第一回:デイリータスクリストのススメ
もし文明の崩壊が目前に迫っていて、何か一つだけ、崩壊後に立ち上がってくるであろう新しい文明のためにノウハウを残すとしたら、あなたは何を選びますか。私は自信満々にデイリータスクリストを選ぶことでしょう。
……というのはさすがに大げさにしても、新入社員に「先輩、何か仕事の進め方でうまいやり方ってありませんか?」と聞かれたら、目をキラキラさせながら「デイリータスクリストを作るのがいいよ」と意気揚々と説明するのは間違いありません。それくらい、優れた手法(メソッド)がデイリータスクリストです。
①デイリータスクリストは、簡単に作れます。それこそ紙一枚ペンひとつからでも始められますし、パソコンやスマートフォンでも特殊なアプリケーションをインストールする必要はありません。普通のメモ帳やテキストエディタがあれば十分です。
②デイリータスクリストは、シンプルでありながら、効果的なメソッドです。頭がクラクラしてくるような分厚い説明書を読む必要はありません。基本的なルールはごく限定的ですが、にも関わらず作業を進める上で強力なサポーターとなってくれます。
③デイリータスクリストは汎用性が高く、応用性もあります。アナログでもデジタルでも実行可能で、しかも自分の使い勝手合わせていくらでもアレンジが可能です。簡単に作れて、シンプルであるからこその特徴です。
上記のような理由から、デイリータスクリストは誰にでもおすすめできます。職種によっては使いづらい場合もありますが、基本的な考え方はどの仕事においても応用可能でしょう。
私は18歳の頃からこのやり方を始め、もう20年以上もこの手法によって仕事を進めています。別の方法を試したことも一度や二度ではありませんが、どうにもしっくりこず、結局デイリータスクリストに戻ってくることになりました。
さすがに20年前とは、細かいやり方も使っているツールも変わっていますが、基本的な考え方は何も変わっていません。一枚のページに、「今日やること」をまとめ、それを相方にしながら、一日の作業を進めていく。ただそれだけです。
どうです? 簡単そうでしょう?
実際簡単なのです。そして、この簡単なやり方が、実に効果を上げてくれるのです。
なぜ、この手法がそんなに効果を上げるのかを説明する前に、まずは実際の作り方を見ていきましょう。
(次回に続きます)