【『無能なナナ』ネタバレ考察】小野寺リンと橘ジンの出会いは徴募より前!?【第11巻まで】

※注意※
※単行本派による考察です。
※第11巻までのネタバレあり。
※原作を確認してはいますが個人の妄想に近いものなので、信憑性は保証できません。

ちなみに前回の記事です↓


※前提※

まだ確定していませんがこの記事は、小野寺リンは橘ジンに変身しているジンの親友(以下、橘ジン(変身))と同一人物であるという前提のもとに書かれています。また、昏睡状態(?)の橘ジン本体は柊ナナの兄ではないかという考察も関わってくるので、その2点をご了承ください。

↓こちらの記事に詳細があります↓

考察|橘ジン(本体)は島に徴募されなかったのでは?

ふと気づいたんですが、橘ジン(本体)が島にいたとはどこにも書かれていないんですね。本体の存在が初めて知らされたのが第5巻。ナナが見てきたスーツにメガネの橘ジンは、ある念動力者から借りた仮の姿だと知らされます。

ジン(変身)は以前、ナナに自分が1世代前に徴募された能力者の1人で、5年前に起こったサイキックウォーの生き残りだと語っていました。そのせいでジン(変身)の親友らしきジン(本体)も、念動力者として島で生活していたのだと思い込んでいた読者が多いのではないかと思います。

しかし、2人が島で出会ったとも同級生だったとも、そろってサイキックウォーを生き抜いたとも、原作のどこにも書かれていないのです。(一応探したんだけど、もし書いてあったら教えてね)

根拠1|意識不明のジン(本体)の謎

ここで反証的に最大の疑問を挙げます。現在本土に安置されているジン(本体)。仮にサイキックウォーであの状態になったとしたら、一体誰がどうやって本土まで運んだのでしょうか?

仮に運ばれたとすればジン(変身)によってでしょうが、無理じゃないですか? サチコみたいな瞬間移動能膂力者に変身して、自分ごとジン(本体)も運んだのでしょうか。それも可能性としてはなくはないですね。でもご都合主義に感じられます。

また個人的に、鶴岡がジン(変身)を初めて見たときに彼の情報を把握していなさそう(第5巻120ページ、第177~178ページ)なのも気になります。且つ、どこか訝しむ様子も見せていました。もしジン(変身)は徴募されていてジン(本体)が徴募されていなかったなら、このことも説明がつくわけです。

根拠2|「帰ってきてしまったよ」の意味

「帰ってきてしまったよ ジン」

『無能なナナ』(作:るーすぼーい / 古屋 庵 スクウェア・エニックス発行 ガンガンコミックス)第6巻154ページ

ナナたちと時を同じくして本土に帰ってきた橘ジン(変身)。昏睡状態のジン(本体)のもとを訪れての台詞です。

この台詞からは、本土に帰ってくるつもりはなかった、あるいは帰れない覚悟をして島に渡ったというジン(変身)の心情が読み取れます。仮にサイキックウォーの後にジン(本体)を安置し、再び島に戻ったとするなら、そこまでの覚悟をした意味がわかりません

だってサイキックウォー後の島には、誰もいないわけです。そんな島に何をしに1人で戻ったのでしょうか。1人になりたい、仲間たちと同じ島に眠りたいという厭世観ゆえの行動かもしれませんが、結局5年も生き抜いているわけで。これはむしろ、間接的に能力者の殺戮を行った委員会や政府に復讐するため、そこまででなくてもその目的や隠蔽された真実を暴くためと考える方が自然ではないでしょうか。

まだ明言されていませんが、橘ジン(変身)はおそらく小野寺リンです。第11巻で、彼女の兄キョウヤは能力者だった母の不審死の謎を解こうとしていたことがわかっています。妹のリンがその遺志を継いだとしても何の不思議もないどころか、これはかなりアツい展開じゃないでしょうか!

仮説(妄想)|小野寺リンと橘ジンの過去の全貌!

1|小野寺リンと橘ジンの出会い

第11巻にて、小野寺リンは唯一の肉親である兄の中から自分の存在を消し、家を出て生活を始めたことが語られました。橘ジンと出会ったのは家出後、街中を放浪している頃ではないでしょうか。

橘ジンは、今のところ原作では全く語られていませんが、ナナの兄である可能性があります。というか、私はそう考えています。

ナナの兄はナナとは年が離れていて、ナナが物心つく前に家を出たため彼女の記憶にはほぼ残っていないそうです。この情報から、橘ジンがナナの兄だとするなら彼もまた、リンと同じく理由があって愛する家族の下を離れたのではと考察することができます。苗字が違うのも、体制側から身を隠すためと考えれば自然ですしね。

似た境遇の2人の運命的な出会い。これ、作風的にすごくありそう!

2|橘ジンの生い立ち(仮)

橘ジンは念動力が早くから発現していたため、政府の機関で働きつつ委員会勢力からの造反を企図していた両親によって、隠して育てられたのではないでしょうか。おそらく祖母に養育されたのでは? これが第3巻275ページの回想で、帰ってきたジンを幽霊のように扱った祖母です。このときの様子からするに、彼女は全く事情を知らされずにジンを育てたのでしょう。

「もともと両親は他界していてね
 置いた祖母が唯一の身内なのだが…」

『無能なナナ』(作:るーすぼーい / 古屋 庵 スクウェア・エニックス発行 ガンガンコミックス)第3巻274ページ

という台詞は何通りかの解釈ができますが…。このあたり、ジン(変身)(=リン)が自分の話をしているのかジン(本体)の境遇を話しているのか判然としないんですよね…。よって現在保留。

3|出会ってからのリンとジン

リンはキョウヤのもとを去って、おそらく生きる意味を見失っていたはずです。そこで出会った橘ジン。彼は妹のために(他にも理由はあるけど)妹とほぼ関わることなく生きることを余儀なくされていました。片や兄のため、片や妹のため。2人が共鳴するのに他に理由はいらなかったのではないでしょうか。

またおそらくこの頃、リンに変身能力が芽生えます。能力者として親近感を抱く2人。能力で助け合い、その度に親密さを増します。さらに家族のことを話すようになると、自分たちの境遇には委員会が大きく影を落としていることに気付くことでしょう。そうすればそれぞれ兄のため妹のため、新たに生きる意味を見つけることができます。

つまり、2人で政府の裏工作を暴き止めよう、と。

そうこうするうちに、リンはジンの言動や癖などを熟知し、彼の姿で振舞うのが自然になったのではないでしょうか。

4|ジンの昏睡状態は体質か別の怪我のせいでは?

ジンがサイキックウォーに関わっていないとすると、彼の現在の状態は何のせいでしょうか。

これも全く語られていないため、いくらでも考察(妄想)ができますが、

  1. 元々病弱だった

  2. 能力の代償

  3. 委員会や政府機関に狙われての負傷

等が考えられるかなと。そういった理由もあって、リンとジンは身を寄せ合っていたのではないかというのが私の考えです。

5|リンが島へ渡るまで

4で挙げたジンの昏睡状態の理由のうち、3はまずあるだろうと思っています。そもそもジン(とナナ)の親は委員会から狙われるのを避けるためジンを遠ざけたのだろうし、それに全く気付かない委員会ではないでしょう。おそらく島に送ろうとジンの身柄の確保を試みたと考えられます。

負傷がひどく、治療が必要な状態のジン。何とか処置はして安全な状態にはしたが島に行かせるわけにはいかないし、今捕まれば即殺される可能性もある。そこでリンは、自分がジンの代わりに島へ行くことを選んだのではないでしょうか。それこそ、本土に戻ってこれない覚悟を決めて。

そしてのちにサイキックウォーでリン世代の能力者が全滅し、祖母にはジンの死亡が(名誉の戦死として)伝えられた。

―――最初はリンが徴募対象でジンが対象外のパターンを考えたのですが、こっちのが自然ですよね。ナナの兄であるジンがリストに入ってないほうが不自然。第5巻で鶴岡がジン(変身)を見たときの表情は、念動力者だったはずのジンが変身能力を見せたことに対しての疑念だったのでしょう。

そんなこんなでジンとして島での生活を始めるリン。男の姿なので寮も男子寮。だからとなりがケツアゴの大男だったんですね。解決!

残る疑問…

長々と語ってきましたが、正直ジン(あるいはリン)の祖母に関してはあまり釈然としません。あえて

  • 肉親は祖母だけ

  • ジン(リン?)を戦死したと知らされていた

と書かれているので、もっと筋の通った真実があるはずなんですけどね。

他にも矛盾があるかもしれないので、気づいた方は教えてください。

ではまた!

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