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「一陽来復」の話。

早稲田にある穴八幡宮神社は転職で東京に出てくる際、入社試験時の帰り道に立ち寄って「どうか会社に受かりますように…」と困った時の神頼みをした神社だ。

自分はスピリチュアルとか“そっち属性”の人間ではないけれど、この神社は初参拝の時から妙に波長が合うというのか、気分の良い場所で「あ、なんかイケるかも」と思ったものだ。
果たして、本当にイケることができて転職に成功して東京に出てきた。

東京生活も10年くらいになるが、不義理はしちゃいけないと思うので、毎年初詣や暮れには参拝しているし、早稲田方面に散歩で立ち寄った時なども必ず参拝するようにしている。
信仰しているというワケではなく、そこに行くから気分が良いのでそうしているだけだ。

穴八幡宮では、毎年冬になると一陽来復という御守りを頒布している。
由緒ある、それはそれはありがたい御守りなのだが、効果・効能については公式の方をご参照ください。

ところで、この御守りにはちょっとしたルールがあって、またまた公式Webより引用させていただく。

『冬至(例年12月22日前後)・大晦日(12月31日)・節分(例年2月3日前後)』
この三日の内で御自身の都合のよろしい日を選び、その日が終わる夜中12時(0時)ちょうどにおまつり下さい。

そう、日が決まっているのだ。
で、さらに‥‥。

自宅で日頃皆様が集まるリビングや居間でおまつりします。
そのおまつりする部屋の中心から一陽来復御守と一緒にお渡しする説明書に記されている『恵方』に『一陽来復』の文字が向くようにおまつりください。

とのこと。
毎年変わる恵方に向けて壁や梁に貼りつけるわけで、事前にコンパスで位置を把握して、深夜0時まで起きておまつりするという、ちょっとした行事感がある。
ただし、一度剥がれ落ちると無効になるというルールがある。

そんなわけで今年も節分に気合入れておまつりをして、「よっしゃ、これで一年間は安泰やな!」とか思っていたのだけど、、、
つい先日、たしか湿気の高い雨の日の夜中に、ボトッという音ともに床に落ちてしまった。
ひぃぃぃぃヾ(0д0∥)ノ

ショックだった。
厳重に貼ったつもりなのだけど、まさか僅か2か月弱の命になるとは。
まぁ、何かの身代わりになってくれたのだと思うようにして、てくてく早稲田まで歩いて返納してきた。

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包み紙した御守りを手に、ご神職に「もうダメっすかねぇ…」と力なく訊いた。
「あー、剥がれてしまったのですね。いえ、しっかりおまつりしたのならご神徳は一年続きますので。神様にご報告してどうぞ安心しておかえりください」
とのこと。いやぁ、安心した。
言われた通り、不備をお詫びしつつ参拝して帰ってきた。

話としてはそれだけなのだけど、今回のタイミングというのが、ちょうど人間関係やら仕事などで不調をきたしてメンタルが弱っていた時だった。
そんな中で“御守りが剥がれ落ちる”という事態は、もうなんとも「神も見放して詰んだ」感があって凹んだものだった。

けれど、冒頭に述べた通りなんせ穴八幡宮神社は自分にとって気分の良い場所なので、久々に訪れたことでパワーが充填された感じがした。
これは物の捉え方ではあるけれど、呼び寄せてくれたのだと思うようにした。
残念ながら一陽来復御守りは落っことしてしまったけれど、ご利益は続くというから、本当にありがたい。
(捨てるとかしないで返納しようじゃありませんか)

少しずつサイクルは上向いてきたのか、その夜は連敗中の日ハムが久々に勝利した。
ビールうまし! 私などはこんなことでも幸せなのだ。

楽しいことや嬉しいことなら、どんな些細な事でも見落とさず積み重ねていこうと改めて自戒した一日だった。

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