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『応用自在な調理の基礎―フローチャートによる系統的実習書』レビュー
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『応用自在な調理の基礎―フローチャートによる系統的実習書』 西洋料理篇
川端 晶子(編著)
発行:家政教育社
🍳
調理とは
調理とは、栄養のバランスが整い、衛生的に安全で、嗜好性の高い合理的な食事を調製することであり、対象は、食事の計画、すなわち献立の作成から出発し、調理素材を選び、準備調理操作を経て主要な調理操作を行い、おいしい食物を完成して食器に盛り、供食が終わるまでのすべてのプロセスが含まれる。
料理の本なのに、序論があって、まず言葉の定義からきます!
最高でしょ?
じつはこれ、調理師の学校に通っていた方から教わった本です。
まじでプロの料理人になる人が読むための本なのです。タイトルにあるとおり実習書であり、きっと料理人のバイブル的な本なのでしょう。
基本から至極まっとうに、真面目に、料理なんていう適当でファジーな要素が沢山なものの手順を、まるでプログラムのフローチャートのごとく(ていうかフローチャートを使って)正確に解説してくれるのです。
つまりこれ、この手順の通りにやれば、誰でも何度でも再現できるわけですよ。
料理は科学だ。と、誰かがが言っていた気がしますが、科学の実験手順のよう、もちろんですが再現性もばっちりです。
この本は西洋料理(いわゆる洋食です)の本なので、西洋料理とは何ぞやというところをまず抑えてきます。紀元前からの歴史を紐解き、
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「調理」をするにあたっての全体の構成をブロックダイアグラムで図示し(!)このあたりでもうゾクゾクしてきます(え?w)
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キマシタ! フローチャートの定義!
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その他調理に必要な器具や温度の知識の説明があり……
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そして、西洋料理(の定番、フランス料理ね)の基本になるソースの解説
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いよいよ、(まってました!)
ソースの元になるフォン(だし)の調理法をフローチャートで示してくれます。
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※●とか⊕の記号は温度記号です
こうして調理されたフォンやソースは、後の調理に組み込み「サブルーチン」として利用できるようになっているわけですね。
こうして、基本を押さえ、次第に応用に転じられるように構成されている点も非常にポイント高いです。すばらしい!
この本を完璧にマスターしたら、すくなくとも西洋料理についてはもうばっちりなんじゃないでしょうか。
ちなみに、西洋料理篇の他に、日本料理(和食)篇、中華料理篇もでています。これらも本書同様のグレードの高いすばらしい本なので、和洋中それぞれの料理人必携かと!
私のように料理素人が読んでもすごくためになる、ありがたい本なのでした。料理なんてファジーなものできるかいと思っている理系諸氏や、モノづくり大好き工業系、そしてやっぱり食を愛する全人類におすすめです!
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洋食篇
中華篇
日本料理(和食)篇
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