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「良いファーストシーン」とは何か?

どうも。ペンゼルと申します。
私は趣味で、ドラマの脚本を書いています。

今回、この記事では
脚本における「良いファーストシーン」とは、どんなシーンかについて、私の考えを述べていこうと思います。


◯「ファーストシーン」と「つかみ」

良いファーストシーンとは何かについて語る前に
まずは「ファーストシーン」と「つかみ」について話していこうと思います。

まず、ファーストシーンとは、文字通り「一つ目のシーン」という意味です。
当たり前かもしれませんが、二つ目、三つ目のシーンのことをファーストシーンとは呼びません。

そして、ドラマの冒頭部分には、いわゆる「つかみ」と呼ばれるシーンが含まれていることが多々あります。

「つかみ」とは、視聴者をドラマに引き込むためのシーンです。

例えば
A君はBさんのことが好きで、Bさんをデートに誘うことを決心する。

A君がBさんの家に行くと、Bさんは別の男(C君)とキスしている。

こんなシーンがあると、続きが気になりますよね。

これが「つかみ」です。

「つかみ」をドラマの冒頭に入れることで、視聴者たちに「続きを見たい!」と思わせることができます。

そんな「つかみ」ですが
必ずしも「つかみ=ファーストシーン」というわけではありません。

「つかみ」は、二つ目のシーンでも三つ目のシーンに入れても構いません。
無理してファーストシーンに入れなくてもいいということです。

ただ、「つかみ」はドラマの冒頭5分以内に入れるのが基本だと私は思っています。

視聴者が「このドラマ、つまらないな」と感じたら、そのドラマの視聴を途中でやめる可能性があるからです。

視聴者の興味・関心をなるべく早く引くためには、なるべく早く「つかみ」を入れる必要があるというわけです。

◯「良いファーストシーン」とは

先程も言ったように、必ずしもファーストシーンに「つかみ」を入れる必要はありません。
なので、「つかみ」のあるファーストシーンが良いファーストシーンというわけではありません。

良いファーストシーンとは、「物語の始まりが描かれたシーン」だと私は思います。
テレビドラマの脚本であれば、ただ単純に、その物語の始まりをファーストシーンに描けばいいということです。

ファーストシーンなんだから、物語の始まりを描くのは当たり前と思うかもしれませんが
その当たり前のことがしっかり出来ていれば何の問題もないと私は思っています。

「ファーストシーンでは、登場人物たちについての説明が必要だ」
と思う方がいらっしゃるかもしれませんが
基本的に、ファーストシーンで登場人物たちの説明はあまりしなくていいと私は思っています。

仮に、ファーストシーンで登場人物たちについての説明をばーっと入れたとしても
ドラマを見ている視聴者たちの頭には、ほとんど入らないと思うからです。

なので
登場人物たちについての説明は後回しにして、まずは物語の始まりを単純に描いていけばいいと思います。

◯ファーストシーンは、どんな場所から始めるべき?

ファーストシーンに関して、私はこんな話を聞いたことがあります。

「ドラマでよく見かけるような場所は、ファーストシーンに不向き」
という話です。

どういう話かというと、

例えば
リビングや学校、カフェやレストラン、オフィスや病院……
こういった場所はドラマで良く見かける場所ですが

こういう場所はファーストシーンの舞台に向いていない」
「こういう場所からドラマをスタートさせるのは良くない

ざっと説明すると、そういう話です。

こういう話をする人は
「ドラマではあまり見かけないような場所をファーストシーンの舞台にするべき」という意見を持っているようです。

けれども
私は違う意見を持っています。

ファーストシーンの舞台なんて、どんな場所でも構わないと思っています。

確かに
つまらないドラマの中には
リビングや学校、カフェ、レストラン、オフィス、病院などの場所から始まっているものがあります。

しかしながら
面白いドラマの中にも
リビングや学校、カフェ、レストラン、オフィス、病院などの場所から始まっているものがあります。

この差は一体何なのでしょうか。

問題は「場所」ではなく
「脚本家の腕」だと私は思います。

リビングや学校、カフェ、レストラン、オフィス、病院など
ドラマでよく見かける場所がファーストシーンの舞台だと
「つまらない」とか「面白くない」と思われがちですが
そういった場所がファーストシーンの舞台でも
面白いドラマをスタートさせることは可能だと思いませんか?

ドラマであまり見かけない場所の場合
登場人物たちに何をやらせても面白くなります。

しかし
ドラマでよく見かける場所だと、そうはいきません。

登場人物たちの言動が面白くないと、当然つまらないドラマになってしまいます。

これが「差」が生まれる要因なんだと思います。

要は、脚本家の腕が重要なのです。

リビングや学校、カフェ、レストラン、オフィス、病院といった平凡な場所でも
面白いドラマをスタートさせることが
「できる」か「できない」か。

つまり
脚本家としての腕が
「ある」か「ない」か。
二つに一つです。

脚本家の「腕」があれば、どんな場所がファーストシーンの舞台でも、面白いドラマは描けるはずだと思います。

ドラマであまり見かけない場所でも
ドラマでよく見かける場所でも
面白いドラマは始まるはずです。
私はそう信じています。

◯最後に

というわけで、今回の記事では
脚本における「良いファーストシーン」とは、どんなシーンかについて、私の考えを述べました。

みなさんは、ファーストシーンを描くのは簡単だと思いますか? 難しいと思いますか?

もちろん、後者の方もいらっしゃると思います。

そこで、良いファーストシーンを描くための「ちょっとしたコツ」を紹介しようと思います。

ファーストシーンを描くのが難しい時は
別のシーンから描いてみるのがオススメです。
ファーストシーンを後回しにして、別のシーンから描き始めるのです。

別のシーンを描いているうちに、良いファーストシーンが頭に浮かんできたり
別のシーンから描き始めることで、どういうファーストシーンが必要かが分かってきたりします。

良かったら参考にしてみて下さい。

それでは、またお会いしましょう。
Have a nice day.

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