
街、一匹、ヴィラン(8)
聞こえてくる音すべてがうるせぇんだよ
このまま誰の記憶にもないまま死ぬのは嫌なんだよ
だから考えたんだ
この恨んでるもの全部に覚えてもらえるぐらい
サイコーに楽しいことをしようと
気づけば時計は20:00を指している
いろんなことを考えたし
意外とあの歌手の曲が多くて聞いていたらこんな時間になっていた
22時
22時になったら外に出よう
でもどっちみちあと少し暇だ
やることもない
何をしようか
残り少ない時間に何を当てようか考えた
......あの歌手の曲をもう一度聞こう
歌詞をちゃんと見て
あいつがどんな人間だったか調べよう
そうしよう
人生最後のに時間をこんなことに使ってしまっていいのかと頭では思うが
もう体が言うことを聞かない
あいつは幸せだったのか
どんなことを話していたのか
どんな人柄だったか
どんな気持ちだったのか
どこでどんな風に
どんなことをしていたのか
どんなしぐさをする人だったか
どんな声でしゃべる人だったか
どんな思想を持っていたか
誰かと住んでいたのか
一人で住んでいたのか
ペットはいたのか
どんなものが好きだったか
どんなものが嫌いだったか
恋人はいたのか
周りとうまくやっていたのか
周りからの信頼度はどうだったのか
仕事は順調だったのか
どんな異性が好きだったのか
何が口癖だったか
よく食べるほうだったか
それともそんなことなかったか
身長はどのくらいだったか
どんな化粧をしていたか
なぜ音楽が好きなったのか
いろんなことを調べた
残り少ない人生すべてをこの歌手だけにささげたのだ
でも俺はなぜか後悔してない
なぜなのかは自分でもわからない
なぜなんだ
そろそろ外に出る準備をしよう
どうしよう手が震えてきた
止めようにも止まらなかった
俺が選んだ道なんだ
あの時からずっとこうなることを望んでいた
そのはずだったし今もそうだ
もう決めた選択は絶対に疑ったりしない
少なくともあいつはそうだった
自分が決めたことに根拠もなく自信過剰で
でもだから堂々としてて
俺はああいう人になりたかったんだな
息が荒くなって
のどに何か詰まっているか疑うほど声が出なかった
息の吸い方を忘れてしまいそうだ
苦しくて吐き気がする
ひどくせき込んで床に倒れる
こんな苦しんでいたって心配してくれる人なんぞいない
そして覚悟を決めた
後を追いかけるように
震える手で拳銃を持つ
あの日からずっと我楽多を漁って探してた
そしたら出てきたんだ
あの影はこの結末をもう知ってたのか
そう思ってしまうほどだった
パーカーのポケットに入れる
思ったより重かった
確かに本体も重いけどそうじゃなくて
何か違う重みもあった
そうなんだと思う
でもいいんだ
だってこんなにも憎んでいるのだから
生まれてからずっといい思いなんてしてこなかった
俺は幸せと感じたことはなかった
誰からも愛情を受けずに育った
だからそんな世を恨むのだ
どうして俺は幸せになれないんだろう
もういっそ生まないでくれよ
どうしてこの世界に俺が生を持ったんだよ
やめてくれよ
嫌がらせでしかないだろこんなの
神がいたら俺の人生もっといいものだった
神なんていない
世の中を恨む
最後だけ
最後だけ俺の存在を知ってほしい
あぁこんな狂ったやつがこの世にいるんだなって
思わせてやるよ
一生お前らの脳裏に刻まれる狂人に
独りで死ぬよりマシだ
死ねばいいのに
クソっ......!
どこにいても何をしても俺はダメなんだなって思う
なんでだよ
どうしてだよ
俺をこの世に生を持たせた奴を一生恨む
この世の中がよくなることなんてない
どうせこの先
生きていたっていいことなんてない
だったら今この世にいるすべてを巻き込んで
死んだほうがマシだ
テレビに反射する自分の顔は
この世のすべてを恨んだ
今にも死にそうなやつの顔だった
意を決して俺は外に出る
夜でもうるさかった
夜ぐらい静かにできないのか
あのスクリーンのとこまで行く
重い足取りだったような
そうでもなかったような気がする
スクリーンの前に行く
こんにちは!raraです!!
そろそろクライマックスを迎えそうです
あと二個ぐらいでもう終わるんじゃないでしょうか
最後までぜひ追っていただけたら嬉しいです!
そしてみなさまにめっちゃお願いです
この作品の投稿が終わったら自己紹介の記事を書こうと思ってます!
なので自己紹介のネタをください…!!お願いします…!
私に聞きたいこと答えられる範囲内なら答えます!
コメントんに質問していただいただけたら嬉しいです!
そしてなぜか今日一日でめちゃフォロワーさんが増えて嬉しいです!
本当みなさまありがとうございます!
これからもお願いします!!以上raraでした!