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お元気ですか?元気です。

 その日私はいつも通り7:30に起き、母がつくる朝食を食べ、普通に学校へ行き、3年の先輩が引退して充実してきたバスケ部の練習に汗を流して、帰ってきてセガサターンしようか、ちょっと前の定期テストで成績落ちてたし中3も目の前だから勉強しとくか、と思ったりして、結局スピッツのCD聴いて寝るような、そんな日だったと思う。  西方での出来事は異世界のことのように遠く、自分の生活には何ら影響のないものだった。それが16年ののち、これほど近しく痛みと悲しみを覚えるとは。「共痛」とでも呼べ

    • かもめマシーン「もしもし、あわいゆくころ」

      2022年6月24日(金)から定禅寺通グリーンベルトにて開催される、かもめマシーン「もしもし、あわいゆくころ」、機会をいただいてゲネプロに体験させてもらったので、振り返りを記しておくことにする。 「電話演劇」という体験は、現代美術と現代演劇の境界をゆく、仙台では初めての表現スタイルではないだろうか。川村智美氏が2014年、せんだいメディアテークでの展覧会「記憶と想起」の中で、舞台音響家、本儀拓(キーウィサウンドワークス)氏と共に制作した、黒電話を用いて音声を聞くという展示が

      • 橋が架かる、彼岸の祖父母へ

         2019年4月7日(日)、つまり明日、宮城県気仙沼市と離島である大島との間に、50年地域の人々に望まれ続けて来た橋がかかるという。  地元は歓声に湧いているであろうその報道に触れて、ただ私は、流された祖父母の家のことをぼんやりと考えていた。  母方の祖父母の家は、JR気仙沼線の陸前小泉駅からほど近いところにあり、私が子供の頃はまだ気仙沼市の一部ではなく、「宮城県宮城郡本吉町小泉」という小さな集落だった。だから私は祖父母の家を「小泉のおばあちゃんち」と呼んでいたし、家から