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20191014_2「岐阜」

さかのぼること1週間前

名古屋でトリニータの試合があるのをいいことに、翌日岐阜まで脚を伸ばすことに。

目標は、FC岐阜で活躍するトリニータ戦士を見ること。

そして、何度も脚を運んでいるわりに出来ていない岐阜観光をすること。

岐阜駅、モーニング、敷島珈琲店

今年5月以来の訪問となる、個人的に好きな街 岐阜

JRの駅前に降り立つと、絢爛な金の織田信長が迎えてくれる。

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この日は「信長まつり」の日ということもあって、街はいつも以上に盛り上がりを見せていた。

岐阜といえばモーニングなのだが、あいにく…

前日に金山と栄でしこたま飲んでしまったこと

名古屋駅できしめんを食べてしまったこと

もあり、本格的なモーニングではなく、定番の敷島珈琲店で、フルーツサンドをいただくことに。

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敷島珈琲店は岐阜市に2店舗を構える、落ち着いた雰囲気と美味しいホットケーキやパンで有名な知る人ぞ知る名店

岐阜駅店は、JRの駅直結のアクティブGという施設の中にあり、アクセスも抜群。

本店は少し遠いが、最高のホットケーキに舌鼓をうつことができる。

金華山、リス村、岐阜城

腹ごしらえを済ませたあとは、定番の金華山&岐阜城に。

金華山へは、ロープウェイで

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途中で見える景色

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FC岐阜のホームスタジアム、長良川競技場

手前は都ホテル岐阜長良川

ロープウェイを降りると、見えてくるのは金華山リス村


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金華山リス村のいいところは、とにかくリスとの距離が近いところ。

入場料200円(安い!!)を支払って、軍手を受け取って脚を踏みいれると、係員からリスの餌(穀物を擂り潰した粉上のもの)を受けとる。

それを持って近づくと、リスのほうからこちらに向かってくる、というわけである。

こんな感じ↓

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油断していると足元をリスが通り抜けることも。

お客さんが少なくて、お腹が空いてる朝の時間帯は肩や頭に飛び乗ってくることもあるんだとか。

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時間帯によっては、こんな感じでうとうと微睡んでいることもしばしば。

それにしても、しっぽ太すぎィ!!

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微睡んでいる子達は触られてもあまり嫌がらず、もちろん写真撮影もOKという具合

リスに癒されたら、ほんの少し歩いて岐阜城へ

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金華山山頂にそびえ、岐阜の街からもその姿を望むことができる岐阜城

砦が築かれた歴史をたどると鎌倉時代の1201年まで遡るのだとか。

見ての通り岩山の上にそびえており、難攻不落の城として知られる岐阜城

『美濃を制すものは天下を制す』

と言われるほど。

司馬遼太郎の「国盗り物語」の主人公である斎藤道三の居城としても有名だ。

「夢も見られぬようなやつにろくなやつはない。」

稲葉山に城を築く計画を、絵空ごとにみえると語る従者に道三がかけた言葉が頭に浮かぶ。

後にこの城を攻略し、稲葉山城を岐阜城に改めたのが織田信長。

信長は、古中国代周王朝の文王が、岐山によって天下を平定したのに因んで、城と町の名を「岐阜」と改めた。また、「天下布武」の朱印を用いるようになり、本格的に天下統一を目指すようになったのもこの頃からとされる。

二人の男が夢を見た地に降り立つと、自然と背筋が伸びる。

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天守閣に登れば、長野県から岐阜、愛知、三重を経て伊勢湾に流れ込む木曽川も望むことができる。

木曽川の後方には、名古屋駅付近の高層ビルも。

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宝暦治水の話 ※長いです

木曽川といえば、郷土のひとつ薩摩で語り継がれる宝暦治水事件を思い出す。

長良川・木曽川・揖斐川(いびがわ)の3つの河川が分岐と合流を繰り返す、複雑な濃尾平野

河川の氾濫による水害が問題となっており、当時の記録によると、天正十四年(1586年)から宝暦四年(1754年)までの間に、実に92回もの大洪水が起こったのだとか。

この木曽三川の治水を江戸幕府から命じられたのが西国大名の雄、薩摩藩

いわゆる御手伝普請

この総奉行に命ぜられたのが平田靱負 (ひらたゆきえ)

普請にかかる膨大な費用

無理難題もいいところで進展のみえない工事…西高東低ならぬ東高西低の地形で、一つの河川を塞き止めようとすると、他の河川の水嵩が増す状況

幕府への不満を強める若い藩士たち

終いには工事を妨害する幕府の息がかかった人間も現れ、抗議のために切腹する者も現れる

工事の作業と切腹、そして流行った赤痢により犠牲となった藩士は80人を越えた。

全てを終えた靱負は、沢山の犠牲者と費用をかけた責任をとって腹を割る。享年52歳。

「住みなれし 里も今更 名残にて 立ちぞわづらふ 美濃の大牧」

「たちわづらふ」には、二つの意味がある

・辛い思いをしながら立つ

・立ち去りがたく思う

靱負がどんな思いで辞世の句を詠んだのか、思いを馳せる。

住み慣れた故郷薩摩も今となっては懐かしく思いきれないけれど、遠く離れた大牧で死んでいった若者たちを思うと、ここを立ち去って戻りがたい。

とでも解釈しようか。

「民に尽くすもまた武士の本分」と理不尽に耐え、全てを見届けて責任をとった靱負の生き様に、改めて感銘を受けたのである。

詳細はこちらを参照↓

FC岐阜

本家である司馬遼太郎もびっくりするくらい話がそれてしまった。確信犯ではあるが。

改めて、今回岐阜を訪れた一番の目的は、サッカー…FC岐阜である。

FC岐阜には、大分トリニータから2人の選手がレンタル移籍中だ。川西翔太と馬場賢治。

2017年に加入後、ボランチとしてチームを牽引し、2018年は膠着したゲームを動かすジョーカーとしてチームを支えた川西

2018年に加入し、竹内彬移籍後はキャプテンとしてチームをJ1昇格に導いた馬場

出場機会が限られ、チーム戦術上の理由からシーズン始めにレンタル移籍した川西を、シャドーの競争激化でこれまた出場機会が限られた馬場が夏のウィンドウで追いかけて移籍するような形になった。

二人とも大分トリニータがJ1で戦うために、力を尽くしてくれた大切な仲間だ。

そんな彼らをもってしても、FC岐阜が置かれている状況は苦しい。

数年の間に、神戸で大ブレーク中の古橋をはじめ、大本や庄司・シシーニョらが、直近では山岸といった主力が移籍し、大木前監督の志向するサッカーがなかなか実現できないシーズンを送ってきた。

後を引き継ぎ、熊本や讃岐で手腕を発揮した北野誠監督をもってしても、最下位から抜け出せていない。

残留に向けて、少なくとも21位には上がりたいところである。(J2ライセンスを取得できなかった藤枝MYFCが、J3で上位につけており、1位または2位でシーズンを終える可能性のあるため。)

J2・J3入替の条件↓

①明治安田生命J3リーグの1位・2位クラブがJ2ライセンスを保有する場合
→J2 21,22位のチームとJ3 1,2位のチームが自動入替

②J2ライセンスを保有するクラブが、明治安田生命J3リーグ 1位のみだった場合(例:群馬や北九州、熊本が1位で、藤枝や八戸が2位)

→J2 22位のチームとJ3 1位のチームが自動入替            ※ J2 21位の降格はなくなる。

③J2ライセンスを保有するクラブが、明治安田生命J3リーグ 2位のみだった場合 (例:藤枝や八戸が1位、群馬や北九州、熊本が2位)
→J2 22位のチームとJ3 2位のチームが自動入替          ※ J2 21位の降格はなくなる。

④J2ライセンスを保有するクラブが、明治安田生命J3リーグ 2位以内に入らなかった場合(おそらく、現在の順位的にはあり得ない)
→J3リーグ 3位以下の繰り上げはなく、J2クラブの降格はない。

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藤枝には、デカモリシこと森島康仁、那須川将大、清本拓己、吉平翼といった大分組がいる。デカモリシは、現在15ゴールでJ3得点ランキング首位タイに位置している。

また監督は大分を指揮したこともある石崎信弘での、非常にコレクティブなサッカーを披露しており、残り試合にも期待が持てる。

モチベーションの面で不安はあるが、J2ライセンスを取得できなかったにも関わらず、J3を制覇したブラウブリッツ秋田の例もある。

…というわけで、21位に向けて勝ち点を1つでも…いや、勝ち点3を取らなければならないのがFC岐阜の置かれている状況である。


成績と集客 

~勝敗とは別に、お客さんが集まるスタジアム~

私は、Jクラブが目指すべきは、

「試合に勝てなくても、お客さんが集まるスタジアム」

をつくること、だと思っている。

試合には勝ったほうがいいのは言わずもがな、しかし、勝負の世界、100%の結果を残し続けることは不可能に近い。

そのため、勝負事の結果を追及しつつも他に必要なのは、

人々が、継続的・習慣的にスタジアムを訪れるきっかけ・理由をつくること。

そういう意味では、FC岐阜の取り組みは面白いと思っている。

Case 1 「キャプテン翼とデル・ピエロ」

FC岐阜のスポンサーである野田クレーンという会社が、サッカーキングを運営する株式会社フロムワンと業務提携して「キャプテン翼スタジアム垂井」を運営しているおり、昨年からユニフォーム左袖にキャプテン翼のロゴをいれている。また、同年9月には「太陽王子」こと葵新伍がドリームプレイヤーとして加入している。

この「キャプテン翼」が好きなサッカー選手は多い。アンリやトッティ、カフーといった名選手が翼に憧れていたという。

アズーリのファンタジスタ、アレッサンドロ・デル・ピエロも例に漏れず大ファンで、そこに目を着けたFC岐阜のマスコットギッフィーがユニフォームを送ったところから交流がはじまったわけである。

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デル・ピエロがもともと親日家であったことも手伝ってか、

二年連続でFC岐阜の応援に訪れている。

観客は、2018年は10連敗中にも関わらず1万人越え、2019年も1万人に肉薄する動員となっている。

幼少期に、左45度のゾーン【デル・ピエロゾーン】からカットインしてミドルを日がくれるまで練習した私からすれば、垂涎もののゲストである。

Case2 「GGGとSKE48」

GGG(トリプルジー)は、エイベックスとFC岐阜がコラボした大人のチアチーム

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試合前のステージやハーフタイムなど、毎試合、長良川競技場を華やかにする存在だ。

嫌いな男がいるだろうか?(いやいない)

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そして、ときに名古屋の栄を拠点に活動するアイドルグループSKE48も「FC岐阜応援隊」としてスタジアムに駆けつける

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他にも、元乃木坂46の伊藤寧々さんが応援マネージャーだったり、元SKE48の町音葉さんが新人アルバイターだったり…

アイドル × プロサッカークラブ という試みでは、最先端なのでは?と思っている。

こうした試みは青年ファンに限らず、同世代の女性ファンや子どものファンを取り込むためにも有効だろう。

本業であるサッカーが最終的な着地点としてあるべき、という意見はあっても、まずスタジアムに来てもらって楽しいと思ってもらわなければ何も始まらない、ということである。

この流れで、魅力的なマスコットに触れない訳にはいくまい。

ギッフィー

2017年デビューのマスコット、ギッフィー

Jリーグ加盟10周年を記念し、公募により生み出された県花レンゲをモチーフにした男の子

ダンスがとにかくうまいのと、コミュニケーション能力が高いのがポイント。

エゴサーチをやりすぎるところが玉に瑕

イソギンチャクに間違われることも?あと、女の子と思われてることも多いね。

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マスコット同期はFC琉球のジンベーニョ、鹿児島のゆないくー、讃岐のさぬぴー、岩手のキヅール…

後半、キャラクター濃すぎないか?!

今年は琉球と鹿児島がJ2に上がってきたこともあり、「#17マスコット同期会」なるものを開催している。

衝撃、観覧車に乗るジンベーニョ

ミナモ

岐阜県のマスコットキャラクターであり、「ぎふ清流国体・清流大会」のマスコットキャラクターでもある。

2013年からFC岐阜のマスコットを務めており、「1年間の期間限定契約」という名目ながら現在まで活動を続けている。

大分でいうところのめじろんに近いのか…?

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ミナモはミナモでダンスがうまい。

ギッフィーがどちらかというとクールでカッコいいダンスなのに対して、ミナモは可愛く、愛らしい動きが特徴的。

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雫のかたちの頭がとても可愛い。

この二人のすごいなと思うところは、試合後のお見送り。

スタジアム正面の噴水広場で、どんなときもサポーターを見送っている。

今回みたいにアディショナルタイムにショッキングな失点をしたときも、である。

…ようやく試合の話が出たので、話を戻そう。

試合の話 VSレノファ山口

名古屋→岐阜と移動して、まさか2試合連続アディショナルタイムの失点で勝ち点3を逃すとは。

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川西翔太は少しまえの試合で怪我をしたようでメンバー外、馬場賢治はベンチスタート

岐阜は好調ミシャエルのゴールで先制するも、山口にボールを握られる展開

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前田遼一のPK疑惑もあり

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試合終了直前のゴールで同点に

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案の定、試合をコントロールできない大坪博和主審

抗議されるとムキになって相手のファールを取らない傾向があったり、

試合を切る判断が明らかに遅かったり、

元選手という触れ込みがあるものの、正直、J2ましてやJ1で笛を吹く技量・度量の審判ではないと感じている。(2017年のアウェイ松本山雅戦、伊佐が村山に倒されたシーンを判定したのが彼。今シーズンの横浜-浦和戦の第4審判も彼。)

一言だけ、

「審判が試合を壊しちゃダメだよ」

勝ち点1を取ったというよりも勝ち点2がこぼれ落ちたと見るべきか。

試合後、出番のなかった馬場賢治

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険しい表情、次節またやってくれることを期待している。

…あっちいったり、こっちいったりでめちゃくちゃ長くなってしまった。

スタグル「こもりの牛串」の話とか、ブランド豚「金華豚」は金華山と一切関係ないよって話とか、金華山山頂から徒歩で降りるコースにヤバイコースあるよって話とか、薩摩の郷中教育の話とか…書いてないだけで、ネタはまだまだあるのだけれど。

いくらなんでも冗長すぎるので、この辺で。

最後に、岐阜サポーターでJ2残留を諦めそうになってたり、J1昇格なんて夢のまた夢と思ってたりする人たちがいたので…少しだけ思いの丈を。

「夢も見られぬようなやつにろくなやつはない。」

現実は確かに厳しいです。 

でも、諦めるには早いんじゃないですかね?

こう語ってる(厳密には語らされてる)道三なんてもとは油売りですよ。

最下位から抜け出すことも、出来そうな気がしてきませんか?…まあ、彼は最期に倅に殺されるんで、ちょっと微妙な例えなんですけど…(笑)

J3は想像以上に厳しい世界でした、ウチはたまたま幸運で歯車が噛み合っただけなので、簡単に落ちてやり直しとは言わないほうがいい気がします。

以上。

また岐阜には脚を運びたいなと。

いつかは一番上のカテゴリーで、トリニータとやることを楽しみにしている私であったとさ。


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