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俺達のバーに聖火が安置されてから半年が経った

「いつになったら取りに来んだろうなコレ……」
「さあ?」
 バー・メキシコのど真ん中に、厳重に隔離された聖火トーチが保管されている。事の起こりは、パルプスリンガー共のがこぞって聖火をネタに弄り回した結果、トチ狂った政府の連中が「そんなに聖火が好きならお前らが保管しろ!」とか言い出したせいである。たかだか一週間位の内輪ノリに乗っかるとかどうかしているのではないだろうか?睡眠はちゃんととっているのか?
 そんなパルプスリンガー達の疑問や抗議はさておき、今日も聖火は店内ど真ん中で明々と燃え盛っていた。聖火だからといって、別に来店客がありがたがったりするわけでもなく、三日も経った頃には誰も彼もがただの邪魔くさいオブジェとして扱っていた。
 既に秋風の吹く十月、オリンピック再開の目処は経っていないが、聖火の隣には聖水とか暗火とかいう類似品がまとめて置かれ、一種異様な空間になりつつある。早く持って帰って欲しいと黒尽くめの男は切に願っていたのだが。
「こんちわー、聖火の引取に参りましたー」
 願っていたのだが、こんな見るからに胡散臭い作業服の連中にわたすとそれはそれで面倒な事態になるのは目に見えていた。
「そんな連絡は来ていないが」
「いやあ急な配置転換ということで、引き渡しのサインをお願いします」
「五分待て、確認を取る」
 こんな事もあろうかと、最低限の連絡先だけは抑えていた男だが、その態度に引取人を自称していた連中は豹変。
「クソッ!どうでも良さそうな扱いのクセに、なんだそのお役所仕事は!」
「必要なプロセス通しておかないとこっちが面倒な事になるからな!」
 またも始まる銃撃戦、お構いなしとばかりに聖火の保護防弾アクリルにガンガン銃弾がぶち当たるのだが、相変わらず聖火は煌々と燃え盛っていた。

空想日常は自作品のワンカットを切り出して展示する試みです。
要するに自分が敬意を感じているダイハードテイルズ出版局による『スレイト・オブ・ニンジャ』へのリスペクト&オマージュになります。問題がない範疇だと考えていますが、万が一彼らに迷惑がかかったり、怒られたりしたら止めます。

現在は以下の作品を連載中!

弊アカウントゥーの投稿はほぼ毎日朝7時夕17時の三回更新!
ロボットが出てきて戦うとかニンジャとかを提供しているぞ!

#毎日note #毎日更新 #聖火安置コン #小説

ドネートは基本おれのせいかつに使われる。 生計以上のドネートはほかのパルプ・スリンガーにドネートされたり恵まれぬ人々に寄付したりする、つもりだ。 amazonのドネートまどぐちはこちらから。 https://bit.ly/2ULpdyL