第三回:「今日やること」を構成する要素
デイリータスクリストは「今日やること」を一列に並べるリストです。
では、朝一番のそのリストにはどんな要素が並ぶでしょうか。きっといろいろな要素が並ぶと思いますが、それを類型化してみると以下の三つに大別できそうです。
・当日やると決めたこと
・以前から決まっていたこと(時間指定あり)
・定期的にやっていること
当日やると決めたこと
たとえば、朝起きたらメールが入っていて今日中にやらなければいけない作業が発生しているとしたら、その作業は是非ともリストに加えておきたいところです。他にも、コーヒーを煎れようとしたら豆が切れていることに気がついたなど、その日の朝のうちに──言い換えれば、仕事を始める前に──発見される「やること」はいくつもありえます。
デイリータスクリストは「今日やること」を一列に並べるリストですから、そうして気がついたもののうち、「これは今日やっておこう」と決めたものをそこに記載することになります。逆に、「これは今日ではなくてもいいか」と思ったものは、リストに記載する必要はありません。
以前から決まっていたこと(時間指定あり)
次に、以前からその日にやることが決まっている作業などがあります。人と会ったり(アポイントメント)、書類を提出したり(締め切り)といったことです。これらは、たいてい手帳やカレンダーに書き込まれていることでしょう。このような作業のことを、「スケジュール」と呼ぶことにしましょう。朝一にデイリータスクリストを作るときは、そうした手帳やカレンダーをチェックして、スケジュールも忘れず書き込んでおきましょう。
定期的にやっていること
最後に、定期的にやっていることがあります。家事でいえば曜日ごとのゴミ捨て、オフィス仕事でいえば月末の領収書精算といったものがあるでしょう。あるいはストレッチなど毎日行っていることもこの内に加えられます。こうした定期的に繰り返される作業(あるいは業務)をここでは「ルーチン」と呼ぶことにします。
このルーチンも、デイリータスクリストにはしっかり書き込んでおきましょう。
■ ■ ■
朝一番にこれだけの「やること」を書き出せば、準備は万端です。あなたは今日一日このリストを見ているだけで、「やること」を見逃すことはなくなります。安心ですね。
ちょっとしたコツを書いておけば、リストの上部には取り掛かる時間が早そうなものを、リストの下部には取り掛かる時間が遅くなりそうなものを置いておくとよいでしょう。朝一の会議はトップに、夕方からのレシート整理は下の方にといった感じです。
絶対に順番通りに並べる必要まではありませんが、多少意識して並べておくとリストは使いやすくなります。
■ ■ ■
さて、こうしたデイリータスクリストを作ることは、言い換えれば、「今日やること」ことは何か? という問いに答えることとイコールです。
案外そうしたことを考えずに一日をスタートさせてしまう人が多いのですが、それでは段取りなどしようもありませんし、抜けや漏れも頻発します。すると対応が常に後手にまわり、いつも仕事に追いかけられているような状況に陥ってしまいます。それは避けたいところですね。
朝一番に(ないしは先日の夜に)その日一日でやることを決め、それをリストに並べておく。そうすれば、優秀な秘書がついているも同然の環境が手にできます。なにせそこには「やるべきこと」が綺麗に並んでいるのですから。
あとはそのリストを手に、意気揚々と作業を進めていけばいいのですが、そんなに話が簡単に終わるなら、そもそもこの連載は始まっていません。タスクリストには理想と現実があるのです。visionとrealが。