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釣り記事もマウンティング論争も炎上戦法もコリゴリ。私はこういう文章をネットで読みたいし、書きたい。

「ネットで面白い文章を読みたい/ネットで面白い文章を書きたい」と思ってる人向けの記事です!

■特にこういう人におすすめ!
・ついついネットでいろんな章を流し読みして時間を潰しちゃうけど、「どんな文章を読めば、自分は満足感があるのか?」を考えてみたい人
・面白い文章を書いてるのに全然読まれなくて不満な人
・紙の文章が好きで、「ネットの文章は基本クソ」と思ってる人

※無料で最後まで読めます。投げ銭制のため「¥100」と表示されてます。

■まえがき


ネットにはいろんな文章が溢れており、私も読んだり、書いたりしてますが、
「私はネットでどういう文章を読みたいのか」「書きたいのか」を整理してみました。

はじめに言うと、私はネットの文章はほとんど「嫌い」である。


「インターネットに置いてある文章なんてジャンクフードみたいなもので、その場の活字欲とか好奇心は満ちても、後々まで記憶に残る美味しさや栄養はくれないよなあ……」
と思ってる。

だから私はネットでは極力文章を読まず、紙の本を読むようにしてる

(「有料」「編集が入ってる」「後から書き直せないから著者が本気」などの理由で、やっぱり紙の本は基本的に文章の質が良い)

でも、たまにネットでも、ものすごく良い文章があって、私を感動させたり、「私もこういうのを書きたい!」と思わせてくれる。

どういう文章が自分にとって「読みたい」「書きたい」ものなのか、を、
ためしにSTEP1~4の4段階に分けて考えてみます。

■STEP1 読む前 タイトル、冒頭、著者プロフィールを見ている段階
■STEP2 読んだ後
■STEP3 同じ著者の他の文章も読み始める段階
■STEP4 著者の他の活動や、人格自体に興味を持つ段階

こうやって書くと↑、意識高いっぽい感じになっちゃうけど、むしろ私は「意識高い(だけの)文章は読みたくない」と思っているので、この分類もただの自己流で何の本も参考にしてないので、気楽に、気安く読んでもらえればと思いますー。

■STEP1 読む前 タイトル、冒頭、著者プロフィールを見ている段階

多くの場合、この段階で「この記事を読むか読まないか」を決めてるはず。その時の自分の判断基準がどんなものか、まとめてみました。

〇冒頭に「これはこういう意図でかかれてて、こういう結論です」と分かる
〇誰向けの文章かわかる(「自分向けだ!」と思えば読むし、「自分向けではない!」と思ったら読まない、とすぐ判断できる。この点が不明確だと「めんどくさいから読まなくていいや」となる)
〇自分の既に持ってる問題意識、悩み、気になる話題とミートする
〇または、「あ、そういえばこれ、自分、気になるかも」と新たに気付かせてくれる
〇誰が書いてるか分かる 既に知っている著者であるor知らない人だけど著者のプロフィールにヒキがある
〇分量が丁度良い


■STEP2 読んだ後

読んだ後にどういう気持ちになる文章を読みたいか、書きたいかを考えました。
あと、私は、「好かれる人に好かれる」と同じくらい、「嫌われる人に嫌われる」ことも大事だと思うんですよね。そのことについても同時に考えました。

ちなみに私は、『「電車の合間に読み始められそうなキャッチーさ」かつ「読んだら意外と重くて家でも再読したくなる」文章』が、ネットの文章の理想だと思っています。実際、好きな文章はそうしています。

小野美由紀さんの使う「滋味深い」という語も、かなり自分にとってキーワードになってます。

というわけで下記のような文章を書きたいなー。

〇人生が変わる(←究極!)
〇情報を与える(「驚いた!発見があった!役立つことを知った!今日から実践できるハウツーを手に入れた!)あるいは「絶対こうはなりたくない!反面教師を手に入れた!」「この人の情報は間違ってる!絶対に参考にならない!もう読まない!」)
〇パッションを与える(「とにかく面白い!この人すげえ!トリップした!日常を忘れた!夢中になった!」あるいは「気持ち悪!もう二度と読まない!不愉快!」)
〇技術で感心させる(「とにかく文章うめえなあ!読んでるだけで満足感がある!この人の文章はどんなネタであれ全部読みたい!芸術として良い!」あるいは「エグすぎ!個性的すぎ!(うまいけど)好みじゃない!もうこの人の文章はどんなネタであれ読まない!」)

逆に下記のような文章はネットによく落ちてるけど、絶対書きたくないなと思っている。

× 読んでも読まなくても人生変わらない、忘れられる、ただ暇がつぶれるだけの文章
×「釣りにひっかかったー」という損な気分にさせる文章
×「このままでいいな、俺」と思わせる、安易な慰め文章
×優越感を刺激して「よかったー、俺、このままで大丈夫だわー」と思わせるだけの文章
×「あるあるわかる」だけの共感まきちらし文章
×誰が書いたかが記憶に残らない、誰でも書きそうな文章
×「この人が好きってことにしておいて自分の印象を上げたい」「とりあえず流し読みしてリツイートしとけば俺の株あがる」「この人追いかけてるとおしゃれ」「流行ってるっぽい」とか、とにかく他人の視線ありきで読まれる文章

↑こういう文章を良しとする人もたくさんいるだろうが、私は絶対に嫌だ。

究極的に言うと、
わたしは、「人生変える文章」を読み/書きたいし、「読んでも人生変わらない文章」は読み/書きたくないようです。


■STEP3 同じ著者の他の文章も読み始める

書き手自体への興味も持ち始める段階。ここで、「どういう感じで文章が並んでると読むか」「どういう人だと思ったらファンになるか」を考えました。

〇定番(この人はこういうジャンル書くんだね!)があるけど、バリエーションもある
〇この人はすきだけどこの情報は要らないから読まない、と選別できる 初心者向け/コア向けの別が分かる
〇何本読んでも一貫して、著者の伝えたいことの芯がある
〇「この人が好き」と思う
〇変化を追いたいと思わせる ライフログ感がある 「明日は何書くんだろう?」と思わせる 成長や変化が見える


■STEP4 著者の他の活動や、人格自体に興味を持つ

こうなりたいし、こうさせたい。
こういう人が数人いると、人生がぐっと豊かに、生きやすく、楽しくなりますよね。
ちなみに私の「STEP4」に入ってる人は、大森靖子、最果タヒ、下田美咲、小野美由紀くらいかなあ。
彼女らがどんな媒体で何を書こうが出来る限り追ってるし、新刊が出たら速攻買うし、高いコンサートやトークイベントにも行っちゃうよね。勝手に人生の同伴者扱いして、その人が結婚したり出産したりすると、泣いちゃったりする。

ダ・ヴィンチ・恐山さんも結構な域に行ってます。(課金先が少ないので確信できないし、結婚しても泣かないと思うけど。)

私の事をSTEP4レベルで好きになってくれてる人も、数人はいると信じてます。(ありがとう!!)

STEP4って私にとって、こういう人です。

〇ずっと書き続けていそうだ、「life is writing」の人だと思わせる
〇人生とコンテンツが連動してる(妊娠、結婚、出産なり自分の人生の道筋と、コンテンツの変化が連動してる)

〇幸せである 逆境とかいろいろあるけど前向きである(不幸な人を長期的にみたいとは思わないよね!!)

〇「この人を追うことは時代を追うことだ、だからずっと追ってたい」「次は何するのかわくわくする、見逃せない」と思わせる 時代の代弁者ぽくなる(大森靖子に顕著)
〇変化している 芯は変わってないけど新しいことに挑戦してる
〇「この人が有名に/売れる/幸せになる時代になってほしい」「だって、自分も、この人が有名に/売れる/幸せになる時代が来たら幸せだもん」と思わせる
〇結構更新頻度が高い(別にメインコンテンツじゃなくても、TwitterとかLINE@でも良い)その人を忘れる暇がない


逆に大森靖子、最果タヒ、下田美咲、小野美由紀が、こうなったら、私はファンやめちゃうと思います。

×同じことの焼きなおしだなー。この人いっつも同じことを同じ言い方で言うなー。ババアになったなー。ネタ切れなのかなー。
×安易に時代に乗ったなー 流行りに乗ったなー それっぽいだけなー。

よく言われるけどベスト盤作ったり懐メロでおじさんおばさんの昔の思い出つついて財布開かせようとしたらちょっと悲しくなっちゃうよね。何かコンセプトがあるベスト盤なら別だけど、縮小再生産にはいったら私はファンやめちゃうね。


■例題:私が牧村朝子さんを好きになった理由

さて、最近私が急にハマった書き手に、牧村朝子さんという人がいます。
Cakesの「女と結婚した女だけど質問ある?」は、長年「タイトルがウザい」という理由で敬遠してたのですが、読んでみたら激ハマりし一気に20本くらい読んでしまった。

STEP4までいってる人(大森靖子、最果タヒ、下田美咲、小野美由紀)を好きになったのは結構昔だし、好きが積み重なり過ぎて上手に分析できないので、
最近好きになった牧村朝子さんを「なぜ、わたしは、好きになったのか」を考えてみたいと思います。

STEP1
・キャラが分かりやすい(「女と結婚した女」「ミス日本ファイナリスト選出」など)
・「差別やおかしな出来事に物申してくれてスカッとする」「ジェンダー関連の学術的知識や実体験を教えてくれる」など、ご利益がタイトルで分かる
STEP2
・「役立った」「知らないこと知れた」という満足感がある
・面白い(これめちゃめちゃ大事)。文章がうまい。スマートでユーモアがあり、チャーミング。
STEP3~4
・めっちゃ勉強してる 自分のためにも、社会のためにも。強い。
・テーマはジェンダーのこと(たまに日本の狭さ、息苦しさ)で大体ぶれないんだけど、そこに人格がのってきてオリジナリティのある文章になってる。同じテーマで書く人はほかにもたくさんいるが、他でもない「牧村朝子」のファンになっちゃう。
・いいたいことがシンプル
(「LGBTの人」「レズビアンの人」とかカテゴライズせず、世界にたったひとりの相手としてコミュニケーションしよう、ということを、ネットでも本でも繰り返し言っている。これが名文 https://cakes.mu/posts/14672)
・ちゃんと人生相談で相手を救ってる そして実は相談者にストレスを与えた加害者も救おうとしてる視点の広さ。これも、名文~! https://cakes.mu/posts/13715
・夢が具体的でキャッチコピー化しててよい。(将来の夢は「幸せそうな女の子カップルに"レズビアンって何?"って言われること」。)


というわけでした。牧村さんのnoteファンクラブ(月300円)にもはいっちゃったし、https://note.mu/yurikure/m/m2e85b383b986


著書も1冊読んでみました。


8月2日にハマったから、結構なハイペースですね。

これからも、素晴らしい先達たちの文章をありがたく味わいつつ、自分もこんな文章を書きたいという指針にしていきたいと思います。ヒアウイゴ—!


※投げ銭制にしてみました。「役立った」「感情が動いた」「技術に感心した」など、何らかの「読んでよかった感がある」「STEP2までは満ちた!」という人は、コメントでも、投げ銭でも、ふぁぼでもリツイートでも、何らかの形で表現してもらえると大変うれしいです 形はどれでも同じくらい嬉しいです。自分としては「どこがどう良かった」(逆に「どこがどう不満だった、足りなかった、不快だった」)と書いてもらえると未来の役に立つので嬉しいです! 何しろ私も発展途上なので。

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