恋愛小説⑭

「君こそ性格悪いだろう」

そんな見透かした言葉を吐く

わたしは黙ってモカマタリの豊潤な香りを飲み込む

そんな母の弁当屋に通いつめた頃は

あなたも少年で一緒に母と笑っていたのだろう

姉のような無邪気な女とは何もない

弟とは結婚出来ないし

わたしは妹と同じ

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