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青春の思い出は色あせない。 5

朝はいつもより早く目が覚めた。

バンガローの中がとても寒くてみんな早く起きていた。
木々の影になり日差しがバンガローに当たらないので、
とても寒かった。

私たちは少しだけの荷物をまとめて、
バンガローを後にした。

宿泊施設に行くと先生が待っていた。

「大丈夫だったか?よく眠れたか?」

「寒かったです。」

「食堂で朝ごはん食べて温まって来い!」

「は〜い!」

みんなで足早に食堂に向かった。

食堂は温かく白米と魚、卵焼きとウインナーの香りがした。


幸せな香り。

私たちは朝食を済ませて、
みんなでエントランスホールに集まり、
部屋に荷物を運んでから、
いつもの学習室に向かった。

暖かい日差しが心地良く、
いつもより居眠りしている人が多かった。

「平和だな」私は小さな声で言った。

昨日の夜のことは夢だったのかもしれないと思うほど、
いつも通りの1日だった。
みんな何も無かったように、勉強をしてスポーツをした。

それからの2泊はあっという間に過ぎた。

帰る日、みんなで荷物をまとめて、
施設の方々にお礼を言ってバスに乗った。

クーラーの効いたバスは、
観光バス独特の香りがした。

そしてバスはゆっくり山を下り始めた。

2日前に歩いた道だ、
明るいと同じ道とは思えないほど、
緑に囲まれたキレイな道だった。

だいぶ下ったところにコンビニはあった、
引き帰った場所からまだ30分以上は歩かないとコンビニは無かったのだ。
私が窓からコンビニを見ていると、
みんなも同じくコンビニを見ていた、
「あそこからだいぶ先だったな・・・」という気持ちはみんな同じだった。

高速道路に乗りバスの心地良い揺れでみんな、
睡魔に襲われて爆睡していた。

気がつくと千葉県に戻っていた。

これが私の青春の思い出の1つ。



10日間で学んだことは多かった。

そして思い出もたくさん出来た。

みんなで一緒にお風呂に入り、
同じ物を食べて、同じことを学んだ。

みんなで同じ髪型にしたり、
好きな人の話しをしたり、
誰にも言ったことが無かった悩みを打ち明けたり、
些細な不安を吐き出したり、
苦手な子の話しをした。

はじめは不安だった「あまり話したことのない女子」とも仲良くなり、
このままここで生活出来ると私は思っていた。

人はどんな場所にでも順応出来る。
人はどこでも生きて行ける。
と感じることの出来た10日間だった。

25年過ぎた今でもスチャダラパーの今夜はブギー・バックを聞くと、
あの時の思い出が蘇る。

滅多に聞くことが無い曲だけど(笑
時々どこかのお店で流れていると私の記憶スイッチがONになる。

たまには過去の思い出にスポットライトを当てることも必要。

悲しい、辛い、苦しい、怖い過去の記憶は、
色濃くのこり私を脅かしてくるのに、
楽しい、嬉しい、面白い記憶は色あせてしまう、
だからこそ時々ライトを当てて、
蘇らせることも大切だ。

あの時のコンビニ探検メンバーともう20年以上は会っていない、
みんな何をしているかな、
あの時の星空を、あの時の蛍を、あの時の道を今でも覚えているだろうか?

みんなの心の中にある共通の記憶。

みんなが覚えていたら嬉しいと思った大晦日でした。

今年も終わり。

また来年もよろしくお願いします。

らら


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らら
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