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ホメオスタシスを制せよ!【達人のサイエンス⑩】

前回までで、
達人の道への
5つのキーポイントを見てきた。

1、指導
2、練習と実践
3、自己を明け渡すこと
4、思いの力
5、限界でのプレイ

今回は達人の道を進むにあたり
「大きな壁」となる人間の根本的な性質
『ホメオスタシス』を説明していく。

ホメオスタシスとは

一言で言えば恒常性を維持する働きだ。

あらゆる生物には
ずっと同じでいようとする性質
が備わっているのである。

もし、何らかの変化があると
それを元に戻そうとする力
が働く

身近な例で言えば『体温』がある。

人間の体温は通常35~37℃程度である。

外気温が10℃変わったからといって
体温が10℃変わったりはしない。

これは人間の体内で変化に対して
元の状態を維持しようとする力
=ホメオスタシスが働くから
である。

そして、このホメオスタシスは
身体、物理面の機能だけでなく
心理、行動の面にも存在するのだ。

ホメオスタシスの問題点

一見、自分を変化から守ってくれる
有用な力に見える
ホメオスタシスだが
一つの問題点がある。

それは
「あらゆる変化に対して」働いてしまうことだ。

つまり、「良い変化」にも
ホメオスタシスは働く
のである。

達人の道を歩もうとすれば
日々、積み重ねて学び、
変化を重ねて
いくことになる。

この時の「変化」にも
ホメオスタシスが働いてくる

ホメオスタシスを制さなければ
達人の道…成長し続ける道を
進むことはできない。

ホメオスタシスに対抗する
5つのガイドライン

本書中には5つの指針が示されている。

1,ホメオスタシスの活動に気づく
2,変化に抵抗しようとする自分との「関係の調整」
3,支援体制を作り上げる
4,規則的に練習する
5,生涯、学び続ける

1,ホメオスタシスの活動に気づく

ホメオスタシスが「ある」ことを知り
実際に「抵抗」があったときに
「これはホメオスタシスだ」と気づく
ということだ。

これが最も重要である。

あなたが変化しようとすれば
それが良い変化であっても
必ず、なんらかの邪魔が入る

ただ、そういうものだということを
知っておけばいい。

知らなければ
「良い変化のはずなのに、
 なぜ、邪魔されるんだろう…
 本当は良くないのだろうか…」
などと、余計な疑念が浮かんでくる。

繰り返すが、
良い変化でも、ホメオスタシスは起こる
のである。

2,変化に抵抗しようとする自分との「関係の調整」

これは時に後退するのを
許容するという事
である。

毎日1歩ずつ進もうとしても
時にはホメオスタシスが働いて
1歩下がってしまう時もある

それを受け入れるということだ。

「頑張ったのに、
 今日進めなかったから
 もうダメだ…」

などと思わず

「これはホメオスタシス。仕方ない
 明日からも地道に頑張り続けよう」と


自分の心と調整を行おう。

3,支援体制を作り上げる

変化をともに喜び分かち合える仲間が
居ると大きな支えになる。

できることなら、同様の変化の最中の人
または、すでに経験した者がいい。

武道なら、道場に入ることが
手っ取り早いし

他の事でも
今ならネット上のサークルを
探してみるのがいいかもしれない。

4,規則的に練習する

達人の道のベースは
継続した日々の練習・実践である。

…と、言うことは
この「規則的に練習」する状態を
「いつものこと」
にしてしまえば
ホメオスタシスが悪い方向に働くことは
なくなる
のである。

5,生涯、学び続ける

学ぶとは、何かを知って
変わること
である

つまり、学び続けている人は
変わり続けている人
なのである。

変わり続けている、ということは
常にホメオスタシスと戦い続けている

ということになる。

学び続ける生き方を身に着ければ
自ずと、ホメオスタシスへの対処を
身に着けることができるのである。

まとめ

達人の道では
「ホメオスタシス」が壁になる。

ホメオスタシスとは
常に同じでいようとする性質であり
変化が起こると、それが
「良いものでも」「悪いものでも」
元に戻そうとする力が生じる

ホメオスタシスに対応するには
以下の5つが有効

1,ホメオスタシスの活動に気づく
2,変化に抵抗しようとする自分との「関係の調整」
3,支援体制を作り上げる
4,規則的に練習する
5,生涯、学び続ける






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