「師匠の教え」:褒めて伸ばす?
師匠曰く:
褒めて伸ばすのは、ある程度までキャリアをつけた人に対して使う。そうすると、その人は伸びる。ちょっと始めた人に褒めても伸びにつながらない。最初から褒めてはいけない。最初から褒められているようでは、褒める人がいなくなるとできなくなる。確かな自信に繋がっていないからだ。
そこを履き違えてはいけない。褒めて伸びる人で自信を持つ人はいない。厳しく言って、泣いても厳しく言っていれば、その人の自信に繋がっていく。
ただ、飴と鞭も必要なので、練習が終わった時などに、和む時間を持つ。例としては、オリンピックの選手。厳しい練習の後には、コーチがずっこけるような楽しいジョークを言ったりしたりする。そうバランスを取ることによって、確かな自信、揺るがない自信が培われて、ブレない。
ご褒美を与える教育では、もらえないとすぐにふてくされる人間になってしまう。泣いても、厳しく言われても、続けろ。できないものは心が弱い。自分との戦い。自分と向き合う。本当の自分を見る。逃げない。
「俺なりに一生懸命やっているつもりです。」という人もいるが、「つもり」はない。思っているならそれをしなければならない。思うだけでは結果は出ない。
苦しいことと向き合わなければならない。誰のためでもない。己のため。自分に向き合うのは、いい結果が出て初めて自分を認めてあげれる。自信は持つのではなく、作っていくのだ。自分を知っていくため、そして、自分を知るため。
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師匠は、練習終わった時にワザとずっこけて馬鹿を言うコーチだった。とても指導者とは思えない姿で選手たちと接していたそうだ。
私たちは時に、相手のために自分では正しいと思い行っていたことでも、実際のところ、将来的に相手のためにはならず、良い結果を見出さない場合がある。
"Give a man a fish, and you feed him for a day; show him how to catch fish, and you feed him for a lifetime." 「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ。」と言う格言がある。魚を与えれば、その日暮らしは賄える。魚の釣り方を教えれば、その人は一生食べていくことができる。
その場限りの褒め言葉で相手を舞い上がらせるよりも、相手の成長と成功を願って、相手が将来困らないような態度を取ってあげることが、本当の愛だろう。その時は苦しくても、相手はあなたに感謝することでしょう。