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自己啓発とアニミズム【儀式論 第四章呪術と儀式】

私のnoteでも
頻繁に取り上げている「自己啓発」

これが実は「アニミズム」の一種

ということが儀式論第四章では
書かれています。

そもそも「アニミズム」というのが
何かというと…

アニミズム英語: animism)とは、生物無機物を問わないすべてのものの中に霊魂、もしくはが宿っているという考え方。19世紀後半、イギリス人類学者エドワード・バーネット・タイラーが著書『原始文化』(1871年)の中で使用し定着させた。日本語では「汎霊説」、「精霊信仰」「地霊信仰」などと訳されている。この語はラテン語アニマ(anima)に由来し、「気息・霊魂・生命」といった意味である。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%9F%E3%82%BA%E3%83%A0

ひと言でいえば
万物に霊が宿っている
という考え方です。

心理学者フロイトは

この「アニミズム」的な考え方
第四章のテーマになっている
「呪術」の基になっており
そしてこれは
『観念の万能』である…と言っています。

観念で行われることは、事物においても起こらねばならない。観念相互にある関係は、事物間でも前提とされるのである。

P164

「観念」というのは
『あるものについて抱く意識内容』です。

この意味から考えると
「観念の万能」というのは
平たく言ってしまえば
「思考したことは、現実にも起こる」
ということです。

このフレーズは自己啓発界のベストセラー
全世界7000万部売れたとされる
ナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』
のタイトルそのもの
です。

つまり、自己啓発界でよく使われる
「考えていることが実現する」…という
いわゆる「引き寄せの法則」は
まさに、現代における「アニミズム」だ
というわけです。

もちろん、「受け入れがたい」と
思う人も多いと思います。

それは、今はいわば「科学の万能」
時代だからです。

「科学で起こると言われていることは起こるし
起こらないと言われていることは起こらない」

といわれれば、しっくりくる人も
多いのではないでしょうか。

しかし、筆者はここで
「観念」が万能でないのはもちろんだが
「科学」も万能ではない、と指摘します。

人間の精神や心といった複雑系は科学ですべてが解決できるわけではない。その矛盾を埋め合わせるものとして宗教が存在していると考えることもできよう。(中略)科学を偏重するあまりに宗教や儀礼を軽視するという風潮は、アニミズムを崇拝するのと同様に滑稽なことであることを自覚する必要があるだろう。

P164

「考えたことはすべて実現する!」
…と考えるのと同じ位
「科学ですべてを解明できる!」
…と考えることは滑稽だ、と
非常に厳しい指摘をしています。



私自身としては
「引き寄せの法則」にも
実際に効果があるものと
感じている面があります。
(私自身の経験からしても)

もちろん、非科学的と言われれば
それまでですが
著者の言う通り
「科学ですべてを解決できていない」
と考えていますので

自分の経験したこと
考えをふまえて
「科学の万能」にも
「観念の万能」にも
偏りすぎることなく
バランスをとって生きていく
ことが
大切なのかな…と思っています。



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