動かしたい」というのがありました。そのときはただ「青臭い」「誇大妄想」としか思いませんでしたが、今になって思えば、そうした感覚の人たちが集まる巨大な企業体が、どんな組織になるのか、何をしでかすのか、その恐ろしさに世の中はもっと早く気付くべきだったと思います。

今は、リテラシーが本当に大切な時代になりました。この感覚を磨くことが、一人一人の自由と人権を守ることになるのでしょう。「100日後に死ぬワニ」騒動が、それを教えてくれました。

RC

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