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囀る鳥は羽ばたかない

ヤクザ世界を舞台にした、哀しい男達のハードな恋愛ドラマ

BL(ボーイズラブ)……意味を知ってはいるけど苦手、または、あまり馴染みが無いので気遅れする……という方も多いでしょう。私もそうでした。だがしかし!「サスペンスドラマが好き」「イケメンが好き」「一癖ある男女の恋愛ドラマが好き」…このような方は一度トライしてみる事をお勧めします。私はこの作品で一気にドはまりしました!

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主人子はヤクザのフロント企業「真誠興業」の社長であり、真誠会の若頭「矢代(やしろ)」。常に冷静なキレ者であると同時に、男とのセックスが好きな被虐性欲のある美青年。そこに刑務所から出所したて、という新人が来ます。矢代の付き人兼用心棒、としてお試しに使ってみる事に。寡黙で真面目そうな新人の名前は百目鬼(どうめき)。刑務所に入る前は警察官だった男。この2人が軸になって物語は展開していき
ます。

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他のBL作品との大きな違いは「ドラマの密度」。BL=矢代と百目鬼の物語ではありますが、どちらかといえば「ヤクザもの群像劇」。彼らを取り巻く「ヤクザ社会」という特殊な環境と複雑な人間関係が、深いドラマを作っていきます。

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そして何より人物の魅力!矢代も百目鬼も、彼らの周りの人々も、其々ここに至るまでのドラマを背負っています。特に矢代の生い立ちは残酷で、読みながら何度涙を流した事か。

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しかし舞台は力と暴力の世界です。弱みを見せればたちどころに食い尽くされる非情な世界で、矢代はタフにクールに立ち回り、組の上位団体の若頭からも厚く信頼され、周りの嫉妬を買って居るほど。そのあたりの男臭い、ヤクザ映画のような描写や台詞のやり取りも見所のひとつです。

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最後に…絵柄の美しさ!単純に絵が綺麗というのもありますが…人物の内面を顕す台詞やモノローグと組み合わせると、紙面から匂い立つ色気が凄い!(笑)こんなヤクザは現実にはあり得ないと思いつつ、確かなリアルさも感じさせる複雑な表情に釘付けになります。

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2巻で矢代が襲撃されてから、一気に物語はヤクザ同士の抗争に入っていき…事態はスピーディかつハードボイルドに展開していきます。

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そして熾烈な抗争の合間に、密かに深まっていく2人の葛藤と一筋縄ではいかない恋模様。是非読んでみて下さい!!

補足:単行本7巻続巻中。2020年劇場アニメ化
続編上映決定。

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