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没頭する対象は何でもいいのか?

子供のころから没頭する対象は
ゲームばかりだったように思います。
らるです。

今日は、先日紹介した
「遺伝」の本から

才能を発揮できるようになるために
「没頭」する対象はなんでもいいのか?

という話をしていきます。


まずは「没頭」が大事、でも…

まず大前提として、没頭という状態は能力の発現において非常に重要です。特定の事柄に対して、何時間も、何ヶ月も、さらには何年も没頭して、そのことばかりを考え続ける───。

安藤 寿康. 生まれが9割の世界をどう生きるか 遺伝と環境による不平等な現実を生き抜く処方箋 (SB新書) (p.163). SBクリエイティブ株式会社. Kindle 版.

才能の開花…というのは
能力の発現といいかえることも
できるでしょう。

そこで重要なのが「没頭」というわけです。

確かに、才能を開花させる人は
何かを熱心にやりこんでいますよね。

ですからここは、素直に納得できるかと
思います。

すると、次に疑問になってくるのが

「没頭」するならなんでもいいの?

という話でしょう。


たとえば
「ソシャゲの課金にハマるのはあり?」
といった疑問です。

これは、ダメそうですよね。

では、どう線引きをしていったら
いいのでしょうか。


2つの基準

「没頭」の対象として
能力の発現につながるかどうか…という点では
2つの基準があります。

 脳の発達過程や予測脳の話をもとに推測するに、没頭の対象については2つの基準を考えることができそうです。
 一つは、対象が学習性のある素材であるか、それともただ消費するだけのものに没入してしまっているか。もう一つは、本物につながっているか、それともインチキなものか。

安藤 寿康. 生まれが9割の世界をどう生きるか 遺伝と環境による不平等な現実を生き抜く処方箋 (SB新書) (p.165). SBクリエイティブ株式会社. Kindle 版.

(1)学習性のある素材
(2)本物につながっている

この2点が基準になってくるのだそうです。

(1)学習性のある素材

これは「問題解決に取り組んでいるか」
がポイントです。

たとえば、同じようにゲームをやるにしても

単に「ガチャで当たりを引くのが気持ちいい」
感じて、ひたすら課金をしている…
というのであれば、「学習性が無い」

と言えますし

データを分析して、
攻略するための仮説を立て、実践し、
改良を続けている
…というのなら
「学習性がある」と言えます

(2)本物につながっている

こちらはちょっと難しい表現なのですが
要は「社会の中で文化として根付いているか」
ということなのかと思います。

その領域を作り上げている文化的な知識の蓄積と現実社会の中で社会経済的な基盤がどれくらいあるかということ。産業のさまざまな分野や学問・芸術・スポーツなどの伝統的な文化領域などはそれに相当します。将棋や囲碁はただのゲームにすぎないかもしれませんが、その世界は奥が深く、アマからプロまで大勢の人が参加して楽しみ、もはや現実社会と無関係とは言えません。eスポーツやメタバース、ユーチューバーなどのように、仮想現実の世界ににわかに作られた新しい領域も、元はといえばリアル空間にあったものがヴァーチャル空間の中に再現されたもので、いまやプロが生まれ、多くのつわものたちが腕を競い、それを娯楽として楽しむ文化が形成されています。

安藤 寿康. 生まれが9割の世界をどう生きるか 遺伝と環境による不平等な現実を生き抜く処方箋 (SB新書) (p.166). SBクリエイティブ株式会社. Kindle 版.

先ほども例に挙げたゲームで言えば

将棋、囲碁なんかは昔から
文化として根付いていましたし

最近では「eスポーツ」として
いわゆるテレビゲームでもプロが生まれ
すっかり文化として根付いています

こういったものにつながっているかどうかが
ポイントになるわけです。


社会に認められているものでないと
「能力の発現」にならないの?

…という疑問もあるかもしれませんが

これは、その通りです。

そもそも「能力」というのは
それを測るモノサシがあって初めて
認められるものなので

「誰にもすごさがわからない」なら
「能力の発現」として認められない

ということなわけです。

つまり「能力とは、それが実際に発揮された行動によって測られるものである」と。当たり前じゃないかと怒られそうですが、能力が内側にある目に見えないものだという考え方を覆しているという意味で画期的です。そしてその行動を他人と比較できるモノサシを作らねば見えるようにはならないと言っているという意味でも重要なのです。

安藤 寿康. 生まれが9割の世界をどう生きるか 遺伝と環境による不平等な現実を生き抜く処方箋 (SB新書) (p.70). SBクリエイティブ株式会社. Kindle 版.

この点を考えると
(2)本物につながっている
つまり、文化として社会に認知されているか
が能力の発現のために重要
…ということは
納得できるかと思います。


個人的には、多くの人に認められるモノサシが
無いようなもの(能力の発現と認められづらい)
にも、面白さがあると思っていますので

認められないから、頑張る意味がない とは

思わないで欲しいなあ…という気はしています。


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