内部監査もDX化なんです
はじめに
私は現在、小売業の内部監査室で業務監査を担当しています。
当社はGMS、SM、DS、小型SM等と多岐にわたる業態の店舗を運営しています。店舗数は合計で160を超えますが、これらの店舗へ足を運び、店舗運営の業務監査を行っています。
私が所属する内部監査室は、他部署よりも平均年齢が高い傾向にあります。そのためか、業務のデジタル化には出遅れているという感じは否めません。
そこで今回は、内部監査業務のデジタル化にフォーカスして、「5W1H」で分析したいと思います。
1.デジタル監査
書類を確認するだけが内部監査じゃありません。
誰の課題か?
各監査員、ひとりひとりが直面しています。
いつ起こる?
監査を行う現場で起こります。
いや、往査の前から始まっていると言って良いでしょう。
※往査=現場に赴いて監査を行うこと
どこで起こる?
例えば、従業員が現金を抜く不正って、今時じゃない気がします。
理由は、セルフレジであったり、釣銭が自動で出てきたり、電子決済だったりと現金に直接触れる機会が減ってるんですよね。
一方で、勤務管理のように出退勤の履歴は、何かしらのデータで管理している企業も多いでしょう。会計関係でも、ペーパーレス化で電子承認が増えています。
ということは、書類じゃないものをどうやって確認するの?
なぜ解決されない?
会社機能のDX化に、監査室がついていけていないのが現状です。
どのように解決するか?
タイトルにしたように、現在、『デジタル監査』というキーワードは一般的です。大量のデータの中から、異常な数値、状況を判別するわけです。
まずもって、各監査員のデジタルリテラシーの向上が喫金の課題です。
2.デジタルリテラシー
内部監査の世界にも必要なんです。
誰の課題か?
これも、各監査員、ひとりひとりが直面しています。
いつ起こる?
日常の業務で発生しています。
どこで起こる?
特に、書類を作成する時に起こります。
なぜか、エクセルに入力しているのに、白い紙に手で書いたような、自由なレイアウトの書類が出来上がります。
結果として、後の集計作業が煩雑になります。
なぜ解決されない?
歴史を遡りますと・・・。(ご存じと思いますが・・・)
1960年代はオフィスコンピューター(オフコン)ってものがありました。限られた業務に特化した、画面が黒くて、文字が白かったりするやつ。
1970年代後半からワードプロセッサ(ワープロ)が現れました。文書作成に特化したニクイやつ。
どうも、この2人が良くも悪くも影響を与えていると思います。
どのように解決するか?
当たり前ですが、個々の業務がつながっていたら効率的なんです。
そのために、業務全体がつながるような準備、ツールを用意したいんです。
ただ、そもそも知らないことは出来ないわけで・・・。
3.書類作成からデータ整理まで
デジタルリテラシーを身に着けて、作業の軽減と正確性を両立したい。
誰の課題か?
業務監査は通常、監査員2~3名で行います。
このメンバーにとっての課題です。
いつ起こる?
監査業務の終盤です。
業務監査は2日間または3日間をかけて行います。
監査日程の中盤までは、監査対象になる内容を作業状況、書類の管理状況から判定していきます。最後に監査講評会を行い、監査結果を対象店舗の方々に伝え、業務監査は一区切りとなります。
その、監査講評会用に報告書を作成する作業が煩雑であり、エラーが発生します。
どこで起こる?
監査対象の店舗です。
各監査員がそれぞれのPC端末で書類を作成します。
評価用のワークシートと結果報告用の概況報告書は、エクセルに入力して作成します。特にワークシートは、つい7、8年前まではエクセルで作成したフォーマットを印刷し、それに鉛筆で記入していました。それらの結果を、概況報告書のエクセルに入力して、報告用の文章も入力していました。
ただ、現在もワークシートと概況報告書はつながれていないので、手入力の作業が煩雑でありエラーも発生します。
なぜ解決されない?
様々なツールを使えばもっと効率的になるという情報が足りない。
どのように解決するか?
このままエクセルを使うのであれば、根本的には、現在の書式が手書きに適したフォーマットなので、それを入力しやすいフォーマットに変える。そして、それぞれを同期させ、入力からデータ集計まで自動化できるとエラーがなくなる。
最終的には、タブレット端末を使い、タッチパネルで情報を選択して、自動集計されるのが理想です。
最後に
内部監査の背景から実務レベルまで、思いつくままに書きました。
最近は、不正の方法にまで、デジタル化の波が及んでいます。
システムがデジタル化されているので、当たり前なんですが。
なので、監査員自身もデジタルリテラシーがないと、それらを見抜けないんです。
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