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「DO THE RIGHT THING」と「DO THE THING RIGHT」

院時代に教わった事で
今でも自分の考えの基本になっていることがある

「DO THE RIGHT THING」と「DO THE THING RIGHT」

この2つの言葉だ
スパイク・リーの映画は大好きだが今回はその話ではない

かなり似た語順だが含んだ意味は違ってくる
「DO THE RIGHT THING」は「正しいことを行う」
一方で
「DO THE THING RIGHT」は「正しくことを行う」
となる

僕はシステムズエンジニアリングの文脈でこの言葉を教わったので
その視点から飛躍して書きたいと思う

システムズエンジニアリングの重要な考えに
「妥当性確認」と「検証」がある

要は
「妥当性確認」は「DO THE RIGHT THING」を確認する作業
「検証」は「DO THE THING RIGHT」を確認する作業
となる

まずは正しい問いを見つける
その問いが見つかったら解決する方法を考える
考えた先に何かのシステムを作る必要があるとする
それはプロダクトかもしれないし社会システムかもしれない
それが決まったら正しい工程で作れるように設計をする
そして実際に正しく機能するように検証しながら作るという流れだ

そうすることで正しいものを正しく作れたということになる

これは色々と奥が深い話である


考えた先の解が見当違いなものであっては困るし
よくあるのが、解くべき問いそもそもが間違ってるということもある

仮に間違ったまま進み「DO THE THING RIGHT」=「正しくことを行う」をやったところで
そもそもが問いが間違っているのだから
何だか役に立たないものが出来上がってしまう

例えば企業に勤めていて
上の決定で必要だと思われるものへのプロジェクトが立ち上がったとする
社員はそれを正しく実現すべく、必死になって働く
だけど思うように結果が出なかった、無風だった、
または短期的に利益は出ても信頼を落とす結果になったということがあるだろう

これでは困る

こういう事例は見渡せばいくらでもある
働いている方にはこういう経験をされた方も多いことだろう

社会は様々なシステムが複雑に絡みあって機能している
分解して見ていけば国家や会社、学校や家族などの組織も独立したシステムとして見ることができるだろう
だからこそ「DO THE RIGHT THING」=「正しいことを行う」という考えはことさら重要なのである

国家で言えば政治や省庁、会社で言えば経営に携わる方、学校で言えば校長先生や教職員の方々、家族で言えばお父さんお母さん
様々な状況下で「DO THE RIGHT THING」=「正しいことを行う」という意思決定が求められると思う


前述したが「正しいことを行う」には「正しい問い」をまずもって定義しなければならない

「国家が財政難」→「税金を上げて、なんとか切り抜ける」
「会社の売上が良くない」→「とにかく安く、薄利多売でギリギリ乗り切る」


こんな中途半端な問いから解を求めてはダメだ
対処療法のようなその場しのぎのものになる可能性が極めて高いだろう

なので「正しいことを行う」には「正しい問い」を見つけることこそが重要なのである


さて「正しい問い」とは何かと考えた時に
「本当に解くべき事象や問題」と言い換えることができるように思う
これは表面的には違う事象や問題に見えていても本当はもっと奥深く気づかないような場所に埋まっている場合が多い


「子供が言うことを聞いてくれないし勉強しない」→「無理矢理塾に通わせた」

そうではなく本当の問題は子供と一緒にいる時間が少なく、子供の想いとしては「お父さん、お母さんともっと一緒にいる時間を長くしたいからわがまま言っている」なのかも知れない
なぜ子供が言うことが聞かないのか勉強してくれないのかをもっと深く考えていく必要がある
その事象や問題がわかれば「お父さん、お母さんと一緒に勉強をする時間を作る」などのように解が変わることだろう

上記はあくまで一例だが
問いが変われば解も変わるのだ
あるいは行き着いた解が同じでもアプローチの仕方が変わってくるだろう


これをもっと大きなシステムで考えたらどうだろうか
そしてその意思決定をする立場だったらどうだろうか

中々に緊張感ある決断である


だからこそ、国家には憲法や憲章のようなものがあるし、会社にはビジョンなどが必要になる
学校では校訓かも知れないし、家庭では家族のルールのようなものだろう
考えの指針を基に正しい問いを見つけていくのだ


ただ、それに固執して盲目的になり偏った考えになるのはいかがものであるかと個人的には思う
様々な状況を俯瞰し客観的に判断する目も養いたいものだ

その上で「正しい問い」を見つけ「正しいことを行う」を実行したい

日常生活でも「DO THE RIGHT THING」と「DO THE THING RIGHT」の考えは大いに役立つことと思う
人生の目標があるのならそれを軸に「DO THE RIGHT THING」=「正しいことを行う」を考えていけばいいし
既に何かに取り組んでいる最中なら、たまに思い返すでもいい
泥沼に入る前に軌道修正できるかも知れない


気をつけなければならないのは、考えることをストップし「DO THE THING RIGHT」=「正しくことを行う」を行っている状態だ
もちろん与えられたタスクや目標に正しく取り組むことはとても重要である、しかし人は機械とは違う
「DO THE RIGHT THING」=「正しいことを行う」を自分の中で認識し納得した上で「DO THE THING RIGHT」=「正しくことを行う」を実行していきたい


正しい、正しい、、を連呼してきたが
何だかとても窮屈な気もするので、僕個人的には少しユーモアある遊び心に富んだ「DO THE RIGHT THING」=「正しいことを行う」を模索していくつもりだ
しかしながら、「正しい問い」はしっかりと導き出さなければならない







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