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海流の交差点、生き物の楽園

ドボンと飛び込んだ海の中は、驚く程に流れが早い。
その流れに逆らうようにぐんぐんと泳いでいくガイドの背中を、恐怖心を振り払うように必死で追う。


目の前を平然と通り過ぎる、ウミイグアナ。
マダラトビエイが、海の中を飛ぶようにすすむ。
陸上でのよたよたとした姿と裏腹に、アシカがトップスピードで駆け抜ける。
バラクーダの群れが、舞い踊る。
ウミガメが、ゆったりと泳いでいく。

生物の多様性と魚影の濃さに、圧倒されていたそのとき。


………ハンマーヘッドシャーク…!!!
頭を振りながら泳ぐその姿に、思わず息が止まりそうになる。

………ついに、会えた…。
平たい頭と両端についた眼、尖った歯の並ぶ口元。
図鑑から飛び出したそのままの姿で、彼らは生きていた。


寝て覚めると、写真の1枚も残っていない昨日の出来事が、幻想だったんじゃないかという思いに駆られた。

ただ満身創痍の身体だけが、夢じゃないことをものがたっていた。



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麦酒 ゆみ(ゆみっぺ)
ここまで読んでくれたあなたは神なのかな。