文化財「会津型」オリジナルイヤリング制作
こんにちは、Ray-GlittersのHARUです。
4月に会津で行われた2022-23シーズンのホーム最終戦。
この日に向けてクラブとしても様々な取り組みをしてきた中で、私たちレイグリッターズは会津型のオリジナルイヤリングの制作に携わることができました。
今回は、このイヤリングのモチーフとなった「会津型」との出会いからデザイン考案、完成までの様子についてご紹介いたします。
喜多方蔵の里
1月末に、喜多方市にある「喜多方蔵の里」という移築・復元した蔵や民家が建ち並ぶ施設を訪問しました。
そのうちの一棟には会津型に関する資料が展示されており、喜多方市の職員さん、学芸員さんから「会津型」について案内して頂きました。
会津型とは、かつて着物を染めるために使われていた染型紙で、喜多方は全国でも伊勢・京都・江戸に並ぶ染型紙の産地だったそうです。
その後50年以上経った近年、製造元の蔵から会津型に関する大量の資料が発見され、会津型は福島県の有形民俗文化財に指定されました。
一度途絶えた文化ですが、タイムカプセルのように、今こうして目の前にあることの奇跡に感動しました。
紙の耳飾り「AIGRA(アイグラ)」
会津型には植物や動物などの自然をモチーフにしたものや、幾何学的な模様など数万点残っており、中には手仕事とは思えないほど細かな柄もありました。
現在、これらの紋柄は喜多方市にデジタル保管されており、申請すれば誰でもそのデザインを使用することができるのだそうです。
この会津型の魅力に注目し、現代風にアレンジするプロジェクトを始めたのが、株式会社ユニフォームネットの荒川社長です。
これまでに制作した商品パッケージや、地元学生と連携しデザインした賞状など、会津型を使用した様々なプロジェクトを拝見させていただきました。
その中でも特に、紙の耳飾り「AIGRA(アイグラ)」は「型」そのものを活かしたデザインとなっており、非常に魅力あふれるものでした。
荒川社長が、進学や就職、後の事業展開により故郷の福島を離れた際、自分の中にあるアイデンティティは何だろうと考えたときに、それが「故郷が福島であること」だったそうです。
この言葉が私の中でとても印象的で、私たちレイグリッターズも、自分自身の想いや福島の魅力をたくさんの方に伝えていきたいと考えました。
会津型体験
今回私たちは、会津型の紋様を取り入れたオリジナルのイヤリングをデザインすることになり、「染織工房れんが」にて、実際に会津型を彫る作業を体験しました。
私は以前から、切り絵や消しゴムハンコを彫るなどのモノづくりの作業が好きなため、今回このような新たな体験ができ感激でした。
彫る作業自体は慣れてはいるものの、柄の細かさや型紙の厚さは想像以上で、ひとつの柄を彫るだけでもかなりの神経と力が必要だと感じました。
工房代表の冠木さんは、会津型の整理・保存作業に携わった会津型研究会の会長でもあり、型の彫り方や染める時のコツなど細やかに教えてくださり、その手際の良さやハツラツとした姿に圧倒されました。
また、反物を染める際に繰り返しのパターンがつながるようにすることや、濃淡をつけるために一つの模様を二つの型に分けて染める技法なども教えて頂きました。
この一日だけでも会津型の奥深さに魅了され、より多くの人にこの魅力をお伝えしたいと改めて強く感じました。
オリジナルデザイン考案
後日、メンバーでイヤリングのデザインの相談をすることになりました。
喜多方を訪問した際のインスピレーションや身に着ける方のことを想像し、Ray-Grittersのロゴと花の模様を取り入れたデザインに決めました。
実際に完成した商品を手に取ってみると、イヤリングとしては大ぶりにはなるものの、紙をもとに作られているため繊細で、とても軽やかな印象でした。
さらに角度によって変わって見える色味や光沢感、本物の花のように揺れる姿は、予想を遥かに上回る仕上がりで、この作品にしかない良さを味わうことができました。
会津興行でのオリジナルイヤリング販売
4月15・16日のホーム最終戦は今シーズン唯一の会津若松市開催となり、試合会場であるあいづ総合体育館を中心に、地元企業・団体様のご協力のもと様々な催しが行われました。
今回制作した会津型オリジナルイヤリングは、試合会場内のレイグリブースにて販売し、来場した多くの方々に実際に手にとって頂くことができました。
また、SNS等での反響からも、たくさんの人にこの会津型の魅力に触れて頂けたと実感しました。
私たちRay-Grittersは、福島のロールモデルであり、「福島県内全ての想いを繋げる媒体」として活動しています。
これからもスポーツやバスケットボールを通じて、私たちが福島を想う気持ちに共感して頂けると嬉しいです。
Ray-Glitters HARU