成人ADHDがストラテラとインチュニブを飲んで人生が改善した話。
ごきげんよう。
あれよあれよという間に寒暖差激しい整いの11月が過ぎ、明日は今年最後の月となる12月がやってきてしまった。時間が過ぎるのが早すぎる。Twitterばかりしているのが悪い。
今年後半はうつとか寒暖差に伴う体調不良でなんもやる気しない地獄だったんですが、最近はマグネシウムを含めたやる気を生産する栄養素を摂取してなんとかまともに体が動くレベルまで回復しています。これね、一時期ソシャゲのデイリーですら億劫で一日のやる気リソースをひたすら仕事に割り当てて何とか乗り切るってレベルで死んでたので大分マシにはなってます。
それはおいといて本題に入りましょう。
ADHDはとかく生きづらい
ADHDってのは発達障害とか非定型発達とか言われる、脳のニューロンの成長パターンの一種です。個性扱いされることもあるけど、ぶっちゃけ現代社会の構造とマッチしていない性質を多々備えているのでメチャクチャ生きづらさがすごい。ので、日本では社会保障の対象になっています。
自分はギリギリ社会人として働けるラインにいるんですが、それを差し引いても労働が死ぬほど苦痛なので投薬治療を試みることにしました。
結果、副作用がしばらくつらかったものの徐々にADHDの特徴が緩和されてきたのが実感できて、生きやすさが大分改善しているのを感じます。
かかりつけのお医者様によると、大体第一選択薬のストラテラ、一般名:アトモキセチン塩酸塩の継続摂取で症状が緩和する人が多いそうですが、おれはせっかちなので第二選択薬のインチュニブ、一般名:グアンファシン塩酸塩も併用することを希望し、処方してもらっています。ジェネリックがないのでメチャクチャに高いが仕方ない。
なにせこの二つ、併用可能なのに併用している人の情報が世の中にほとんどない。早めに改善したい人もいると思うので(特に労働に差し支えが出ていると半年とか長いスパンで緩和を待てなかったり)情報として残しておきます。
ストラテラとインチュニブの摂取スケジュール
詳しい薬理効果についてはお医者様に聞いてもらうとして、基本的に自分は朝食後にストラテラを、夜寝る前にインチュニブを飲んでいます。
どちらも長時間体内で作用する薬品であり、一般的にはストラテラが覚醒作用が強く、インチュニブは沈静作用が強いとされるため、起きていたい時間帯と寝ていたい時間帯に効果が出るように飲みます。
同じ障害に対する治療薬を複数飲むと、副作用が強まるイメージがありますが、自分の体質においてはむしろ副作用が緩和して、利点の方が強く感じられる印象。ストラテラで脳内にあふれるようになったノルアドレナリンが、インチュニブで強化された受容体にスムーズに吸収されるようになった感じ。
それで、片方の影響が薄れてくる時間帯になると、副作用を実感するところ。特に、お脳がふわふわして喉の渇きが強くなります。
ストラテラは特に飲み始めは副作用が強かったので、最小用量の10ミリからはじめました。時間をかけて体を慣らせば継続できるので、副作用が強くて諦めている人はお医者さんに低用量からの処方を希望してみてください。
で、改善を実感したとこ
結果から言うと、ストラテラ40ミリを一日に飲む段階でも大分改善を実感しています。とても生きやすく、今の自分がMSジムだとしたら治療前はMSサムってぐらい生きやすさに違いがある。おれはなぜこんなクソみたいなバカバカしい縛りプレイをリアル人生で……
まず、ADHD特有の衝動性行動全般がピタッと収まりました。
特にストレス性過食や衝動買い、その他もろもろ勢いでなんかやっちゃう系の行動。思ったことが即口をついて出るとかもですかね。
これがですね、一つ一つあげて説明するのもバカバカしいんですけど、確実に人生に悪影響が出るんですよね。ストレス性過食は健康に悪いですし、食費も無駄にかかる。衝動買いとかも後から考えると全然いらないからフリマサイトで処分するのに無駄に手間とお金がかかったりして。
思ったことが即口を出たり、会話を割って入りガチなのもかなり悪印象を与えるので良くない。人と接する時は意識してそうならないように我慢する、してたんですがこれが非常にストレスだったのが今はそれもなくなりました。周囲への印象も劇的に良くなったと思われます。
後は、ADHDの大きな特徴として多動、とにかく身体を動かしたくなるってのがあるんですが、これがオフィスワークとすこぶる相性が悪く、椅子にじっと座ってパソコンと向き合っていないといけないのを8時間強制されるのが本当につらい。激烈にストレスがたまるし、そのたまったストレスで過食とか無駄遣いに走るのが自制が難しいんですよ。結構給料はいただけてるのでなんとか今までも生活はできていましたが、ホントはもっと生活費抑えたい。
この多動性についても、ストラテラとインチュニブが効果出てくるようになってから収まってきました。デスクに座っているだけで延々ストレスが溜まり続ける感覚がなくなり、反動での問題行動も大分なくなりました。
ストラテラの副作用として、食事量の低減と痩せもあるんですが、とにかく過剰に食べないと我慢できないってのもなくなり、体重も減ってきています。いいことづくめだ。痩せ薬として処方されるケースもあるらしいですが、正直健常者にこんな強い薬出していいのかとは思う。
ついでに、ADHD特有と思われるささいな刺激に対する敏感さも解消しました。ADHD当事者にしかわからない苦痛なんですが、ささいな雑音とは雑談、けたたましい笑い声とか、人間の発話が非常に苦痛ってのがあります。
つまりオフィスにいると、多動性を抑えてじっとしながら室内を満たす雑音にイライラさせ続けられるわけでもう本当に毎日ストレスがマッハだったワケ。
リモートワークはその辺のストレスが全くなかったので万々歳だったんですが、世の中はリモートワークアンチになりつつあるのでしょうがなく出社することになりました。チクショウ、社会はバカだ。オフィスの方が仕事が円滑なのも事実なんですけどね。
後これが重要なんですが、脳内のワーキングメモリーが強化されるに従い、うっかりミスの頻度も減ってきています。これがねぇ、マジでデカい。
人あたりの良さが悪くなくても、仕事をやるうえでミスが人より多いとどうしても評価があがらないんですよね。かく言う自分もうっかりミスやカスみたいなポカが無ければもっと評価あがるのに……って感じだったのでありがたい治療効果ってとこでしょう。
そうそう、集中力もあがります。これをやろう、と決めたことから意識をそらさずに対応できる。前はスマホが手元にあるととても危険だったのですが、今は手元にあったところで意識をやりたいことに引き戻せるくらい集中力に差があります。
で、総括すると人生をやっていく上で生きづらさにつながっていた特徴が緩和された結果、劇的に生きるのが楽になってきているのを感じます。スゲー生きやすいしストレスもたまりにくい。
後述するデメリットもあるので、既にクリエイティブな職業についている人は必ずしも治療をする必要はないですが、一般職とかについていて仕事がうまくいかない、つらいという人は投薬を検討する価値はあると思います。
で、次はデメリット。
ADHD治療薬投与後のデメリット
率直にいって、脳内のアドレナリンとノルアドレナリンのバランスが良くなった結果、情緒がかなりマイルドになります。これも当事者なら感じると思うんですが、ADHDって感動した時のニューロンへのインパクトが、まるで雷に打たれたりしたかのようなガツーン!としたショックがあるんです。はい。
投薬治療後は、そういう情動の効果が大分マイルドになり、感動もふんわりした形になります。投薬治療が続いて脳の機能も変化すると、これは元には戻りにくいと推定されますね。
ただ、あくまでマイルドになるだけで感情がなくなるわけではありません。
面白いものは今でも面白いと感じるし、世界は美しく、人は優しい。そういったことをよりしっかり実感できるゆとりができます。
なによりアドレナリン過多による怒りっぽさが大分落ち着くのもありがたいです。現代社会ではブチギレ=社会生命の危機なので、ブチギレゲージの長さが大幅に伸びたのは生きやすさにつながるってワケ。
後はこれはクリエイティブ作業において大きい悪影響なんですが、頭の中で情報が飛び交うのがなくなるので、必然的に突発的なアイデアが湧いて出る頻度は下がります。論理的に要素を組み立てて、アイデアとして完成させる思考に慣れる必要性を感じています。
ADHDだと突発的にアイデアの衝突事故が発生して、それがアドレナリン分布を促してとてもキモチイイんだったりするんですが、これも躁鬱みたいなもんなのでこれがマイルドになったのは生きやすさにつながります。
一方で、もうクリエイティブな仕事として収入を得ている人は、才能を潰す可能性があるので無理に治療することはないかと。ダメなとこは周囲にカバーしてもらうのもアリですし。
戦場へ
今、この記事は大体3500文字くらいなんですけど、垂れ流しとはいえこれを一時間で書けたのが一番の改善かもしれません。前は精々一時間で1200文字程度だったので3倍の効率、ザクがシャアザクになったくらいの強さの変化があるわけですよ。
というわけで、治療を続けていって最終的にはガンダムくらいになるまで改善していくつもりです。
今回はここまで、またな。
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