らっせる。

noteでは二次創作を投稿しています。Twitterでは「らっせる。」という名前で呟きを、外部サイトでは「佐江草 依月」という名前でオリジナル小説を投稿しています。( https://mypage.syosetu.com/1697989/ )

らっせる。

noteでは二次創作を投稿しています。Twitterでは「らっせる。」という名前で呟きを、外部サイトでは「佐江草 依月」という名前でオリジナル小説を投稿しています。( https://mypage.syosetu.com/1697989/ )

最近の記事

  • 固定された記事

新言語秩序(二次創作)–解析担当者の呟き①

※このお話はamazarashiによる『新言語秩序』の二次創作です。私自身が、あの物語を、あのライブを見た際に感じた疑問や、もしこれが現実だったら?と想像して抱いた感情を元に構築したお話です。 –•–•–•–•–•–•–•–•–•–•–•–•–•–•–•–•–•–•–•–•–•– 新言語秩序は、あの日「言葉を取り戻せ」という轟音と共に解体された。 様々な感情が入り乱れる怒号の中、ステージを取り囲む群衆の中にただただ涙を流し、立ち尽くす男の姿があった。 –––––––––

    • 新言語秩序(二次創作)–解析担当者の呟き③

      ゆっくりと近づいてくる長身の男の顔を見て、僕は目を見開くと同時に、口までもあんぐりと開けてしまった。 「やあ、柾季。現実で会うのは久しぶりだね。」 「雪狐(ゆきぎつね)室長…」 そこに立っていたのは、紛れもなく新言語秩序のウイルス対策室室長・雪狐だった。"室長"といってもウイルス対策室にはこの人しか居ないのだが……。ちなみに雪狐というのはコードネームだ。新言語秩序の中で、本名以外を堂々と名乗っているのはきっと彼くらいだろう。 「実は、言葉ゾンビとしても活動しててね。優

      • さいごの花火

          「父さん、俺も尋常小学校出だったら、花火師になるべ。」  「そーがあ。」  俺はその日、作業場から帰って来た父が火薬で真っ黒になった指を石鹸でごしごしと洗う後ろ姿に、家業を継ぐと言った。尋常小学校三年の春だった。  それから三年が経って、六年生の春。戦争が始まった。  その時、父から尋常小学校を卒業したら、高等小学校へ通うよう言われた。 家業を継ぐつもりでいた俺は、最初、反発したが、父の「戦争が終わったら幾らでも教えてやる。せめて高等小学校くらい出ておきなさい。」と

        • 新言語秩序(二次創作)–解析担当者の呟き②

          あの日、僕の心の中で潰れた何かが、一体何だったのか分からないまま、早朝に吹く風は夏の緑を通り越し、秋色へと衣替えを始めていた。 僕は、解析の傍ら、一般人向けの組織への問い合わせフォームの処理担当もしている。あらかたAI(人工知能)が「通報」「質問」「不明」と分類してくれるように作った。「通報」は調査係が対応し「質問」は広報係が対応している。「不明」というフォルダに分けられた部分は他に比べ圧倒的に件数が少ないため、僕が1人で担当している。 職場から帰宅した僕は、インスタントコ

        • 固定された記事

        新言語秩序(二次創作)–解析担当者の呟き①

          『隅田川』–amzワンドロ企画–

          朝だ。枕元でアラームが鳴る。曲は昔からずっと大好きな、別れの歌だ。 寝巻きから作務衣(さむえ)に着替える。母屋の廊下をひたひたと進み玄関の上がり框(かまち)に一旦腰を下ろして雪駄に履き替える。今日もまだ、寒いだろうか。自然と溜息が零れる。 のっそりと立ち上がり引き戸の突っ張り棒を外して外に出ると、冷たく鋭い空気が僕の肺を突き刺す。冷気にやられて咳き込んでいると玄関脇の倉庫の下から茶虎の猫が顔を出した。 「おはよう、さくら」 僕がしゃがんで人差し指を出すとこちらに向かってきた

          『隅田川』–amzワンドロ企画–