![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/54626415/rectangle_large_type_2_654f753b2e274249db5c82b78498e080.png?width=1200)
私たちの行動を左右する『サンクション』とは 『功利主義』第三章
こんにちは、らるです。
今日も『功利主義』の話をしていきます。
私たちは、基本的に
自分が快楽を得られる行動
もしくは、
苦痛を避けられる行動をとる
ようにできています。
お腹が空いたら
空腹という苦痛を避けるために
食事をする…といった具合ですね。
ですが、人は一人だけで
生きているわけではありません。
自分だけにとっての快、不快だけで
行動を決めると
不都合が出てくる場合もあります。
例えば、先ほどの空腹の場合を
考えてみましょう。
空腹だけど、自分は食べ物を持っていない。
でもふと隣を見ると、
隣の人が美味しそうにお菓子を食べている
という状況があるとします。
普通に考えたら
隣の人に対しては何もしませんよね。
せいぜい、自分もどこかに
お菓子を買いに行こう…と思うくらいの
ものだと思います。
しかし、ここで考えてみましょう。
もし「自分の快」だけを考えた場合
手の届くところにお菓子があるなら
食べるという選択肢があるのではないでしょうか?
ですが、実際には
それが他人のモノであるという理由で
選択肢から外しているのです。
ここで働いているのが
サンクション=動機付けです。
…
サンクションには
外的サンクション と
内的サンクション があります。
まず、外的サンクションですが
一番分かりやすいのは法律による罰則です。
隣の人のお菓子を勝手に食べたら
これは、犯罪ですよね。
犯罪を犯すと、罰を受ける
ということを私たちは知っています。
罰を受けるという不快が
お菓子を食べる快を上回ることで
私たちは隣の人のお菓子を
勝手に食べないんですね。
サンクションはこれだけではありません。
実際には罰を受けないにしても
それを知った人から
軽蔑されてしまう…等の
社会的制裁を受ける、ということもあります。
国からとか、他人からとか
自分の外側から受けるサンクションが
外的サンクションというわけです。
では、内的サンクションは
どこからくるかというと
これは自分の感情です。
良心とか、道徳という言葉の
イメージが近いかもしれません。
実際には非常に複雑な感情が
絡み合ってできています。
共感、情愛、恐怖
宗教的感情
過去の思い出
自尊心、尊敬されたい欲望
自己卑下…
これら自分の感情が複雑に合わさって
内的サンクションを形成しています。
「法律が無くたって
私は他人のお菓子を盗らないよ」
という方は内的サンクションが
しっかりしているということですね。
…
まとめ
人の行動の決定には
サンクション(動機付け)が関わっている。
サンクションには2種類ある
・外的サンクション
国、他人から受けるもの
法的な罰、社会的制裁
・内的サンクション
良心や道徳といったもの
自分の感情からくるもの