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4月20日、日本の空で起こる 月と太陽のグレージング
4月20日、金環皆既日食の北限界線が日本を横切ります。
この線上では、月がすれ違いざまに太陽に触れる"接食(グレージング)"がおこります。
この接食は、12分の間に、日本の要所要所を通過していきます。
見えないものと見えるもの、陰と陽が並び立ち、一点で接するとき。
見えない月と見えている太陽が完全なバランスで無限大のサイン∞を描く。
日本の空で、人知れず、そんなスリリングな瞬間が起こります。
月と太陽の"接食(グレージング)"
4月20日の新月に、金環皆既日食が起こります。
このとき日本では一部地域で部分日食として見られます。
金環皆既日食とは、完全に重なり合う中心食帯の中でも、地域によっては金環日食であり、ある地域では皆既日食である、というどちらの日食になるかのちょうど境い目であり、
これは月と太陽の見かけの大きさがほとんど差の無い同じ大きさの時だけに起こる、特別な日食です。
そして今回。
この日食の最も北の端である 北限界線 が日本列島を横切るのです。
限界線とは、日食になるかならないかのちょうど境い目です。
その限界線は、日本列島の中央構造線に沿うように西から東へ走り抜けます(下図)。
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その線上に位置する 伊勢 などでは、
月 と 太陽 が重なり合うことなく一点で触れ合い、
接してすれ違う
接食(グレージング)となります。
その上空ではその瞬間、その一瞬。
同じ大きさの 月 と 太陽 が 一点で接し、
そしてちょうど無限大 ∞ のサインのように左右に並び立つのです。
ただしこの現象は、目で見ることはできません。
全く見えない 月 と眩しすぎるほど見える 太陽 が
人知れずに日本の空で起こす、
全くもって、実に素晴らしい瞬間です。
この目では見えない現象について、皆さんそれぞれに感ずるものがあり、それそれ異なるものかと思いますが、
4月20日、日本の空でおこることについてお伝えいたします。
日食の北限界線が日本を走る
地図の赤い線がその「北限界線」で、
これより上(北)では日食は起こらず、
これより下(南)では日食が起こります。
おそらく報道でとりあげられるのは、この線より南側について
「日本の一部地域で部分日食が見られます」
という内容になるかと思います。
日食の限界線は通常、北側の限界線と南側の限界線が存在し、今回の日食ではそのうち北限界線が日本を通ります。
では、その線上では何が起こるのでしょうか。
限界線上でおこる接食(グレージング)
"月食"のように、天体が光源天体の影に入る現象を「食」と呼びますが、
"日食"のように、天体と天体が重なり合い、一方が一方を隠す現象も広く"食"と呼ばれています。
いずれにしても食は3つの天体が動き合いながら整列する瞬間になるわけです。
日食は天体A(太陽)と天体B(月)の2つだけがおこす現象ではなく、天体C(地球)上の観測者を含めた3者が同時に直線上に整列するときにおこります。
つまり月食とは異なり、地球上の観測者の位置によって、食が起こる場所、起こらない場所が生じます。
この、食が起こる場所起こらない場所の境目が限界線です。
その線上では月と太陽が、重なり合うでもなく、すれ違うのでもなく、ピンポイントで接する現象となります。
この天体同士がふれあう現象を特に接食(グレージング)と呼びます。
グレージングgrazing とは、「すれ違いざまに触れる」「擦れ擦れ」という意味で、天文用語では天体が天体に接してすれ違う現象、日本語では「接食」です。
おこるかおこらないか? 触れるか触れないか?
ぎりぎりで際どい、たいへんスリリングな現象です。
今回、このグレージングは、
14:29〜14:41
にかけて、天草から九十九里浜まで
日本を横断していきます。
伊勢で並び立つ月と太陽
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今回は「月による太陽の接食」になりますが、それは、見えない月と見える太陽が並び立つ、目では実際に見ることのできない現象です。
イメージ図は伊勢での様子です。
推算では、伊勢にて4月20日14:37、このように月が太陽の左側をかすめていく接食がおこります。
このとき太陽の横に、同じ大きさの見えない月が並びたつ瞬間、
無限大 ∞ のサインのように、瞬間両者は一点で接します。
※その他、各地での接食予報時刻については後述いたします。
<シミュレーション動画>
見ることの出来ない、見えない現象については、話題にもならず気づかれることもないでしょう。
天文現象の情報は、人知れず起こる見えないものはまず扱われることがありません。
前回の記事では、目で見える正面の天王星食と、目に見えない背後の水星食が同時に起こることについて書きました。
(この時は"食"を起こす3天体の整列が、同時に3組起こるという3重の食、5天体の同時整列が起こったのです)
3重食のうち、水星の食は目では見られないもので、情報も発信されず、気づかれないまま起こった"隠れた食"。
今回ここでお話しする現象も、人知れず起こる目では見えないものです。
しかし確かに、そこにあるものとして見えないものと見えるものが並び立つ現象であるということこそ、ここにお伝えするものです。
その見えない光景
日食が起こるのは新月のとき。
新月の姿はどうやっても見えません。
自ら光を放たず、しかも太陽があまりにも眩しい光源のため、その存在はいよいよわかりません。
一方太陽は、この世で最も見えるもの、そしてすべての見えるもの作り出しているとも言えます。
この、見えないもの と 見えるもの が 触れあい接する瞬間である と言えます。
限界線とは曖昧なもの
月による食の限界線の位置と接食の時刻は、天体暦から予報値として推算されますが、実際の観測値とはかなり差が出ることが多いものです。
接食は、食が起こるか起こらないか、極限の境目で、
普段は問題にならないようなごく僅かな暦の誤差が、はっきりと現れてしまいます。
ほんの僅かに月の軌道が南北にずれただけで接食が起こるかおこらないか、またその現象の様子が違ってきます。
境界線は、あいまいとなるところ。
昼と夜の曖昧な黄昏時や、固体が液体になる瞬間や、普段は異なるものと認識されている世界が、どちらともいえない曖昧なポイントであり、境界線上はその境界というものが無くなるものともいえます。
対照的なふるまいと輪郭
地球から見た月の位置は、大変近いということもあり様々な要因でふらつきがあり、複雑な振る舞いをしています。
また地球から見た太陽の位置は、月のようなふらつきは無い安定運行です。
接食は"輪郭"と“輪郭"が触れあうわけですが、
両者の輪郭もまた対照的です。
大気のない天体である月の"輪郭"は、たいへんくっきりとしています。
全体を見ると滑らかできれいな円形の輪郭をしていますが、
固い地表がむき出しになっている月縁の地形は、山あり谷ありで、凸凹して複雑です。
また秤動というゆらぎによって見えている月縁の地形は変化していきます。
しかしながら、月縁の地形は細かく観測されていて、近年では日本の月探査機「かぐや」などの測量によって、その瞬間瞬間に見えている月縁地形がたいへん正確にわかっています。
一方、固い地面のない太陽は、その輪郭線は月に比べて滑らかですが、実はあいまいです。
太陽の輪郭の大きさは、正式に見積もられ発表されていますが、その値は実際に観測される日食のときなどに微妙に違うことが知られており、観測者ごとに独自に推測されていたりします。
その軌道から言えは、太陽に比べて月は不安定。
その輪郭から言えば、月に比べて太陽は曖昧です。
今回の接食の特徴
この接食ラインである北限界線は、中央構造線に沿って伊勢などを通ります。
そして特筆すべき一つは、
この陰陽がちょうど左右に並び立つ形になるということです。
接食の瞬間、月と太陽の位置関係はその都度違うわけですが、今回日本の空に限ってみると、接食が起こる線上どの地点でも、ほぼ両者はみごとに左右に並んだとき接するのです。
さらにもう一つは、
この接食の母体となる日食が、金環皆既日食だということです。
つまり月と太陽の輪郭がほぼ同じ大きさであるいうことです。
見えないものと見えるもの、同じ大きさの両者が、日本の空で、ちょうど左右に並んで接する
ことになります。
限界線のルート
この金環皆既日食の中心食線は、インド洋からオーストラリアをかすめインドネシアから太平洋に抜けていきます。
そして接食ラインである北限界線を見ると、
その通る主な都市や地点は、西から
プーケット、サムイ島、アンコールワット、
そして、海南島、香港の北、温州市を通り大陸から離れ、
日本には天草から上陸します。
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北限界線は、日本列島を中央構造線に沿うように横切っていきます。
阿蘇南縁、津久見から四国へ渡り、宇和島、四万十源流、高知、剣山、阿南から本州へ渡り、有田、高野山、伊勢、渥美半島、浜名湖、静岡、熱海、横須賀、富津、九十九里浜(一宮)から太平洋へ抜けていきます。
月の影は、地表では地球の自転を追い越すように西から東へと移動します。
ですから接食の地点も西から始まり東へ走っていくように見えます。
そして月が地平線に近いほどスピードは加速度的に早くなります。
今回九十九里浜を抜けるときにスピードはマックスになります。
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接食予報時刻
各地の接食予報時刻は以下の通りです。
4月20日(日本時間)
天草市 14:29
高森町(阿蘇南縁) 14:30
津久見市 14:31
高知市 14:34
阿南市 14:35
高野山 14:36
伊勢市 14:37
浜名湖 14:38
静岡市 14:39
熱海市 14:40
一宮町(九十九里浜) 14:41
限界線が詳細にどこを通るのか、線上のスポット的な詳細位置予報時刻をお知りになりたい方は、お問い合わせ下さい。
東に行くほど時刻は遅くなり、高度は低くなり、月の位置も変わってきますが、そのセンスが相殺されて、ほぼどの地点でも月と太陽がちょうど左右に並び立つ形となります。
限界線南側では部分日食として
限界線の南側の地域では、月がわずかに太陽の縁を食することが目撃できます。
この部分日食としての情報は、国立天文台はじめ他メディアからも発信されていますので、そちらをご参照ください。
限界線に近ければ近いほど、そのかすめる部分はわずかになります。
反対に南に離れるほど、しっかりと月が重なります。
記事の余談ですが、、
部分日食は、
「太陽の一部が欠ける」現象
だととらえられ、報道もそんな表現になり、そう意識されていますが、
「月の一部が姿を表す」現象
という視点で眺めてみることをお勧めします。
普段は絶対に見ることのできない新月が、チラッとその姿を表すのです。
そもそも日食とは。
太陽という強烈なバックライトを浴びて、見えないはずの新月がシルエットでくっきりと現れる、月が主役となる瞬間ということができます。
明るい太陽にばかり焦点があっていると、日食は、
太陽が欠けていき、また元の円に戻った
という観察になります。
日食という用語にも"月"という文字は入っていないので、なおのこと月を意識する人は少なくなるでしょう。
頭では太陽と月が重なり合うと知っていても、太陽が欠けた部分は、あれこそが月だ!という意識で眺める人はほとんどいないようです。
しかし見えない月に焦点を合わせると、逆転した世界がそこにぱっと広がります。
以前、日本で日食が見られたとき。
これから日食がはじまる街頭でインタビューしていたテレビレポーターの方が、
「これから何が見えるのかな?」
と一人の子供にマイクを向けると、
その子はしばらく考えたあと、
「月!」
と元気よく答えました。
うわ凄い、この子はこれから何がおこるのかわかっていて答えたのだろうか!?と感動していると、はにかんだその子の画面下に、
「・・この子はどこで間違えてしまったのだろう・・」
というテロップが流れました。
これから見えるのは「日食!」と答えるのが正解なのに、、ということでしょう。
月など全く意識されていないことがよくわかります。
太陽はずっと見えています。
そして、そこにこれから現れ出でるのは「月!」が大正解です。
余談も長くなってしまいましたが。
4月20日、見えないものと見えるものの境、日本の空でおこるこの現象について書いてみました。
(記事中の、限界線図及び予報計算値は国立天文台より。イメージ図は天文シュミレーションソフトステラナビゲーター12より。)
グレージングのアクシスアライメント
以下、お知らせです。
レイプロジェクト唯我とTHE FOOLの共同企画。
この、日本の空でおこるグレージングに、真我の視点へのシフトを自ら促す「アクシスアライメント」を行います。
「レイエッセンス」と「スティルネスサウンド」を活用した、光と音の振動の共鳴。
アクシスアライメントは、二至二分(春分・秋分・夏至・冬至)、その他天体の整列を活用し、そのタイミングを使って意志を持った真我へのシフトを一斉に行うものです。
テーマ:「アメージング・グレージング 永遠にむかえ!」
限りあるものの中に答えを求めていた。
そこには答えはない。あるわけがない。
白と黒/光と闇が接触する奇跡の瞬間が日本で起こる。
その時、それを包括した永遠の世界へむかう。
グレージングのアクシスアライメント
〇 4月19日(水) 19:00ー21:00 セミナー(Zoom)「永遠に向かえ!」
〇 4月20日(木) 14:20ー14:50 スティルネスサウンド一斉遠隔瞑想セッション「空響禅」
19:00-19:45 シェア会
アクシスアライメントのための3つのレイエッセンス
レイエッセンス【光輪】【覚信開光道】【光我】
<日本を横切るグレージングライン>
月と太陽がすれ違いざまに触れ、一点で接して左右に並び立つ。
日本の空で人知れずそんなスリリングな瞬間が起こります。
見えない月と見えている太陽が完全なバランスで無限大のサイン∞を描く。
見えるものだけを見ている人には何も起こっていない現象ですが、眩しい太陽の左側に同じ大きさの見えない月が接して並び立ちます。
クリスタルボウルによるスティルサウンド「空響禅」は、このグレージングが日本を横切る間に行います。
光と響きはあなたの真性をアクティベイトする。
光と音のコラボレーションである「レイエッセンス」と「スティルネスサウンド」は、自身の”本質”/”大いなる私”と触れ合い、自我から軸足を移すことを促します。