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コワクラ通信㉘ 一番のり

午後8時過ぎに出勤した。そう、月ぎめ会員は朝は8時から使えるのです。

夜も22時まで。でもいつもはその前には出ます。

ビルが閉まってしまったらという強迫観念みたいのが迫ってきて、

ぎりぎりは無理なんです。

しかし、朝一番というのはなかなか、いいなあ。

ちょびっと貸し切りっぽい気分。ていうか、社長みたいな?!

  現役時代の最後の5年間のこと。希望して移ったその部署には

直属の部長は毎日午前7時に来て仕事をされていた。

私は会社が始まる9時前のぎりぎりというのが習慣となっていた。

会社はフレックスタイム制なので、きちんと働けば何も言われなかった。

しばらくしたある日、彼に尋ねた。えっ、別に早く来るのは、当たり前

じゃない?とさらりと言われた。ドキッとした。なんだこの差は。

でもなぜか、その日以降、私も午前8時前後に出勤するようになった。

  彼からは、必要な電気の知識とともに、仕事に対する態度というものを

新たに学ばせてもらった。単に国立大学卒というだけではなく、ましてや

私よりずっと年下の上司だったが、戦士としては、はるかに自分よりは

数段上の方だった。もっと早く出会っていれば、よかったなあ、と痛感

した。彼と、その上の統括部長に出会ったお蔭で、サラリーマン最後の

5年間ほど忘れがたい日々を過ごせた。遅まきながら、会社にも

売り上げと利益の両面で少しは恩返しができてよかった。

(写真はわが家のビオトープジャングルに咲くオキザリスの花)

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