運命と私 60
冷蔵庫の中にある物で簡単に夕食を作り、
私はお正月のテレビを見ながら1人で夜ごはんを食べていた。
でも、どのテレビを見ても面白くない。
祐一は何時ごろ帰って来るのかな?
そんなことを考えていると、
8時過ぎごろ祐一から電話がかかって来た。
「今日帰る予定がおじさんに酒飲まされて、
車の運転出来ないから、帰るの明日になる。」
「そうなんだ、なんか楽しそう。」
「楽しくないよ、酔っ払いの付き合いなんて。」
「明日の午後迎えに行くよ。
明日もオレの家に泊まりに来るでしょ?」
「うん行く、3日は初詣行く約束でしょ、
覚えてる?」
「覚えてるよ。」
「おーい、祐一!女と電話か!!」
後ろでおじさんの声が聞こえた。
「ごめんオレ戻らないと。」
「わかった、じゃ明日ね。」
「オレがいなくて寂しくない?」
「何言ってるの、寂しくないよ!おやすみ。」
「おやすみ。」
私は電話を切った。
早いけどやることも無いからもう寝よう。
私は電気を消して、ストーブだけ付けて、
布団に入った。
暗い部屋にオレンジの光がゆらゆらと揺れている。
1人には慣れているはずなのに、
二晩祐一と一緒にいたら、
1人の夜が寂しく感じた。
祐一が「寂しくない」って聞いて来たけど、
本当は寂しかった。
でもそんなこと恥ずかしくて言えるわけが無い、
祐一に私の心の声が聞こえているのかもしれないと思うことが時々ある。
1人だと寂しい、
でもずっと一緒にいると疲れてしまう。
面倒な女。
でもこの曲がった性格はなかなか治らない。
つづく
いいなと思ったら応援しよう!
もっと飛躍する為の活動資金宜しくお願い致します。