ある風景

画像1 桜が散った後は表通りも閑散としている。みんな桜に魅せられて熱にうかれていたようだった。まさに祭のあと。裏側で俺は明日の糧を作らんとする。それは今日の仕事をこなすと言うことだ。働かざる者食うべからず。そんなうるさい雷親父だった。真っ黒な油と汗に苛立ちながら、もっと別なことに毎日苛立っていた。高卒。うちの小さなこうばでチマチマと、だが通勤電車や渋滞の中であくせくと生きるより、自由でいいわねぇの白眼視。2階のちゃぶ台で冷えた握り飯と、とろろ昆布に醤油と味の素をかける。ちょっとぬるくなった魔法瓶の湯を注いだ昼飯。

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