【論文要約】『企業価値評価 VALUATION』成長か、ROICか?
成長とROIC、企業価値を最大化するのはどっち?
はじめに
企業の経営において、成長と収益性のバランスは常に重要な課題です。成長を追求し市場シェアを拡大することは、将来の収益基盤を築く上で不可欠です。一方で、収益性を軽視して無謀な成長を追求すれば、企業の財務基盤を脆弱化させ、持続的な成長を阻害する可能性もあります。
では、企業はどのように成長と収益性のバランスを取れば良いのでしょうか? この問いに対する答えを探るべく、今回はマッキンゼー・クォータリーに掲載された論文 "How to choose between growth and ROIC" を基に、成長とROIC(投下資本利益率)の関係性について詳しく解説していきます。
ROICは、企業が投資した資本に対してどれだけの利益を生み出しているかを示す指標であり、収益性を測る上で重要な指標の一つです。
論文の概要
本論文では、1995年時点で時価総額20億ドル以上、上場10年以上の非金融米国企業を対象に、1995年から2005年までの10年間の成長率とROICのパフォーマンスを分析しています。その結果、企業は、現在のROICの水準に応じて、成長戦略とROIC向上戦略を使い分けるべきであるという示唆を得ています。
論文の結論
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