牛乳に含まれるラクトフェリンの抗がん作用について
牛乳に含まれるラクトフェリンは、その抗菌作用や免疫賦活作用などがよく知られていますが、近年では抗がん作用についても注目が集まっています。
ラクトフェリンの抗がん作用のメカニズム
ラクトフェリンの抗がん作用は、複数のメカニズムが考えられています。
がん細胞の増殖抑制: ラクトフェリンは、がん細胞の増殖に必要なシグナル伝達経路を阻害したり、アポトーシス(細胞死)を誘導することで、がん細胞の増殖を抑制します。
血管新生阻害: がん細胞は、自身の栄養を供給するために新しい血管を形成する(血管新生)性質がありますが、ラクトフェリンはこの血管新生を抑制することで、がんの成長を阻害します。
免疫細胞の活性化: ラクトフェリンは、自然免疫細胞や獲得免疫細胞を活性化し、がん細胞に対する攻撃力を高めます。
ラクトフェリンの抗がん作用に関する研究
ラクトフェリンの抗がん作用に関する研究は、動物実験や試験管内実験で数多く行われています。これらの研究では、ラクトフェリンが様々な種類のがんに対して、その増殖を抑制したり、転移を抑制する効果が報告されています。
動物実験: ラクトフェリンを投与したマウスでは、大腸がん、肺がん、膀胱がんなどの発生が抑制されたという報告があります。
試験管内実験: ラクトフェリンは、様々な種類のがん細胞の増殖を抑制することが、試験管内実験で確認されています。
注意点
ラクトフェリンの抗がん作用については、まだ十分に解明されていない部分も多く、ヒトへの効果については、さらなる研究が必要です。
出典
ラクトフェリンの抗がん作用に関するより詳細な情報については、以下の論文などを参考にしてください。
発がん抑制作用の検討と作用機序の解明: 厚生労働科学研究費補助金
この論文では、ラクトフェリンがマウスにおいて大腸がん、膀胱がん、食道がんなどの発がんを抑制する効果を示したことが報告されています。
論文URL: https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2000/000135/200000123A/200000123A0002.pdf