Vtuber発のオリジナル戦法がプロ棋戦で指された話。

こんにちは、菜々河です。

9月28日に指された第15回朝日杯将棋オープン戦の一次予選決勝、千葉幸生七段(後)-黒田尭之五段(先)の一局は、私にとって生涯忘れることのないであろう一局となりました。

棋譜中継も行われたその一局は、朝からSNSを騒然とさせました。

黒田五段の選択した戦型は変則的な向かい飛車。
棋譜は権利の問題で載せることは出来ませんが、ぜひ将棋連盟Liveのモバイル中継などでご確認ください。

しかし、その変則的な向かい飛車を黒田先生が採用されたのにはこんな経緯がありました。

昨年の末に、私は黒田五段をお招きしてYouTubeに動画を投稿させて頂きました。
一本目の動画は、私が指しているオリジナル戦法「菜々河流向かい飛車」を黒田先生に迎え撃ってもらい、講評していただくという内容のもの。

菜々河流向かい飛車がどんな戦法かについては過去に記事を投稿していますのでそちらをご参照ください。

この一本目の動画の感想戦、24:29あたりでのやり取りの重さを後になって私は思い知ることとなります。

ななかわ「黒田先生から見て菜々河流はどうでしょうか?」
黒田五段「▲2六歩~▲2五歩と飛車先を早決めして横歩取りを避けられた場合などにこういった作戦も考えられますね」
菜「もしや採用ですか!?」

舞い上がり、ぜひ公式戦で…などと口走ったことを今になって軽率だったと思います。
棋士の先生の将棋は私のようなアマチュアと違い、生活が懸かっており、矜持が懸かっています。序盤作戦もその「棋士の将棋」の大きな血肉であり、そこに安易に干渉するのは失礼なことでした。

しかし、黒田先生はそんな私の我儘を覚えていてくださいました。
更に、朝日杯の将棋の序盤以降の指し回しを拝見する限り、私の投稿した動画やnoteだけでなく独自に研究を重ねて実戦に登用できるレベルの戦法まで昇華されていることは棋譜からひしひしと伝わって来ました。

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いちファンに過ぎない私の夢である「オリジナル戦法がプロ棋戦で指されるのが見たい」という夢を黒田先生が叶えてくださいました。

ここまでお膳立てしていただいた私と菜々河流向かい飛車は本当に果報者です。と同時に、私がこの戦法を更に広め、戦法としての完成度を高めていく使命を授かったと思っています。

今後の活動に於いても、私は黒田先生に恩を返す意味でも頑張っていかねばなと思います。具体的には配信だけではなく動画での解説や研究紹介を行っていこうと考えています。

「将棋はこんなにも自由なんだ」と言うことを、私の活動を通じて視聴者の方々やフォロワーさんに伝えて行きたいです。


改めて、黒田先生への感謝をこの場でお伝えさせて頂きます。

本当にありがとうございました。

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