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理解はいつも○○からはじまる【ショーペンハウアー 著作と文体】
こんにちは、らるです。
今日は「理解」について
ショーペンハウアーさんの記述をもとに
考えていきます。
…
理解は比喩からはじまる
いかなる物事についても、それが何であるかを把えようとすれば、まず比喩から出発しなければならない。
Kindleの位置No.2105-2107
いかなる物事についても
それをとらえようとするなら
「比喩」…つまりたとえ話から
スタートする必要がある
ということです。
これは、なるほど、と思えますよね。
自分が既にわかっているもの を使って
新たなものを捉える というのが理解です。
つまり、自分の知識と、新たな物事の間に
橋渡しが必要、ということです。
たとえば、「チェス」を理解しようとしたとき
既に「将棋」を知っている人になら
「将棋のようなもの」と例えれば
おおきく理解に近づきます。
もし「将棋」を知らない人であれば
まず「ゲーム」だよ
そして「駒」を使うよ…という風に
別の方向から橋を架ける必要が出てきます。
いずれにしても
「すでに知っているもの」に
例えていく…ということです。
…
比喩が上手くなるためには?
もう一度、ショウペンハウエルの言葉を引用します。
多種多様な物事の中から、類似している点をとりあげ、類似していない点を捨てることによって、概念がしだいに形成されて来るかぎり、比喩がその基礎になっている。
Kindleの位置No.2107-2109
類似点を取り上げ、類似していない点を捨てる
これがポイントだと言うわけです。
つまり、あるものについて
どんな分類ができるか… が重要であるということでしょう。
先ほど例にした「チェス」なら
将棋に類似したゲーム
2人で対戦するゲーム
駒を使う
ボードを使う
日本より海外で人気
…などなど、様々な分類ができます。
この「分類」を沢山できるようになっておく
そして、その「分類」には他に何が属するのか考えておく
これが比喩の上達には有効ではないかと思います。
…
これは『野生の思考』における
概念の道具に近いモノかと思います。
このノートの中では
ある集団を分類する方法は
他のものを分類する時に役立つ…という話をしました
…
仮に、こういう動物の群れが
あったとしよう。
お得意の構造化をする
分けて、比べて、並べてみる
並べてみた。
すると、こんな格子が出現する
ポテトが切れそうな形になってきた
そしてもう一つのポイント
概念の道具となるのは、
動物そのものではなく、
動物を使ってできるこの体系なのである。
「概念の道具」に
「動物そのもの」は不要
なので、名残惜しいながらも
動物には退場してもらう
これで「概念の道具」が完成した。
それじゃあ早速何か切ってみよう!
というわけで
人間の群れを見つけた。
「概念の道具」で切ってみる
…と、言うわけでキレイに切れた。
…
この説明における2つの軸
「色」「成長度合い」…にあたるもの
いわば「切り口」と言えるものを
どの位持っているか
そして、どの位使えるか
これが、比喩上達のポイントになってくると思います。
「分け方」を沢山持っていれば
何かを説明する時に
その場にあった「分け方」で
その「何か」に近い事柄を例えとして用いて
説明できるでしょう。
…
じゃあ、どうしたら切り口を増やせるか
…という話になってきますが
普段から、一つのものごとを
色々な切り口で眺めてみる
…という地道な活動が必要かな、と思います。
ある物事をとらえて
色々な切り口で考えてみる…
この切り方だと、あれと同じだな
こっちの切り方をすれば、これと似てるかも…
こんな風に頭で考えておき
ストックしておくことが
比喩のため…もっと言えば
物事の理解のためには
必要なことなんだと
私は思います。