「ゴーダの空」
空近し
白綿の厚い雲の前に
薄絹のような綿菓子の雲流れる
跳ぶように景色は過ぎる
雲だけは
ゆたりゆたり
面を向けて見るその空は
いつの間にやら白き曇り
中央に黒く灰原を敷いていた
一足早く風神雷神の足裏から天鼓雷音が
北の地を濡らして去った
違い足で反り見れば
ゴーダの黒い神
五蛇の黒天
我を封じながら生きるには
空虚しからず
むなむなし
その道の通りならば
どうかそのように
互い違いならば
どうぞ彼の人等を極楽へ
地獄を書き綴る身で
今宵は黒い唐辛子を食む
明日は桃の実の汁で絵空事
足掻く足掻く蜘蛛の糸