Weekly R-style Magazine 「読む・書く・考えるの探求」2017/10/16 第366号
はじめに
はじめましての方、はじめまして。 毎度おなじみの方、ありがとうございます。
ここ最近は、三つのプロジェクトに取り組んでいます。
一つ目は、2017年12月発売予定の「月くら」計画本の執筆。タイトルは『僕らの生存戦略』(仮)です。今回のこの本は何かしらの形でレビュアーさんに原稿をチェックして頂こうと考えているので、粗い脱稿を11月くらいには済ませたいところ。よって、10月中はミチミチとこの本の進捗を進めることになりそうです。
二つ目は、「かーそる」第三号の準備。現状は、皆さんに原稿を書いていただく段階で、編集作業まではまだもう少しかかりそうです。かく言う私もまだ自分の分の原稿はできあがっておりません。これは秋の発売は無理っぽいですね……。
最後の三つ目は、7wrinerというアプリ(Webツール)の開発。開発といっても日曜大工的なものなのですが、ここ最近は空いている時間のほとんどをこのツールの改良に投下しています。これがもう、面白くて仕方がありません。その様子については、このメルマガにて「開発日記」の形で書いていきますので、ご興味あればどうぞ。
私は以前、「知的生産ツールは、それぞれの人によって要請する形が違うから、自分で作れるのが最終的に望ましい」みたいなことを書きましたが、本当にそうだな、ということをありありと実感しているところです。
ある程度、ツールの形が整ったら、このメルマガでも公開してみるつもりなので、ご期待ください。
〜〜〜Gitの心地よさ〜〜〜
上にも書いた「7wriner」の開発なのですが、当初はいくつかの機能を実装しているだけの小さいコードだったので、ごく普通にファイル保存しているだけでした。
しかし、機能を増やすにつれ、相互依存的なコードも増えてしまい、一カ所を変更すると、その他の部分が多大な影響を受けるような事態も生じるようになってきました。ときどき致命的なエラーが発生する場合もあります。
そうしたとき、「一つ前の状態」に戻したくなるのですが、通常のファイル保存ではなかなかうまくいきません。
Dropboxフォルダであれば、ファイルの履歴をさかのぼれますが、ある時刻に保存したファイルがどのバージョンなのかは実際にファイルを開いてみないことにはわかりません。これはあまり使い勝手がよくありません。
さすがにこの状態で開発を続けるのは危ないと思い、Gitを導入しました。バージョン管理システムです。
※SouceTree + Bitbucket + ローカルリポジトリの構成です。
◇Bitbucket
https://bitbucket.org/
◇Sourcetree - 無料の Git & Mercurial クライアント
https://ja.atlassian.com/software/sourcetree
ここで詳しいGitの解説は避けますが、簡単に言えば、「ファイルを変更したら、コミットメッセージを入力して、コミット」。これで、それぞれのバージョンが管理されます。楽チンです。
で、このGitを使っていて心地よいなと思ったのが、「コミットメッセージ」の存在です。どんな変更を施したのかを書き込むためのもので、たとえば、「マウスオーバー時の挙動を、メニューを下に表示させるように変更」といったことを記入します。このコミットメッセージを見れば、そのバージョンがどのような状態なのかが推測できるわけですね。
この「コミットメッセージ」の何がよいのかと言えば、それを入力しているときに「自分が今やった作業はこれだ」と確認できる点です。タスクリストの場合は、実行する前に自分が今からやることを確認するわけですが、実際に取りかかってみたらそれとは違ったことしていた、あるいは+アルファなことをしていた、ということが起こりえるでしょう。タスクにチェックマークをつけても心にズレを感じることが起こりえるわけです。
しかしコミットメッセージは、事後に自分がやったことを確認します。ズレようがありません。「自分が今やった作業はこれだ」とはっきりした実感を抱くことができます(しかもそれがログとして残ります)。
しかも、です。
だんだんこのコミットに慣れてくると、逆算が働き始めて、「コミットしやすいよう」に作業を行うようになります。たとえば、「今日はショートカットキーの挙動を変更しよう」とか「クリックしたときにメニューが表示されるようにしよう。実際のメニューの内容はまた別のときにやろう」というように、区切りを持って(≒コミットメッセージに何を入力するのかを考えながら)作業に望むようになるのです。
タスク管理において、漠然と作業に取りかかることほど集中力の妨げになるものはありません。「あれもこれも」思考が働きやすくなってしまうからです。コミット(メッセージ)の逆算からの作業着手は、そのような思考の分散を抑制してくれます。これが案外効くのです。
だとすれば、ファイル管理だけではなく、通常のタスクリストにも似たような機能を実装できないのか、と考えるのがタスク管理狂の自然な発想ですね。
それについてはまた改めて考えてみたいと思いますが、そういうタスク管理の発想は結構レアな気がします。
〜〜〜一つの指針〜〜〜
自分で考え、自分で判断し、そうした分だけの責任を自分で引き受ける。少なくとも、そのことについては他人のせいにはしない。
イライラしにくい生き方の指針です。
〜〜〜Q〜〜〜
さて、今週のQ(キュー)です。正解のない単なる問いかけなので、頭のストレッチ代わりにでも考えてみてください。
Q. タスクに取りかかる前と、タスクに取りかかった後に何をしていますか?
では、メルマガ本編をスタートしましょう。
今週も「考える」コンテンツをお楽しみくださいませ。
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2017/10/16 第366号の目次
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○BizArts 3rd 「将軍のプロジェクト、兵士のタスク」
タスク管理を掘り下げていく企画。連載のまとめに入っています。
○SS 「ビッグデータ探偵」
読み切りのショートショートです。
○エッセイ 「ゆらぎを楽しむ」
週替わり連載。今週は普通のエッセイをお送りします。
○アプリ開発日記 vol.1 「ほんの出来心だったんです……」
今週から始まったミニ連載。最近注力しているWebツールの開発顛末を書いていきます。
○物書きエッセイ 「新刊について EX」
物を書くことや考えることについてのエッセイです。
※質問、ツッコミ、要望、etc.お待ちしております。
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